関東私鉄(かんとうしてつ)は、日本の関東地方に路線を持つ私鉄である。本稿では首都圏の一角である山梨県を含む。大手私鉄9社、準大手私鉄1社と、地方中小私鉄がある。

近畿地方関西)に路線を持つ関西私鉄とは路線網・運行形態など様々な面で異なった特徴があり、しばしば比較される。

鉄道会社

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大手私鉄

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事業者名 通称 路線の通る都道府県 備考
東武鉄道 東武 栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都 東武グループ
[注釈 1]
西武鉄道 西武 埼玉県・東京都 西武グループ
京成電鉄 京成 千葉県・東京都 京成グループ
[注釈 2]
京浜急行電鉄 京急 神奈川県・東京都 京急グループ
[注釈 1]
東急電鉄 東急 東京都・神奈川県 東急グループ
京王電鉄 京王 東京都・神奈川県 京王グループ
小田急電鉄 小田急 東京都・神奈川県 小田急グループ
東京地下鉄 東京メトロ 東京都・千葉県・埼玉県 東京メトログループ
東京地下鉄株式会社法による特殊会社
相模鉄道 相鉄 神奈川県 相鉄グループ

神奈川県を地盤とする相模鉄道(相鉄)は、1990年に準大手私鉄から大手私鉄に格上げされた。また、2004年帝都高速度交通営団(営団地下鉄)から民営化して誕生した東京地下鉄(東京メトロ)は、誕生と同時に大手私鉄となった。

準大手私鉄

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事業者名 通称 路線の通る都道府県 備考
新京成電鉄 新京成 千葉県 京成グループ。2025年4月に京成電鉄に吸収合併予定。

中小私鉄

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公営第3セクター形態の事業者、(モノレールケーブルカーロープウェイ新交通システムは除く)。

事業者名 路線の通る都道府県 備考
関東鉄道 茨城県 京成グループ
野岩鉄道 栃木県福島県 東武グループ
上信電鉄 群馬県
上毛電気鉄道 群馬県 東武グループ
秩父鉄道 埼玉県 太平洋セメントグループ
小湊鉄道 千葉県 京成グループ
流鉄 千葉県
銚子電気鉄道 千葉県
江ノ島電鉄 神奈川県 小田急グループ
小田急箱根 神奈川県 小田急グループ
伊豆箱根鉄道 神奈川県・静岡県 西武グループ
富士山麓電気鉄道 山梨県 富士急グループ

特徴

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線路幅

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ターミナル駅

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東京を起点とする関東大手私鉄の幹線は、東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)を除いて、東日本旅客鉄道(JR東日本)の山手線に接続しており、山手線の駅をターミナルとして郊外に放射線状に路線が広がっている。一方で、地下鉄事業者である東京メトロ以外で山手線の内側まで乗り入れる私鉄路線は京急本線泉岳寺駅 - 品川駅間)や京成本線京成上野駅 - 日暮里駅間)、西武新宿線西武新宿駅 - 高田馬場駅間)などの短距離区間を除いてほとんど存在しない。そのため、東京メトロを除く大手私鉄は都心3区と呼ばれる千代田区中央区港区の大部分に路線を持たない。これは、関西大手私鉄が大阪環状線の内側まで路線を持ち、大阪の中心部を縦断するOsaka Metro御堂筋線と接続していることと対照的である。東京メトロや都営地下鉄といった2つの地下鉄事業者やJR中央線が山手線の内側の鉄道移動を担っている。

大手私鉄各社は、地価の高い都心部へ路線を伸ばすことよりも、国鉄のターミナル駅と接続することを重視した[5]。戦後に東京メトロの前身である営団地下鉄や都営地下鉄が開業すると、地下鉄路線に直通運転を行うことで都心方面への利便性を確保するとともに、広い駅構内や折り返し設備がなくとも大量の乗客を乗換不要で都心方面へと輸送することが可能となった。また、大手私鉄各社は、もともとは東京市の郊外であった新宿駅渋谷駅池袋駅といったそれぞれのターミナル駅に百貨店や商業施設を開業させるなど投資を積極的に行うことで、グループの収益拡大と乗客の利便性向上を図った。これらのターミナル駅は主に関東大震災以降急速にに発展し、駅周辺は東京の旧市街を凌駕する巨大繁華街へと成長した。新宿渋谷池袋は三大副都心とも呼ばれ、2008年にはこれらの街を結ぶ東京メトロ副都心線が開業した。JR・私鉄・地下鉄が複数路線集結するこれら3駅の利用者数の合計は、直通運転の人員を含めるとそれぞれ世界1位から3位を独占している。一方で、都心方面への地下鉄との直通運転の利便性やメリットが大きい一方で、阪急大阪梅田駅を筆頭に関西大手私鉄のターミナル駅と比較すると、関東大手私鉄各社のターミナル駅の規模は利用者数の割には小さいという特徴がある(規模の大きい頭端式ホームは関西私鉄が独占している)。

山手線のターミナル駅

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乗り入れ(直通運転)

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上述の通り、都心部への利便性向上のために、大手私鉄の主要路線のほとんどが地下鉄路線と直通運転を行なっている。東京都特別区には東京メトロと都営地下鉄(東京都交通局)を合わせて13路線があるが、独自規格の東京メトロ銀座線、東京メトロ丸ノ内線、都営地下鉄大江戸線以外の10路線は他社と直通運転を行なっている。地下鉄の両端を介して3社局以上の乗り入れも珍しくない。

地下鉄直通運転

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脚注

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注釈

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  1. ^ a b 芙蓉グループに属しており芙蓉会・芙蓉懇談会に加盟している[1][2][3]
  2. ^ 関西私鉄である阪急電鉄阪急阪神東宝グループ)、南海電気鉄道と共に三和グループに属しておりみどり会に加盟している[4]

出典

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  1. ^ 加盟企業一覧| 芙蓉懇談会”. 芙蓉懇談会公式サイト. 芙蓉懇談会. 2024年9月18日閲覧。
  2. ^ 菊地浩之「六大社長会の加盟企業 秘2017年版バージョン」『週刊ダイヤモンド』、ダイヤモンド社、2017年、32-33頁。 
  3. ^ 田中彰六大企業集団の無機能化 : ポストバブル期における企業間ネットワークのオーガナイジング」『同志社商学』第64巻第5号、同志社大学商学会、2013年3月、330-351頁、CRID 1390290699890654464doi:10.14988/pa.2017.0000013201ISSN 0387-2858NAID 110009605659 
  4. ^ メンバー会社一覧|みどり会”. みどり会公式サイト. 株式会社みどり会. 2024年9月19日閲覧。
  5. ^ JR山手線の壁? 東京都心部まで行けない私鉄その理由 大阪と異なる環状路線の内側事情”. 乗りものニュース (2020年6月27日). 2023年11月13日閲覧。

関連項目

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