喫茶店
喫茶店(きっさてん)とは、法規制のエアポケットとなっている飲食業種である。
概要[編集]
喫茶店は表向きは軽度飲食店であり、コーヒーや紅茶を中心にしてナポリタンやトーストなどジャンルを問わず幅広いジャンルのメニューを提供する。もともと「喫茶」とは中国で言う「飲茶」に相当する行為であり、茶と軽食で休憩する行為全般を指す行為。それを行う店だから「喫茶店」、という業種名になっている。
しかしそれはあくまで一面であり、その真の姿は「法規制が及ばない空白区域」である。喫茶店内は外部と異なり、軽犯罪程度であれば見逃されるし怠惰に空間を占有しても問題視される事がない。例えば高校生が学生服でタバコを吹かしていようがサボリーマンがコーヒー一杯で三時間も粘ろうが、喫茶店では何の問題にもならない。喫茶店全盛の1970年代には、「大っぴらにタバコが吸える」と言う理由で放課後の一時を喫茶店で過ごす学生が非常に多かったとされている[要出典]。喫茶店に逃げ込めばそこは(限定的ながら)治外法権の場所であり、そこで何をしようが周囲に迷惑をかけない限りは黙認されるのである。例えば心行くまで歌える「歌声喫茶」や下着を着用する圧迫感から解放される「ノーパン喫茶」、存分に猫を味わえる「猫喫茶」等その種類は多岐に及んでいる。
傾向[編集]
喫茶店のメニューは専門的な店とは全く異なり、空白区域としての雰囲気をそぐわないように敢えて完成度を落としている。あくまで喫茶店は「規制から逃れる為の駆け込み場所」であり、専門店のように本格的な料理を楽しむ店ではない。代表的なメニューであるナポリタンは、前もって茹でておいたパスタに油をまぶしておき注文を受けたらケチャップと具材を足して炒めるだけ[1]。アルデンテなどという概念はない。業務用トマトジュースと生トマトの欠片をミキサーに入れて作る「フレッシュトマトジュース[2]」のように、看板に偽りありなメニューも多い。
最低限コーヒーと紅茶さえあれば客も文句を言わないので[要出典]、喫茶店は経営の楽な店として1980年代にはその店舗数がピークとなった。しかしその後規制の網の目が狭まり、更にスターバックスやコメダ珈琲店のようにクオリティを重視する店が増加したことで現象傾向に転じている。