Googleは米国時間3月24日、複雑な検索を実行した時に、より良好な検索結果を見出せるようにサポートするため、大幅な変更を加えたことを発表した。
新技術により、検索クエリに関連してリストアップされるウェブページのコンテンツ解析が行われ、その内容から、検索クエリとの関連性が高い、ページ中の人物、場所、コンセプトなどの「構成要素」が抽出されることになる。その後、時に応じて、検索結果表示ページの最上部または最下部に、「より検索の精度を上げる」ためのセクションが表示され、新たな検索候補ワードのサジェスト機能が提供されるようになると、Googleの検索クオリティ改善チームの技術部門トップであるOri Allon氏は、インタビューで明らかにしている。このプロセスは、Googleが検索結果を返すまでの、わずか数分の1秒間で実行される。
Allon氏は「検索クエリが何を意図したものか、そのクエリの前後関係をも理解しようと努めている。われわれは、ユーザーが求めている検索結果にたどり着けるように、検索の精度を上げるべく、よりハイクオリティな仕事をこなしていける」と語った。
これまでもGoogleは、ほぼ英語のみではあるものの、このようにして検索の精度を上げるサジェスト機能を提供してきた。しかしながら、現在では「ほとんどすべての検索」で、Googleがサポートしている全37の言語にて利用可能になると、Allon氏は述べた。同技術により、長く複雑な用語の検索クエリの精度が向上することになるが、単純な検索クエリにも、同技術は有効であると、Allon氏は解説する。
一例として、「revolutionary technological developments in history(歴史上の革新的な技術開発)」という検索クエリからは、ページの最下部に、さまざまな他の検索候補ワードのサジェストが表示される。その中には、通常のトップ10の検索結果としては表示されない、American Revolution(アメリカ革命)やagricultural revolution(農業革命)をサジェストする検索候補ワードなどがある。
さらに、長い検索クエリに対して、Googleは、各検索結果のリストと一緒に、対象サイトからテキスト情報を断片的に「スニペット表示」し、よりサイトの判断材料を豊かに提供するようになった。
Allon氏は「断片的なテキスト情報が長く提供されるほど、検索結果として表示される対象サイトの内容を、一層十分に理解し、そのページへジャンプするべきかどうかの判断を、より下しやすくなると考えている。こうして、今までよりも長くスニペット表示を提供することで、(より少ない頻度で)検索結果をクリックしたものの、望んでいた情報が見出せなかったため、再び元のページへと戻ってくるという状況が生じることが判明した」と語っている。
Allon氏と、Googleでスニペット表示の開発チームに属するエンジニアのKen Wilder氏はともに、24日に行われたGoogleの公式ブログへの投稿で、変更点の詳細を伝えている。
今回の変更は、検索分野でGoogleを抜きん出ようとする対抗企業が直面する難題を浮き彫りにしている。たとえば、Wolfram Researchは、検索エンジンに長い検索クエリが打ち込まれた時、特に威力を発揮するように設計された、「Wolfram Alpha」という新たな検索技術を5月に発表予定である。とはいえ、Googleが新たに加えた変更点の中には、その種の検索クエリに対応する上で役立つものが、すでに含まれるようになった。
Googleによると、今回の検索精度を上げるための改良が、実際に役立つことを示すテスト結果も得ているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス