千葉県警生活経済課と柏署は5月14日、個人のウェブサイトに書籍の内容を権利者に無断でアップロードしていた大阪府堺市の派遣社員男性(43歳)を著作権法違反の疑いで逮捕し、5月15日に千葉地検松戸支部に送致した。
男性は2006年12月8日、学習研究社が発行する書籍「最新版 香水の教科書」の文章のほぼすべてとなる109章分を無断で複製し、自身が運営するウェブサイトに掲載していた。不特定多数のインターネットユーザーに対して自動的に送信できる状態として、同書の作者である榎本雄作氏の著作権(公衆送信権)の侵害にあたる。
著作権者から相談を受けた学習研究社が社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)に相談していた。
警察の調べによると、男性はアフィリエイト収入を得るために、無許諾で本の文章を複製・掲載していたことを供述しているという。男性はアフィリエイト収入を得るために約100のURLを持ち、毎月約10万円の収入を得ていたという。
学習研究社からこの男性へ削除の要請を2回行ったが、男性は掲載を続けていた。
同社は今回の事件に対し「出版社は、多くの読者へ作品を届けるため、作家が大変な努力と共に作り出した作品を預かり、その出版を担っています。当社としては、作家の創作活動を支援する出版社として、男性の行為は断じて許すことはできません。当社は、ACCSとともに、今後も著作権が正しく守られるよう、活動を行っていきます」とコメントしている。
同様の事件では、2006年2月に大田区の自営業男性ら3人が約200のコミック作品をスキャンした海賊版データを自身が運営するホームページ「464.jp」に無断で掲載し、著作権を侵害したとして逮捕されている。3人はそれぞれ懲役1年から2年の実刑判決を受けている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」