少女漫画
少女漫画(しょうじょまんが)とは、少女たちの「放課後の教科書」である。
概要[編集]
少年漫画は時代の少年たちに好まれる娯楽だが、少女漫画は娯楽であるとともに、彼女らにとって必須となる恋愛とセックスについての情報を学ぶ為の実用品でもある。人間は哺乳動物の中でも性的発達が遅く、また様々な情報を後から入手してやらなければセックスが行えない生物である。時代とともに身体発育速度が変化している中で、より早い段階での性教育を行うためには漫画形式が最も効率が良い。その為少女向けの漫画作品では性教育的側面が強いのである[要出典]。
漫画による性教育要素が少女向けに集中している理由の一つとして「性のリスク」が揚げられる。正しい性知識がなかろうと男性は特にダメージを受ける事はないが[1]、女性は妊娠中絶など多くのリスクを抱え込むことになる。その為身体がセックス可能になったあたりから知識を持ってもらい、望まない妊娠や傷害を防ぐために少女漫画があるのである。セックスはおいそれとしていいものではないし、ちゃんと考えたうえでしっかり相手を選ばなければいけない。正しい知識を得ることは何よりも大事なのだ。
ただし性描写が少ない/或いは殆ど無いものも勿論あるし[2]、少女漫画はそもそもの対象年齢が二次性徴を迎えた後なので「子供向けなのにエロいのはおかしい」という指摘はまったくの的外れである。
性描写の進化[編集]
1960年代あたりまでの少女漫画は性描写がかなり少なく、恋愛自体もキスまでしか扱わないことが殆どだった。これは二次性徴年齢が高校生くらいであり、その頃には既に漫画を卒業している[3]為少女漫画で扱う必要がなかったためである。当時は保健体育の特別授業があり、女子だけ集められて特別に教わっていたがその程度で十分だったのだ。
その後60年代後半から70年代に入ると栄養状態の改善により急速に性徴が早まり、中高生でも生理が来ているのは当たり前になった。それに合わせるかたちで性知識の導入も行われたが、漫画でセックスを描く技術が未発達であったため[4]に心象風景のようなシーンを僅かに流すのみなのが主流となった。また男性同士のセックスシーンは描かれたものの、これも「ヤオイ穴」などフィクション性の強いものだった。
しかし、1979年のコミックマーケットにて「初めて直接セックスを描いた漫画」であるシベールが販売されると漫画業界が一変する。手塚作品はディズニー直系の丸っこい絵柄だが、それを引き継ぐ可愛いタッチのままセックスを描くという手法が確立され、それが少女漫画にも飛び火したのである。また世の中がバブルに浮かれトレンディドラマに代表される「享楽的な恋愛」が持て囃されるようになると、恋愛の延長としてセックスを描くのはごく自然になっていった。そして90年代以降、まゆゆを始めとするセックス描写が巧みな作家は更に増加を続け様々なメディアが少女漫画の進化に釘付けになっていった。過激だと言う声もあれど、恋愛を描けばその先にセックスがあるのは当然。21世紀を迎え更に伸びていく少女漫画、果たしてこの先には何が待っているのだろうか。