Googleは米国時間7月8日、3次元(3D)オンラインソーシャルワールド「Lively」(ベータ版)を立ち上げ、「Second Life」への攻撃を開始した。ただしGoogleは、Livelyがユーザーにとって「第2の人生」(second life)ではなく、「第1の人生」(first life)の一部になることを望んでいる。
Second Lifeの場合、オンラインワールドに入るには、別に「クライアント」と呼ばれるソフトウェアパッケージをダウンロードしてインストールしなければならない。Livelyもまた、ダウンロードしてインストールするという操作(現在のところ「Windows」版のみ)が必要になるが、そのあとは「Internet Explorer」(IE)もしくは「Firefox」を使ってバーチャルワールドに入ることができる。
Googleで同プロジェクトを担当するエンジニアリングマネージャー、Niniane Wang氏はこう述べている。「Livelyは、インターネットと統合されており、代替の目的地ではない。われわれの狙いは、Livelyをユーザーの現実の生活に追加することだ」
既存のインターネットとの統合は、いくつかの形式で提供される。ユーザーはまず、インターネット上のどこかに保管された写真や動画などのコンテンツに接続できる。また、既存のウェブページにLivelyのエリアを埋め込むことも可能で、Googleが作成したウィジェットを使ってMySpaceやFacebookのページに表示させたり、ブログに組み込んだりできる。また、通常のウェブアドレスをメールで送って、友人に参加を呼びかけることも可能だ。
Livelyではユーザーが独自のオンラインスペースを設定でき、自分の部屋、牧草地、無人島、あるいは筆者がデモ版で試したようなシリコンバレーの仮想オフィスパークなどを利用できる。衣装やアバター(Second Lifeと無縁だった人のために一応説明しておくと、アバターとはオンライン世界でのユーザーの化身)のルックスも変えられる。もちろん、話すこともできるし、後方宙返りも、握手も、ハイタッチもできる。
Wang氏によると、Livelyの意図は、より良いソーシャルな要素をオンラインのやり取りにもたらすことだという。その要素とは、インスタントメッセンジャーのステータス行に現れる顔文字などに比べ、より洗練された形で自分を表現できるようなものだ。
「われわれは、こうした方法でソーシャル化する欲求が存在すると考えている」とWang氏は語り、それこそが、2年ほど前にSecond Lifeの人気が急上昇し、大いに注目を集めた理由だと示唆した。「Livelyがその欲求を満たすのに役立てば、と期待している」
Second Lifeとの違いは、ほかにも若干ある。Livelyでは仮想通貨を提供していない。また、ドラッグ&ドロップ形式のインターフェースを採用し、より使いやすく設計されている。そして、少なくとも今のところ、ユーザーによるプログラムには対応していないので、家具や服、ヘアスタイルなどは、Googleが用意したカタログから選ばなければならない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」