金峰山晴樹
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基礎情報 | ||||
四股名 | 金峰山 晴樹 | |||
本名 |
Ерсін Балтағұл バルタグル・イェルシン | |||
愛称 | イェルシン、キンちゃん、サモハン | |||
生年月日 | 1997年6月24日(27歳) | |||
出身 | カザフスタン・アルマトイ州 | |||
身長 | 195cm | |||
体重 | 178kg | |||
BMI | 46.81 | |||
所属部屋 | 木瀬部屋 | |||
得意技 | 突き、押し[1] | |||
成績 | ||||
現在の番付 | 西十両筆頭 | |||
最高位 | 東前頭5枚目 | |||
生涯戦歴 | 139勝104敗2休(19場所) | |||
幕内戦歴 | 68勝80敗2休(10場所) | |||
優勝 |
十両優勝1回 幕下優勝1回 三段目優勝1回 | |||
賞 | 敢闘賞1回 | |||
データ | ||||
初土俵 | 2021年11月場所 | |||
入幕 | 2023年3月場所 | |||
趣味 | 散歩、映画鑑賞 | |||
備考 | ||||
カザフスタン出身者初の幕内力士 | ||||
2024年11月26日現在 |
金峰山 晴樹(きんぼうざん はるき、1997年6月24日 - )は、カザフスタン共和国アルマトイ州出身[2]で、木瀬部屋所属の現役大相撲力士。本名はバルタグル・イェルシン[3](カザフ語: Ерсін Балтағұл)。身長195.0cm、体重178.0kg。最高位は東前頭5枚目(2023年5月場所)。
来歴
[編集]来日前は柔道をしていたが、ドルゴルスレン・ダグワドルジ(元横綱・朝青龍)の紹介で18歳の時に日本の日出高校(現・目黒日本大学高校)に編入学し、相撲を始めた[4]。日本大学スポーツ科学部競技スポーツ学科に進学後は日本大学相撲部に所属した[2]。3年次(2019年度)に学生選手権団体優勝、全日本選手権個人準優勝の実績を残す[4]。4年次(2020年度)には学生選手権で3位になり、全日本選手権ではベスト16に入った[4]。
大学卒業後は日大の勧めで大相撲の世界へ進むことになり[2]、日大OBが師匠の木瀬部屋に入門した[4]。木瀬部屋としては臥牙丸(ジョージア(旧グルジア)出身)の後継の外国出身力士である。カザフスタン出身力士としては風冨山以来2人目である。入門後は研修期間を経て2021年9月場所の新弟子検査に合格[4]。興行ビザの取得を待って同年11月場所で初土俵を踏んだ。四股名は、師匠・11代木瀬(元幕内・肥後ノ海)の故郷にある金峰山[注 1]と、日大在学中に死去した元高校横綱で11代木瀬とは大学の同期だった成田晴樹に由来する[1]。本人は四股名の由来となった金峰山を富士山ぐらいのスケールだと想像していたが、実際に足を運んで高尾山ぐらいのスケールと知ってガッカリしたという[5]。2020年全国学生相撲選手権ベスト4のため三段目最下位(100枚目)格付出でのデビューとなり[6]、この場所は7戦全勝で三段目優勝を果たした[7]。
新幕下に昇進した2022年1月場所は5勝2敗で勝ち越し。翌3月場所は7戦全勝で幕下優勝を飾った[8]。翌5月場所は西幕下4枚目に番付を上げ、成績次第で十両昇進が見える地位となった。この場所では6番相撲で5勝1敗とこの時点で新十両昇進の可能性が生まれた[9]。千秋楽の7番相撲で初めて十両の土俵に上がり、東十両5枚目の北の若と対戦。"入れ替え戦"の意味合いが強かった一番だったが突き落としで敗れ5勝2敗となり、新十両は見送られた[10]。翌7月場所は西幕下筆頭の地位で6連勝、7番相撲で吉井に敗れ優勝こそ逃したものの6勝1敗の好成績で終え、場所後の7月27日に開催された番付編成会議にて新十両昇進が発表された[11]。新十両昇進の際に「(目標は)何もないですけど、上ばかり考えて上がれなかったらアウトなので、幕内なら幕内で1つずつ考えたい」と抱負を語った[12]。その9月場所は13日目に勝ち越しを確定させ[13]。千秋楽に栃武蔵との新十両対決を制して10勝5敗と2桁勝利を挙げた[14]。初めて髷を結って迎えた11月場所では千秋楽に勝ち越した。2023年1月場所では東十両5枚目の地位で11勝4敗の成績を挙げ、場所後の新入幕が濃厚となった[15]。3月場所で新入幕し東前頭14枚目に昇進、カザフスタン出身初の幕内力士となった。日本国外出身としては2022年9月場所の水戸龍(モンゴル)以来52人目で、日本大学出身としては同じく水戸龍以来40人目、木瀬部屋としては2019年5月場所の志摩ノ海以来の新入幕となる[16]。新入幕会見では「できれば1、2場所ぐらいは早く上がりたいなと思っていた」と語り、師匠の木瀬も「突っ張りを磨けば9割は勝てますから。三役ぐらいまでは突っ張っていってほしいですね。勝ちにこだわらず、小手先で取らない相撲をしてほしい」と願った。本人は「関取を目指して、また若い衆が来てほしいです」と期待していた[17]。この場所は11勝4敗で自身初の三賞である敢闘賞を受賞[18]。翌5月場所の番付は東前頭5枚目と9枚上昇し、この場所の関取(十両以上)の中では最大の上昇幅となった[19]。
西前頭8枚目の地位に在位した2024年7月場所から2場所連続で4勝11敗と負け越したことにより、11月場所では10場所連続で務めた幕内から陥落したが、その場所では12勝3敗の好成績を挙げて十両優勝を果たし、再入幕を確実とした。十両優勝については「そこまで…」と喜びも控えめだったが、「優勝できたのは、負けた後に切り替えられたから」、そして再び幕内に戻る来場所に向けて「楽しみ」と語った[20]。
取り口
[編集]基本的には長いリーチを生かしたもろ手突きからの突き押し相撲を得意としているが、四つに組み止める相撲もある[21]。
主な成績
[編集]2024年11月場所終了現在
スピード記録
[編集]- 三段目付出デビューから新入幕までの所要場所数:8場所(歴代2位)
通算成績
[編集]- 通算成績:139勝104敗2休(19場所)
- 幕内成績:68勝80敗2休(10場所)
各段優勝
[編集]- 十両優勝:1回(2024年11月場所)
- 幕下優勝:1回(2022年3月場所)
- 三段目優勝:1回(2021年11月場所)
三賞・金星
[編集]- 三賞:1回
- 敢闘賞:1回(2023年3月場所)
場所別成績
[編集]一月場所 初場所(東京) |
三月場所 春場所(大阪) |
五月場所 夏場所(東京) |
七月場所 名古屋場所(愛知) |
九月場所 秋場所(東京) |
十一月場所 九州場所(福岡) |
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2021年 (令和3年) |
x | x | x | x | x | 三段目付出100枚目 優勝 7–0 |
2022年 (令和4年) |
西幕下59枚目 5–2 |
西幕下34枚目 優勝 7–0 |
西幕下4枚目 5–2 |
西幕下筆頭 6–1 |
西十両12枚目 10–5 |
西十両7枚目 8–7 |
2023年 (令和5年) |
東十両5枚目 11–4 |
東前頭14枚目 11–4 敢 |
東前頭5枚目 4–11 |
東前頭10枚目 7–8 |
東前頭10枚目 9–6 |
西前頭7枚目 8–7 |
2024年 (令和6年) |
東前頭6枚目 7–8 |
東前頭7枚目 6–7–2[注 2] |
西前頭10枚目 8–7 |
西前頭8枚目 4–11 |
西前頭12枚目 4–11 |
西十両筆頭 優勝 12–3 |
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。 優勝 引退 休場 十両 幕下 三賞:敢=敢闘賞、殊=殊勲賞、技=技能賞 その他:★=金星 番付階級:幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口 幕内序列:横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列) |
合い口
[編集]2024年11月場所終了現在
(以下は最高位が横綱・大関の現役力士)
- 横綱・照ノ富士には2敗。
- 大関・琴櫻には2敗。琴櫻の大関昇進前の対戦である。
- 大関・大の里には1敗。(不戦敗)
- 元大関・髙安には1勝1敗。
- 元大関・正代には2勝3敗。
- 元大関・御嶽海には4勝2敗。
- 元大関・朝乃山には1敗。
- 元大関・霧島には1勝。
(以下は最高位が横綱・大関の引退力士)
- 元大関・貴景勝には1勝。
幕内対戦成績
[編集]力士名 | 勝数 | 負数 | 力士名 | 勝数 | 負数 | 力士名 | 勝数 | 負数 | 力士名 | 勝数 | 負数 |
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碧山 | 0 | 1 | 朝乃山 | 0 | 1 | 熱海富士 | 0 | 3 | 阿炎 | 1 | 0 |
一山本 | 2 | 1 | 遠藤 | 2 | 2 | 欧勝馬 | 0 | 2 | 阿武剋 | 0 | 1 |
阿武咲 | 1 | 2 | 王鵬 | 1 | 1 | 大の里 | 0 | 1(1) | 輝 | 2 | 0 |
北の若 | 1 | 1 | 霧島 | 1 | 0 | 豪ノ山 | 1 | 0 | 琴恵光 | 2 | 2 |
琴ノ若 | 0 | 2 | 琴勝峰 | 1 | 3 | 佐田の海 | 3 | 3 | 正代 | 2 | 3 |
湘南乃海 | 5 | 2 | 白熊 | 1 | 0 | 大栄翔 | 0 | 1 | 大翔鵬 | 0 | 2 |
貴景勝 | 1 | 0 | 隆の勝 | 3 | 2 | 髙安 | 2 | 1 | 宝富士 | 6 | 0 |
玉鷲 | 4 | 3 | 千代翔馬 | 1 | 2 | 剣翔 | 2 | 3 | 照ノ富士 | 0 | 2 |
翔猿 | 0 | 2 | 錦木 | 2 | 4 | 錦富士 | 2 | 3 | 平戸海 | 3 | 0 |
武将山 | 1 | 1 | 北青鵬 | 1 | 2 | 北勝富士 | 1 | 4 | 御嶽海 | 4 | 2 |
水戸龍 | 1 | 0 | 翠富士 | 4 | 2 | 妙義龍 | 3 | 1 | 明生 | 0 | 3 |
竜電 | 0 | 5 | 狼雅 | 0 | 2 | 若隆景 | 0 | 1 |
改名歴
[編集]- 金峰山 晴樹(きんぼうざん はるき)2021年11月場所 -
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 「十両以下各段優勝力士喜び詳報」『相撲』2021年12月号、ベースボール・マガジン社、69頁。
- ^ a b c 「令和3年秋場所 全新弟子名鑑」『相撲』2021年10月号、ベースボール・マガジン社、97頁。
- ^ “Ерсін Балтағұл сумодан Жапония чемпионы атанды” (カザフ語). zhasalash.kz. (18 November 2019)
- ^ a b c d e 「欧勝馬、金峰山が11月場所でデビュー」『相撲』2021年10月号、ベースボール・マガジン社、98頁。
- ^ ““大相撲”人気力士所属部屋「ガサ入れ」大騒動!(3)四股名の由来の山を見てガッカリ”. アサ芸プラス. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “学生横綱デルゲルバヤルの幕下、イェルシンの三段目付け出しを承認”. 日刊スポーツ. 2021年11月26日閲覧。
- ^ 「今場所デビュー金峰山、三段目優勝「ここからという感じ」全勝対決を制す」『日刊スポーツ』2021年11月26日。2021年11月26日閲覧。
- ^ 「【幕下】カザフスタン出身の金峰山が7戦全勝でV 千代の海を押し出し、来場所は幕下上位へ」『日刊スポーツ』2022年3月25日。2022年3月25日閲覧。
- ^ 「カザフスタン出身の金峰山5勝目、十両昇進へ望み「もっと1番、1番集中していけたら」」『日刊スポーツ』2022年5月18日。2022年5月18日閲覧。
- ^ 「31歳・千代栄が新十両昇進有力「頑張ってやってきてよかった」“入れ替え戦”制す」『スポニチ Sponichi Annex』2022年5月22日。2022年5月22日閲覧。
- ^ “金峰山と菅野改め栃武蔵が新十両昇進決定 貴健斗は再十両 秋場所番付編成会議”. スポニチ Sponichi Annex. (2022年7月27日) 2022年7月27日閲覧。
- ^ “金峰山が新十両昇進、カザフスタン出身初の関取に誇らしげ「初めてが一番大事。うれしいなあ」 - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “新十両の金峰山「うれしい」勝ち越し「幕下とは全然違う。慣れるしかないな」初々しく語る - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “金峰山が栃武蔵との新十両対決制して10勝 ともに2桁勝利の好成績締め”. スポニチ Sponichi Annex. (2022年9月25日) 2022年9月25日閲覧。
- ^ “十両・金峰山 カザフスタン出身力士で初の幕内入り濃厚 大相撲”. 毎日新聞. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “【春場所新番付】朝乃山あと1歩で再入幕逃す…フレッシュな新入幕一挙3人も/平幕以下関取編”. 日刊スポーツ. (2023年2月27日) 2023年2月27日閲覧。
- ^ “カザフスタン初の金峰山、所要8場所での新入幕「できれば1、2場所くらい早く上がりたかった」 - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “敢闘賞は金峰山が初受賞、敗れた翠富士は逃す 技能賞は大栄翔と霧馬山 殊勲賞は候補者なし - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年8月26日閲覧。
- ^ “【夏場所新番付】朝乃山は東前頭14枚目、金峰山は関取最大9枚番付アップ/幕内十両番付 - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年8月26日閲覧。
- ^ 十両優勝の金峰山「そこまで…」千秋楽で安青錦を下して12勝3敗、幕内復帰は「楽しみ」日刊スポーツ 2024年11月24日 16時1分
- ^ “カザフスタン出身初の関取金峰山に大器の風格、スピード出世の証し「ザンバラ」姿で秋場所に臨む - 大相撲 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年8月26日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 金峰山 晴樹 - 日本相撲協会