綾里湾
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座標: 北緯39度03分05秒 東経141度50分20秒 / 北緯39.05152195度 東経141.83893251度 綾里湾(りょうりわん)は、岩手県大船渡市三陸町にある湾である。
概要
[編集]リアス海岸特有の、複雑に入り組んだ海岸線に面した大船渡市は、吉浜湾、越喜来湾(おきらいわん)、綾里湾、大船渡湾の4つの大きな湾を有する。 そのうち大船渡湾の東 、越喜来湾の南にあるのが綾里湾である。また、湾奥には野々前漁港があり、付近には綾里海水浴場や綾里崎がある。
津波
[編集]綾里湾は典型的なリアス式海岸の湾であり、東向きV字型入り江のため、非常に高い津波が押し寄せることで有名である。
1896年の明治三陸地震の際には、津波の高さ(遡上高)最大38.2mを記録した(当時国内観測史上最高)[1]。1933年の昭和三陸地震でも28.7mの津波の記録がある[2][3]。
さらに、2011年の東北地方太平洋沖地震による大津波では、局所的に40.1mの遡上高を観測しており(東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループの調査による[4])、記録に残っている中では、過去に日本で記録された中で最大の津波である[5]。
ただし、これらはこの100年間程度の記録が残されている範囲での値であり、それ以前にも同程度、あるいはより高い津波が日本の沿岸を襲った可能性がある。近年、過去の津波の痕跡から浸水範囲を推定する調査が進んでおり、今後、より大きな津波の証拠が見つかる可能性もある[5]。
なお、東北地方太平洋沖地震の際、綾里湾に近い綾里白浜地区では、明治三陸地震津波の教訓が生かされ、家屋の浸水や人的被害はなかった[1]。
関係項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b “教訓生かし被害ゼロ【大船渡・綾里白浜】”. memory.ever.jp. 2021年3月29日閲覧。
- ^ “津波の記録ー明治三陸沖地震津波と昭和三陸沖地震ー”. ジャパンサーチ. 2021年3月29日閲覧。
- ^ 津波に関する基礎的な知識と新しい津波予報について
- ^ “現地調査結果”. 東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループ (2012年1月14日). 2012年2月9日閲覧。
- ^ a b “津波について”. www.jma.go.jp. 気象庁(一部改変). 2021年3月29日閲覧。