レッドハットは、12月2日、コンテナベースのPaaS基盤「OpenShift Enterprise」の最新版「OpenShift Enterprise 3.1」の提供を開始すると発表した。最新版では、DockerとKubernetesに関する複数のアップデート、OpenShift専用のミドルウェアサービスの追加、OpenStack統合のための拡張を実施した。
OpenShift Enterpriseは、Docker形式のLinuxコンテナで、Googleが中心となって開発を進めるコンテナ管理ツール「Kubernetes」と企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 7」を統合したPaaS基盤。複数の開発言語を利用しながら、コンテナアプリケーションのための開発基盤から本番環境の基盤までを完全にサポートする。
「OpenShift Enterprise 3.1」では、ウェブ、コマンドライン、さまざまなIDEとの各種インタフェースから、コンテナアプリケーションの開発を可能にした。また、セルフサービスツール、アプリケーションのビルドオートメーション機能拡張や「Jenkins」による継続的インテグレーション機能を追加し、自動的なデプロイメント機能を含む、開発から本番の運用までのアプリケーションライフサイクル管理も可能にした。
また、最新のDockerコンテナとKubernetesによるオーケストレーションエンジンを利用することで、コンテナベースのアプリケーション開発と企業向けに対応した信頼性の高いクラスタ化されたコンテナ基盤を提供する。
OpenShift Enterprise 3.1では、「Red Hat JBoss Middleware」をコンテナアプリケーションとして提供しており、開発者はこれまで通りの使い慣れた統合開発環境のツールを使って、より高速で柔軟性の高いコンテナアプリケーションを開発できる。これにより、開発初期の「立ち上がり」時間の大幅な短縮や、ハイブリッドアーキテクチャに対応した移植性の高いアプリケーション構築に役立つとしている。
また、「Red Hat CloudForms」の最新版を利用することで、ハイブリッドクラウドにまたがったコンテナアプリケーションの高度な管理が可能になり、アプリケーション運用管理機能も向上した。
また今回、「Red Hat Atomic Enterprise Platform」のパブリックプレビュー版リリースも同時に発表した。複数のコンテナで構成されるアプリケーションとサービスを実行し、オーケストレーションできるように設計された同製品は、ハイブリッドクラウドの基本構造全域でコンテナベースアプリケーションの可搬性を完全なものにする。
パブリックプレビュー版では、共有コンテナイメージの管理を実現するレジストリサービスや、Red Hat認定が認定したコンテナアプリケーションの配布専用レジストリ機能が搭載されており、Kubernetesを実装しクラスタ化されたプラットホームで、コンテナアプリケーションのオーケストレーションを安全に実現できる。