コンテンツにスキップ

森の伝説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
森の伝説 PART-1
監督 手塚治虫宇井孝司
主題歌 チャイコフスキー作曲 交響曲第4番
配給 手塚プロダクション
公開 1988年2月13日
上映時間 29分20秒
製作国 日本
言語 日本語
次作 森の伝説 第二楽章
テンプレートを表示

森の伝説』(もりのでんせつ)は、手塚治虫の未完のアニメーション映画1987年12月18日に第一楽章と第四楽章が完成し、1988年2月13日に上映された。一部短編『モモンガのムサ』を踏襲している。

未制作となっていた第二楽章と第三楽章のうち、第二楽章は、2014年8月21日に、手塚治虫の息子の手塚眞の手により制作・公開された。

概要

[編集]

手塚の構想10年に亘るアニメ大作映画として製作された、手塚版『ファンタジア』とでも言うべき内容の作品である。当初は、ディズニー以前のアニメ創成期から現代テレビ・アニメに至るまでのアニメーションの歴史をパロディとして織り込んだ、手塚アニメの集大成として作られるはずだった。しかし、1988年に腹部の痛みで半蔵門病院に入院、後に胃癌と発覚し、製作は不可能となり、翌1989年に手塚が死去したことで遺作の一つとなった。

これに伴い、作品は未完になると見られていたが、2000年に原典『ファンタジア』が『ファンタジア2000』として続編を発表したことがきっかけとなり、2003年IMAXシアター用にリマスター版が再上映された。さらにそれを機に、本作自体への再評価の動きが見られ、2008年に息子の手塚眞が実製作部分の第二、第三楽章を製作することを発表している[1]

2014年に第二楽章が完成する。完成まで6年かかったことについて、手塚眞は「試行錯誤を重ねる間に時間がかかり、さらに東日本大震災の影響で制作が中断していたため」と語っている[2]

キャスト

[編集]

スタッフ

[編集]

受賞

[編集]

第二楽章

[編集]
森の伝説 第二楽章
監督 手塚眞
脚本 手塚治虫
原案 手塚治虫
主題歌 チャイコフスキー作曲 交響曲第4番
制作会社 手塚プロダクション
公開 2014年8月21日
上映時間 11分49秒
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 森の伝説 PART-1
テンプレートを表示

2014年8月21日、第15回広島国際アニメーションフェスティバルにおいて初公開[5]、その後、9月5日から14日まで横浜市西区みなとみらいブリリア・ショートショートシアターで開催された「「森の伝説 第二楽章」完成記念 手塚治虫アートアニメーション特集上映」において上映された[6]

スタッフ

[編集]
  • 原案・脚本 - 手塚治虫
  • 監督 - 手塚眞
  • 音楽 - チャイコフスキー 交響曲第四番より(指揮 小林研一郎
  • 企画 - 松谷孝征、清水義裕
  • プロデューサー - 宇田川純男
  • キャラクターデザイン/作画監督 - 杉野昭夫
  • キーアニメーター - 内田裕
  • 美術デザイン/美術監督 - 河野次郎
  • 撮影監督 - 塩川智幸
  • 色彩設定/色指定 - 小林美代子
  • 絵コンテ - 手塚眞
  • 演出 - 吉村文宏
  • 原画 - 杉野昭夫、内田裕、三浦菜奈、山田桃子、青木一紀、中村路之将、斉藤圭太、篠原隆、吉村昌輝、小林準治、河口俊夫、片山みゆき

受賞

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 手塚治虫の遺作アニメ「森の伝説」手塚眞が未完部分制作 完結へ
  2. ^ 未完の手塚アニメ、息子・手塚眞が完成へ「自分がやるしかない」”. シネマトゥディ (2014年9月7日). 2014年9月7日閲覧。
  3. ^ a b c 森の伝説PART-1”. TezukaOsamu.net. 2018年3月10日閲覧。
  4. ^ 毎日映画コンクール 第42回(1987年)”. 毎日新聞社. 2018年3月10日閲覧。
  5. ^ 『虫ん坊』2014年9月号 特集1 ついに完成! 「森の伝説 第2楽章」手塚眞インタビュー”. TezukaOsamu.net (2014年9月). 2018年12月27日閲覧。
  6. ^ 真狩祐志. “「森の伝説 第二楽章」完成記念 横浜で手塚治虫の実験アニメーション特集”. アニメ!アニメ!. 2018年12月27日閲覧。
  7. ^ 森の伝説 第二楽章”. 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品. 2018年12月27日閲覧。

外部リンク

[編集]