コンテンツにスキップ

綺麗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『綺麗』
サザンオールスターズスタジオ・アルバム
リリース
録音 1983年4月 - 6月
VICTOR AOYAMA STUDIO
ジャンル ロック
電子音楽[1]
民族音楽[1]
歌謡曲[1]
スカ[1]
ポップ[1]
ファンク[2]
時間
レーベル タイシタレーベル
プロデュース 高垣健
サザンオールスターズ
チャート最高順位
  • オリコン
    • 週間1位(2週連続、通算3週)
    • 1983年度年度5位
サザンオールスターズ アルバム 年表
バラッド '77〜'82
1982年
綺麗
(1983年)
原由子 with サザンオールスターズ
(1983年)
『綺麗』収録のシングル
  1. EMANON
    リリース: 1983年7月5日(同発)
テンプレートを表示

綺麗』(きれい)は、サザンオールスターズの6作目のオリジナル・アルバム1983年7月5日レコードで発売。発売元はタイシタレーベル

1989年6月25日にCDとカセットテープで再発売され、1998年4月22日2008年12月3日にもCDとして再発売されている。また、2014年12月17日からはダウンロード配信、2019年12月20日からはストリーミング配信が開始されている[3][4]

背景・リリース

[編集]

前作『NUDE MAN』から約1年ぶりとなる作品[5]。18枚目シングル「EMANON」と同日に発売された[6]。ジャケットデザインも同じ。

1983年6月にビクター音楽産業(現・ビクターエンタテインメント)からサザン専用レーベルであるタイシタレーベルを設立した。本作からInvitationではなく、タイシタレーベルからの発売となっており、ジャケットにもタイシタレーベルのタイマークが記載されている[6][7]

1998年の再発盤の初回限定盤は、オリジナルLP復刻ジャケット(いわゆる紙ジャケット)仕様で、森雪之丞によるライナーノーツが封入されている。

再発売

[編集]

受賞歴

[編集]
『綺麗』の受賞とノミネート
音楽賞 結果 出典
1983年 第25回日本レコード大賞 ベスト・アルバム賞 [8]

収録曲

[編集]
  • 初回限定盤(再発盤)・通常盤共通収録。既発曲の解説は各収録作品を参照のこと。
Side A
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「マチルダBABY」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
2.「赤い炎の女」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
3.「かしの樹の下で」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
八木正生(胡弓編曲)
4.「星降る夜のHARLOT」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
5.ALLSTARS' JUNGO桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
6.そんなヒロシに騙されて桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
新田一郎(管編曲)
7.「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
合計時間:
Side B
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「YELLOW NEW YORKER」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
2.「MICO」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
3.「サラ・ジェーン」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
新田一郎(管編曲)
4.「南たいへいよ音頭」関口和之関口和之サザンオールスターズ
5.「ALLSTAR'S JUNGO (Instulmental)」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
6.EMANON桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
八木正生(弦管編曲)
7.「旅姿六人衆」桑田佳祐桑田佳祐サザンオールスターズ
合計時間:
  1. マチルダBABY
    ロールプレイング・ゲーム (RPG) の要素が含まれている曲[9]
    制作当時は、音楽シーンがデジタル化の時代で、シンセサイザー・サウンドが積極的に取り入れられている[10]。イントロは原由子が考えたものである[11]
    ライブでは「ミス・ブランニュー・デイ」の前後に演奏されることが多い。
  2. 赤い炎の女
    歌詞はレズビアンについて歌われており[12]、スパニッシュ音楽を取り入れた楽曲[1]
  3. かしの樹の下で
    桑田佳祐と原由子によるデュエット曲。
    中国残留孤児をテーマとした楽曲である[13]ビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」に影響されて制作した[13]
  4. 星降る夜のHARLOT
    歌詞は売春婦の日常を描いた楽曲[14]。“HARLOT”とは英語で売春婦のこと[15]
  5. ALLSTARS' JUNGO
    シングル「EMANON」のカップリング曲。
  6. そんなヒロシに騙されて
    原由子のボーカル曲。
    間奏では、男性メンバーによる原に向けた掛け声が収録されている。
    ジューシィ・フルーツ高田みづえがカバーしている。
  7. NEVER FALL IN LOVE AGAIN
    映画『1980アイコ十六歳』挿入歌[注釈 1]
    歌詞にレイ・チャールズが登場している[16]
  8. YELLOW NEW YORKER
    ニューヨークに住む黄色人種を応援する歌であり、CDジャーナルからは「勢いに任せたような語呂の良い単語が並ぶ中、"輪の中の個人"など、本質を突いた言葉も出て来る」と評されている[17]
  9. MICO
    歌手の弘田三枝子をテーマとした楽曲[18]。タイトルは弘田の愛称である[19]
  10. サラ・ジェーン
    ロサンゼルスヨーロッパのテイスト溢れるソウルフルなバラード作品[20]。歌詞は少女が日常に退屈して家出をする内容が綴られている[20]
  11. 南たいへいよ音頭
    関口和之のボーカル曲。
    タイトルは「音頭」となっているが、楽曲は音頭ではなく、ラテン調となっている[21]
    関口のソロアルバム『World Hits!? of Southern All Stars』でこの曲がセルフカバーされた[22]
  12. ALLSTARS' JUNGO (Instrumental)
    シングル「EMANON」のカップリング曲「ALL STARS JUNGO」のインストゥルメンタル。間奏部分のみ収録されている。
  13. EMANON
    本作と同時発売の18枚目シングル。“EMANON”とは、“NO NAME”をひっくり返したアナグラム[23]
  14. 旅姿六人衆
    歌詞はバンドを支えるスタッフとファンに感謝を捧げたものである[24]。曲に入る前に桑田の「ごめん、俺が悪かった」というセリフがある[20]
    6人時代に演奏したのは1998年に静岡県浜名湖弁天島海浜公園・渚園で行われた『1998 スーパーライブ in 渚園』が最後であり、2001年に大森が脱退してメンバーが5人になって以降は演奏の機会が下記を除きほぼ皆無だった[25]
    2003年6月28日に『FNS27時間テレビ みんなのうた』内の企画として放送された『桑田佳祐の音楽寅さん 〜MUSIC TIGER〜 サザンオールスターズスペシャル』(フジテレビ系)ではサザンファンを公言する平井堅[注釈 2]がゲスト出演し、この曲を桑田の前で歌唱した[27][28]
    2008年に横浜国際総合競技場(日産スタジアム)で行った『真夏の大感謝祭』では演奏こそされなかったが、リハーサルの段階では候補に挙がり、曲順を決める表に貼り出されていた。また、ファンを対象に行ったリクエストランキングで32位になった[29]
    2019年の全国ツアー『LIVE TOUR 2019 “キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!” だと!? ふざけるな!!』では「旅姿四十周年」として、スタッフに女性が加わることも増えた時代の変化にならい「華やかな者の影で今動く男達」の部分を「仲間達」に変えるなどタイトルや歌詞を一部変更して演奏された[25][30]
    矢部浩之ナインティナイン)・カンニング竹山出川哲朗伊達みきおサンドウィッチマン)がこの曲を気に入っていることを語っている[31][32][33]

参加ミュージシャン

[編集]

ライブ映像作品

[編集]
曲名 作品名 備考
マチルダBABY 平和の琉歌 〜Stadium Tour 1996 "ザ・ガールズ万座ビーチ" in 沖縄〜 DVD版のエクストラメニュー「Stadium Tour 1996 "ザ・ガールズ万座ビーチ"」に一部のみ収録
1998 スーパーライブ in 渚園
FILM KILLER STREET (Director's Cut) & LIVE at TOKYO DOME
SUPER SUMMER LIVE 2013 「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」 胸熱完全版
おいしい葡萄の旅ライブ –at DOME & 日本武道館-
LIVE TOUR 2019 “キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!” だと!? ふざけるな!!
赤い炎の女 1998 スーパーライブ in 渚園
LIVE TOUR 2019 “キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!” だと!? ふざけるな!!
かしの樹の下で 未収録
星降る夜のHARLOT
ALLSTARS' JUNGO
そんなヒロシに騙されて
NEVER FALL IN LOVE AGAIN SUPER SUMMER LIVE 2013 「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」 胸熱完全版
YELLOW NEW YORKER 未収録
MICO
サラ・ジェーン
南たいへいよ音頭
ALLSTARS' JUNGO (Instrumental)
EMANON
旅姿六人衆 1998 スーパーライブ in 渚園
LIVE TOUR 2019 “キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!” だと!? ふざけるな!! 「旅姿四十周年」として歌詞を変更した上での歌唱。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 映画が公開された1983年に使用。
  2. ^ 平井は生まれて初めて歌声に泣かされた曲としてこの曲を挙げている[26]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p115
  2. ^ 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p35
  3. ^ サザン、全266曲を世界111ヶ国で配信 オリコン 2014年12月17日配信, 2020年6月4日閲覧
  4. ^ サザン関連全972曲 サブスク一斉解禁 メンバーソロ曲も対象に オリコン 2019年12月20日配信, 2019年12月20日閲覧
  5. ^ 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p112-115
  6. ^ a b 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p146
  7. ^ 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p11
  8. ^ 第25回日本レコード大賞 日本作曲家協会 2020年10月10日閲覧
  9. ^ デジタル化の波を持ち前の個性で乗りこなした『綺麗』という意欲作 WHAT's IN? Tokyo 2019年11月23日配信 2020年10月16日閲覧。
  10. ^ サザンオールスターズ公式データブック 1978-2019 リットーミュージック 2019年 p35
  11. ^ 2022年10月20日放送 22:00 - 22:45 NHK総合 SONGS「原由子」TVでた蔵 2022年10月20日配信 2022年10月21日閲覧
  12. ^ 赤い炎の女 サザンオールスターズ レコチョク 2021年5月10日閲覧
  13. ^ a b 『ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』P219、新潮社、1984年
  14. ^ 星降る夜のHARLOT サザンオールスターズ レコチョク 2021年5月10日閲覧
  15. ^ harlotの意味 goo辞書 2021年5月4日閲覧
  16. ^ NEVER FALL IN LOVE AGAIN レコチョク 2021年5月10日閲覧
  17. ^ YELLOW NEW YORKER サザンオールスターズ レコチョク 2021年5月10日閲覧
  18. ^ 歌手の弘田三枝子さん、心不全で死去 73歳… 桑田佳祐など多くのミュージシャンに影響 スポーツ報知 2020年7月27日配信, 2020年7月27日閲覧。
  19. ^ 湯浅学. “チーム・クンビアって? 弘田三枝子(MICO)”. 日本コロムビア. 2020年7月27日閲覧。
  20. ^ a b c 【楽曲すべてが泣ける】サザンオールスターズの珠玉のバラード20選 AWA 2019年12月27日配信 2020年10月21日閲覧。
  21. ^ 南たいへいよ音頭 サザンオールスターズ レコチョク 2021年5月10日閲覧
  22. ^ World Hits!? of Southern All Stars/関口 和之 & 砂山オールスターズ mora 2021年4月15日閲覧
  23. ^ 「特集 シティ・ポップの名曲ベスト100 1980-1989」『レコード・コレクターズ』第39巻第7号、株式会社ミュージック・マガジン、2020年7月1日、37-79頁、JAN 4910196370701。「本誌執筆陣25人の投票によって選ばれた必聴の100曲」 
  24. ^ サザンオールスターズの40周年ツアーは“これから”を見せていた Real Sound 2019年7月12日配信, 2020年7月27日閲覧。
  25. ^ a b 桑田佳祐、20年ぶりに「伝説曲」の封印を解いた理由NEWSポストセブン 2019年6月24日配信 2021年5月8日閲覧
  26. ^ 『関ジャム完全燃SHOW』平井堅の難曲に挑戦、史上最高難度のセッションに渋谷“シブい顔” Billboard JAPAN 2016年7月25日配信 2021年6月27日閲覧。
  27. ^ 平井堅 TV出演情報ORICON NEWS 2021年5月8日閲覧
  28. ^ 「Love music ~平井堅とサンボマスターが影響を受けた曲は?キスマイも~」 2017年6月5日(月)放送内容価格.com 2017年6月5日配信 2021年5月8日閲覧
  29. ^ 2008年のライブ・ビデオ『真夏の大感謝祭 LIVE』初回限定盤封入 BONUS DVD “-サザン'08「夏」ドキュメント- 完全版 + I AM YOUR SINGER MOVIE”より。
  30. ^ デビュー40周年記念本『SOUTHERN ALL STARS YEAR BOOK「40」』P170より。
  31. ^ “カンニング竹山が語るサザンの思い出「曲によってみなさんの思い出がある」”. ABEMATIMES (AbemaTV). (2020年12月28日). https://times.abema.tv/articles/-/8639949 2021年6月27日閲覧。 
  32. ^ ナイナイ・矢部 & 出川哲朗「昔を思い出した」 サザンの名曲をデュエットして懐かしむ ニッポン放送 NEWS ONLINE 2020年9月17日配信 2021年6月27日閲覧
  33. ^ 2022年9月3日(土)に流れたMELODYニッポン放送 2022年9月3日配信・閲覧

外部リンク

[編集]
  • 綺麗 - SOUTHERN ALL STARS OFFICIAL SITE