阿部俊子
阿部 俊子(あべ としこ、1959年〈昭和34年〉5月19日[1] - )は、日本の政治家、看護師。自由民主党所属の衆議院議員(7期)。文部科学大臣(第31・32代)。
阿部 俊子 あべ としこ | |
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生年月日 | 1959年5月19日(65歳) |
出生地 | 日本 宮城県石巻市 |
出身校 |
宮城学院中学校・高等学校 宮城学院女子短期大学 アラバマ大学バーミングハム校 アラバマ大学バーミングハム校大学院 イリノイ大学シカゴ校大学院 |
前職 |
日本看護協会副会長 東京医科歯科大学助教授 |
所属政党 | 自由民主党(谷垣G→佐藤G→麻生派→無派閥) |
称号 | 博士(看護学)(イリノイ州立大学・1997年) |
公式サイト | 衆議院議員あべ俊子公式ホームページ |
第31-32代 文部科学大臣 | |
内閣 |
第1次石破内閣 第2次石破内閣 |
在任期間 | 2024年10月1日 - 現職 |
選挙区 |
(比例中国ブロック→) (岡山3区→) (比例中国ブロック→) 比例九州ブロック |
当選回数 | 7回 |
在任期間 | 2005年9月11日 - 現職 |
文部科学副大臣(第2次岸田第2次改造内閣)、外務副大臣(第4次安倍第1次改造内閣)、農林水産副大臣(第2次安倍改造内閣・第3次安倍内閣)、外務大臣政務官(第2次安倍内閣)、衆議院外務委員長、自由民主党副幹事長、同国会対策委員会副委員長、日本看護協会副会長、東京医科歯科大学助教授などを歴任[2][3][4]。
来歴
編集宮城県石巻市出身[5]。現住所は岡山県津山市伏見町[6]。宮城学院中学校・高等学校、宮城学院女子短期大学卒業。短大卒業後、栄養士のかたわら准看護師学校へ通学。その後アメリカ合衆国アラバマ州立大学バーキングハム校・同大学院、イリノイ州立大学シカゴ校大学院へ留学し、博士号を取得した。帰国後、東京医科歯科大学助教授を経て、2003年4月、日本看護協会副会長に就任[5]。
2005年、2年後の第21回参議院議員通常選挙に全国比例区から出馬するつもりで各地を回っていたとき、衆議院の郵政解散が起こる。8月、日本看護協会および日本看護連盟から打診され、自由民主党の公募へ応募。その時点で空いている選挙区は岡山3区と北海道10区だけであったが、岡山3区の公認候補として阿部が選ばれる[7]。9月11日に行われた第44回衆議院議員総選挙では、郵政民営化法案の採決で造反し、党の公認を得られず無所属で出馬した元経済産業大臣の平沼赳夫に約4万票差で敗れたが、重複立候補していた比例中国ブロックで復活し、初当選した(惜敗率59.3%)。なお、自民党は対立候補が知名度の高い平沼であることを考慮し、阿部を他の重複立候補者より上位の比例中国ブロック単独1位とする優遇措置を行った[8]。居所は津山市伏見町[9]。
衆議院議員
編集2008年自由民主党総裁選挙では与謝野馨の推薦人となる[10]。2009年8月の第45回衆議院議員総選挙では再び岡山3区から出馬したが、前回よりも票差をあけられる形で平沼に惨敗。民主党公認の西村啓聡にも得票数で後塵を拝したが(平沼95,871票、西村54,595票、阿部52,626票)、前回同様の優遇措置により、比例復活で再選。谷垣禎一総裁首班の自民党シャドウ・キャビネットで2010年秋発足時には少子化対策・スポーツ・男女共同参画担当副大臣、2011年秋改造で厚生労働副大臣。
自民党政権奪還後
編集2012年自由民主党総裁選挙で(当初は現職総裁・谷垣推薦人に名を連ねる予定が谷垣出馬断念で)町村信孝を支持し、直後に(同じ岡山選出の逢沢一郎と共に)谷垣による勉強会「有隣会」に参加した。安倍晋三総裁首班のシャドウ・キャビネットで消費者・食品安全、少子化担当大臣就任。2012年12月の第46回衆議院議員総選挙では三たび岡山3区から出馬し平沼に敗れたが、比例復活で3選。なお、第44回と第45回の選挙で存在した優遇措置が第46回では無くなった。第185回国会では議事進行係を務めた。
2014年9月3日、第2次安倍改造内閣で農林水産副大臣に就任。2014年12月の第47回衆議院議員総選挙では岡山3区から出馬し再び平沼に敗れたが、比例復活で4選[11]。
2017年5月、麻生派・山東派と合流する新派閥に参加するため佐藤勉が設立した新グループ「天元会」に参加し有隣会を離脱[12]、その後、新派閥志公会に参加[13]。
2017年9月22日、平沼赳夫が政界を引退する決意を固め、自身の後継候補として次男の平沼正二郎を擁立することが報道によって明らかとなった[14]。10月6日、自民党は岡山3区での公認候補擁立を見送り、阿部と平沼正二郎をいずれも無所属で出馬させ、当選した方を追加公認することを決定した。党岡山3区支部長の阿部は推薦となった[15][16]。10月22日に行われた衆院選で平沼正二郎を約3,500票差で破り、5選[17]。自民党の追加公認を得た。
2021年10月31日の第49回衆議院議員総選挙では前回破った平沼に敗れるも比例復活により再選[18]。当選後、平沼は自民党に入党した[19]。
2022年2月25日、佐藤勉、御法川信英、丹羽秀樹と共に、麻生派を退会[20]。
2023年12月14日、自民党5派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、岸田文雄首相は清和政策研究会(安倍派)の閣僚4人と副大臣5人を事実上更迭。阿部は青山周平の後任として、文部科学副大臣に就任した[21][22]。
2024年9月27日に行われた自民党総裁選挙において加藤勝信の推薦人に名を連ねた[23]。1回目の投票では加藤に投じ[24]、得票数1位の高市早苗と2位の石破茂が進んだ決選投票では石破に投じた[24]。
文部科学大臣
編集同年10月1日、第1次石破内閣で文部科学大臣として初入閣[25]。
2024年10月27日の第50回衆議院議員総選挙では比例九州ブロックに移り、単独1位で出馬して7選したが、今後も事務所を岡山に残す意向を示している[26]。
人物
編集批判・不祥事
編集- 2020年4月22日、阿部俊子の事務所が事務局を務める勉強会が、虐待や性暴力の被害に遭った10代の女性らを支える一般社団法人「Colabo」が運営するバスカフェ「TsubomiCafe」を視察した際、事前連絡を大幅に超える人数で視察に訪れ、少女に対するセクシャルハラスメント等があったとして謝罪を求められた[28][29]。馳浩議員含む視察に参加した国会議員らは「率直におわび申し上げたい」などと謝罪のコメントを出した[30][31]。
- 自民党の阿部俊子衆院議員(比例中国)の地元事務所スタッフが2022年12月13日、岡山県美咲町で事務所の街宣車をバックさせる際に高齢女性にぶつかり軽傷を負わせ、立ち去ったとして、岡山県警が道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで任意で事情聴取したことが22日、捜査関係者などへの取材で分かった。女性は打撲の軽傷を負った。 捜査関係者によると、事故が起きたのは今月13日の昼。スタッフの70代男性は美咲町内のコンビニ駐車場に止めていた街宣車の軽自動車をバックさせた際、付近にいた女性にぶつかり転倒させ、立ち去った疑いが持たれている。県警は女性の話などから阿部氏の事務所の街宣車と判断。同乗者はいなかったとみられる[32]。
政策
編集選挙歴
編集当落 | 選挙 | 執行日 | 年齢 | 選挙区 | 政党 | 得票数 | 得票率 | 定数 | 得票順位 /候補者数 |
政党内比例順位 /政党当選者数 |
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比当 | 第44回衆議院議員総選挙 | 2005年 9月11日 | 46 | 岡山県第3区 | 自由民主党 | 5万9303票 | 29.06% | 1 | 2/4 | 1/5 |
比当 | 第45回衆議院議員総選挙 | 2009年 8月30日 | 50 | 岡山県第3区 | 自由民主党 | 5万2626票 | 25.58% | 1 | 3/4 | 1/4 |
比当 | 第46回衆議院議員総選挙 | 2012年12月16日 | 53 | 岡山県第3区 | 自由民主党 | 5万3986票 | 32.77% | 1 | 2/4 | 2/5 |
比当 | 第47回衆議院議員総選挙 | 2014年12月14日 | 55 | 岡山県第3区 | 自由民主党 | 5万7647票 | 38.39% | 1 | 2/3 | 1/5 |
当 | 第48回衆議院議員総選挙 | 2017年10月22日 | 58 | 岡山県第3区 | 無所属 | 5万9488票 | 38.92% | 1 | 1/4 | / |
比当 | 第49回衆議院議員総選挙 | 2021年10月31日 | 62 | 岡山県第3区 | 自由民主党 | 5万4930票 | 35.52% | 1 | 2/4 | 3/6 |
当 | 第50回衆議院議員総選挙 | 2024年10月27日 | 65 | 比例九州ブロック | 自由民主党 | ーー票 | ーー | 20 | / | 1/7 |
所属団体・議員連盟
編集脚注
編集- ^ “あべ俊子”. 自由民主党. 2023年11月15日閲覧。
- ^ “プロフィール”. 衆議院議員あべ俊子公式ホームページ. 2023年11月15日閲覧。
- ^ “あべ 俊子”. 首相官邸ホームページ. 内閣官房内閣広報室. 2023年11月15日閲覧。
- ^ “国会議員情報 阿部 俊子(あべ としこ)”. 時事ドットコム (時事通信社) 2023年11月15日閲覧。
- ^ a b 自由民主党岡山県支部連合会 あべ 俊子[リンク切れ]
- ^ “自由民主党岡山県支部連合会 政治資金収支報告書(平成30年分定期公表)” (PDF). 岡山県選挙管理委員会 (2019年11月29日). 2019年12月12日閲覧。
- ^ “第115回 あべ 俊子”. みわちゃんねる突撃永田町!! (2014年4月23日). 2017年11月30日閲覧。
- ^ 比例代表 中国ブロック : 開票結果 : 総選挙2005 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
- ^ “衆議院議員総選挙 候補者・名簿届出政党等情報 岡山県 第3区” (PDF). 岡山県選挙管理委員会 (2017年10月10日). 2017年11月30日閲覧。
- ^ “総裁候補の推薦人名簿 自民党”. 共同通信社. 47NEWS. (2008年9月10日) 2015年4月15日閲覧。
- ^ Company, The Asahi Shimbun. “岡山 - 開票速報 - 2014衆院選:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “佐藤勉氏ら新グループ設立 麻生、山東派と合流へ”. 日本経済新聞 (2017年5月12日). 2024年10月3日閲覧。
- ^ “新・麻生派、59人で発足 自民党第2派閥に”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社) 2017年7月3日閲覧。
- ^ “自民・平沼赳夫氏が政界引退へ 後継に次男を擁立方針”. 朝日新聞. (2017年9月22日) 2017年9月27日閲覧。
- ^ “自民、277選挙区で擁立…岡山3区一本化断念”. 読売新聞. (2017年10月7日) 2017年11月8日閲覧。
- ^ “自民分裂「あの選挙が間違いだった…」 因縁の岡山3区”. 朝日新聞. (2017年10月14日) 2017年11月8日閲覧。
- ^ “岡山-開票速報-2017衆議院選挙(衆院選):朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “小さな万歳、朝から辻立ち…比例復活、それぞれの再出発”. 朝日新聞 (2021年11月2日). 2023年1月26日閲覧。
- ^ “平沼正二郎氏が自民党入り 衆院岡山3区で当選”. 日本経済新聞. (2021年11月10日) 2024年5月15日閲覧。
- ^ “麻生派49人に、第3派閥に後退…佐藤勉・元総務相ら4人が退会届”. 読売新聞オンライン (読売新聞社) 2022年2月25日閲覧。
- ^ “【速報中】政治資金問題で閣僚交代へ 安倍派「5人衆」辞任へ”. NHK NEWS WEB (2023年12月14日). 2023年12月14日閲覧。
- ^ “安倍派の閣僚と副大臣の9人全員が交代へ 安倍派の政務官は1人を除いて留任固まる”. 日テレNEWS (2023年12月14日). 2023年12月15日閲覧。
- ^ “加藤勝信氏の推薦人一覧 自民党総裁選2024”. 日本経済新聞 (2024年9月12日). 2024年9月30日閲覧。
- ^ a b “総裁選 岡山県関係議員8票の行方 1回目は加藤氏7人、決選は二分”. 山陽新聞 (2024年9月27日). 2024年10月1日閲覧。
- ^ “石破茂新内閣が正式発足 林官房長官が閣僚名簿 皇居で首相任命式、閣僚認証式”. 産経新聞. (2024年10月1日) 2024年11月18日閲覧。
- ^ 「阿部さん 比例九州から出馬し7選 現職文科相、岡山に拠点残す意向」『山陽新聞』2024年10月28日。2024年10月29日閲覧。
- ^ “第2次石破内閣 閣僚等名簿”. 首相官邸ホームページ. 2024年11月18日閲覧。
- ^ “自民・馳浩氏の「性被害少女セクハラ」団体が抗議文”. 日刊スポーツ. 2020年4月25日閲覧。
- ^ “新型コロナ 自民議員視察、15人「密集」少女ら支援のカフェ団体に謝罪へ”. 毎日新聞. 2020年4月25日閲覧。
- ^ “家に帰れない少女向け施設へ…自民・馳衆院議員ら10人以上で『密視察』 勝手に撮影しブログ等に”. 石川テレビ. 2020年4月25日閲覧。
- ^ “自民・馳氏がHPで謝罪 女性支援団体がセクハラを指摘”. 朝日新聞デジタル. 2020年4月26日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2022年12月22日). “衆院議員街宣車ひき逃げか、自民・阿部俊子氏スタッフ 岡山”. 産経ニュース. 2023年9月29日閲覧。
- ^ a b c d e f “2012衆院選 岡山3区 阿部俊子”. 毎日jp (毎日新聞社) 2014年3月30日閲覧。
- ^ Company, The Asahi Shimbun. “朝日・東大谷口研究室共同調査 - 2014衆院選:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2024年10月3日閲覧。
- ^ “2019年12月号_2面”. 全国たばこ新聞 (全国たばこ販売協同組合連合会). (2019年11月25日) 2020年7月21日閲覧。
- ^ a b 俵義文 『日本会議の全貌』 花伝社、2016年
関連項目
編集外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- あべ俊子 公式ブログ - ウェイバックマシン(2020年10月26日アーカイブ分)
- あべ俊子 (@abetoshiko) - X(旧Twitter)
- あべ俊子 (toshiko.abe.313) - Facebook
- 阿部俊子 (@abetoshikorn) - Instagram
- 阿部俊子 - YouTubeチャンネル
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次代 鈴木馨祐 若宮健嗣 |
先代 加治屋義人 吉川貴盛 |
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次代 伊東良孝 斎藤健 |
先代 村越祐民 風間直樹 浜田和幸 |
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