日本最大手のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」が、Googleの検索エンジンと検索連動型広告配信システムを採用することを7月27日に発表した。これについて、ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏は、2011年3月期第1四半期(2010年4〜6月)の決算発表で「いくつかの項目で評価した結果、総合的に見てGoogleが一番良い検索結果を提供できると判断した」と説明した。
これに対して、Microsoftの法律顧問であるBrad Smithが「今回の提携は、日本において有料および無料の全検索に関し、事実上100%をGoogleに与えることになる」といったコメントを出している。
このほか、IT業界の関係者らもさまざまな意見や見方を寄せており、アイレップ 取締役 SEM総合研究所所長の渡辺隆広氏は、ユーザへの影響について「Google検索ユーザがYahoo! JAPANに流れるようなことはないのではないか」といった内容を考察している。
こうした中、ソフトバンクの代表取締役社長である孫正義氏も、7月29日に開催した2011年3月期第1四半期(2010年4〜6月)の決算発表の場で説明した。孫氏は「Yahoo!Japanは設立当初から検索エンジンを(自社で)持ったことはない」と前置きした上で、「米Yahooが検索エンジン継続を断念することになったので、MicrosoftのBingかGoogleか、そのほかか、どれを使うか選択しなければならなくなった。米Yahooが提携したBingも真剣に相当検討したが、日本語化(日本語による検索結果)が不十分だと判断したため、既に実績のあるGoogleに決めた」と語った。
また、「事前に日本の公正取引委員会にも相談した」(孫氏)としている。広告配信でもGoogleのエンジンを使うが、Googleとヤフーでは広告の料金を決める入札の仕組みが「東証と店頭市場、もしくはNasdaqとNY証券取引所の違いのように」異なっているため、料金をつり上げるといったことにはならないとの専門家の意見ももらっているという。
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