ソフトウェア大手のInforは米国時間4月8日、「CloudSuite Automotive」および「CloudSuite Aerospace & Defense」(A&D)のリリースを正式に発表し、業界に特化した2つのCloudSuite製品の提供を開始した。同社は3月、クラウド導入プラットフォームを「Amazon Web Services」(AWS)に移行した際に、これらの製品の提供を予告していた。
CloudSuite Automotiveでは、OEMと大手サプライヤーは同プラットフォームを利用することで需要、供給、受け渡しに関するデータを電子的に共有することができるようになる。これにより、納期を短縮し、応答性を向上できる可能性がある。業界に特化した分析は、財務に関する洞察やエンドユーザーの事業に関する指標を表示するUIを通じて提供される。
CloudSuite A&Dについては、主な利点はAutomotiveにみられるものと変わらない。対象の業界に関連する洞察と、中核的な業界アプリケーションへのアクセスが異なるだけだ。
AWS経由のクラウド配信は、月額サブスクリプションで管理されているため、AutomotiveとA&Dの2つのCloudSuite製品を導入することで、IT関連の先行支出を大幅に削減できる点が強調されている。また、これらの製品は、専用のミドルウェア「Infor ION」、そしてソーシャルコラボレーションエンジンの「Infor Ming.le」も活用し、これらが顧客とサプライヤー間の内部的および外部的なやりとりを促進させる。
Inforの製品管理担当バイスプレジデントであるJohn Bermudez氏は、声明で次のように述べた。
InforのCloudSuiteは顧客に対し、Infor製品によってもたらされる、業界固有の機能性を犠牲にすることなく、投資回収率(ROI)を向上し、クラウドの動きに乗る機会を提供する。
Inforは3月に行ったAWS関連の発表において、財務管理や人材管理を対象とした同社のソリューション「CloudSuite Corporate」について、AWSへの移行は2014年の夏になる予定だと述べている。
Inforがこの勢いを維持するとすれば、最高経営責任者(CEO)のCharles Phillips氏は、同社をクラウドベースの主力ERPベンダーとして位置付けることに成功する可能性があり、OracleやSAPといった企業はこのことを真剣に受け止める必要があるだろう。
ソーシャルコラボレーションエンジンのInfor Ming.le
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。