葛生駅
葛生駅(くずうえき)は、栃木県佐野市葛生東にある東武鉄道佐野線の駅。同線の終点である。駅番号はTI 39。
葛生駅 | |
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駅舎(2024年3月) | |
くずう Kuzu | |
◄TI 38 多田 (2.8 km) | |
所在地 | 栃木県佐野市葛生東一丁目1-5 |
駅番号 | TI39 |
所属事業者 | 東武鉄道 |
所属路線 | ■佐野線 |
キロ程 | 22.1 km(館林起点) |
電報略号 | クズ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗降人員 -統計年度- |
642[東武 1]人/日 -2023年- |
開業年月日 | 1894年(明治27年)3月20日[1] |
東武鉄道の旅客案内(路線図・駅名標など)や『鉄道要覧』[2]において使用されている公式表記は、略字の「葛(艹日匂)」を用いた「葛生駅」である。ただし、表示上の制約から東武鉄道の公式サイト内でも正字の「葛(艹曷)」と表記が混在しているほか、文献によっても揺らぎがある。
年表
編集- 1889年(明治22年)6月23日:安蘇馬車鉄道の(仮)葛生 - 吉水間が開業[3][注釈 1]。
- 1890年(明治23年)4月10日:葛生 - (仮)葛生間が開業し[3]、(旧)佐野までの運転開始。(仮)葛生駅廃止。
- 1894年(明治27年)3月20日:葛生 - 越名河岸間の馬車鉄道廃止。佐野鉄道として葛生 - 越名河岸間の鉄道開業[1]し、佐野鉄道の葛生駅として改めて開業[注釈 2]。
- 1912年(明治45年)3月30日:東武鉄道が佐野鉄道を合併、佐野線とする[1]。
- 1914年(大正3年)10月16日:旧佐野鉄道区間の軌間変更(2フィート6インチより3フィート6インチ)完了により、館林 - 葛生間直通運転開始[7]。
- 1986年(昭和61年)10月21日:貨物取扱いを廃止。
- 1997年(平成9年)10月1日:会沢線当駅 - 上白石駅間廃止。
- 2007年(平成19年)3月18日:ICカード「PASMO」の利用が可能となる。
- 2012年(平成24年)3月17日:TI 39の駅ナンバリングを導入。
- 2013年(平成25年)7月:駅南側の東武鉄道の鉄道貨物ヤード跡地にて、最大出力約1000 kWのメガソーラーが稼働開始[8]。
- 2014年(平成26年)9月27日:新駅舎の使用を開始。
貨物ターミナルとして
編集かつては、当駅より先に会沢線・大叶線・日鉄鉱業羽鶴専用線・住友セメント専用線の四つの貨物線が延び、石灰、セメント、ドロマイトを輸送していた。セメントは佐野線・伊勢崎線を経て業平橋駅まで輸送された。
貨物輸送が廃止された後は設備のほとんどが撤去されているが、広い構内がその名残をとどめている。2013年には空地を活用して太陽光発電パネルが設置され「葛生太陽光発電所」となっている。
貨物輸送の全盛期には駅員が80名在籍し構内には旅客用も含め20本の線路があり、東武鉄道で最大のターミナル駅であった。その時期に当駅 - 多田間の複線化の予定もあり、その用地は国道293号沿いに確保されている。
駅構造
編集単式ホーム1面1線と留置線3線を有する地上駅。ホーム屋根は改札側から2両分のみ設置されている。
普通列車でのワンマン運転開始後の2006年(平成18年)8月より、運転士に出発信号機が開通したことを知らせるメロディ(「静かな湖畔の森の影から」)が流れるようになった。発車メロディの役割も果たしているが、発車した後も信号の現示が赤に変わるまで流れるので、正確には発車メロディではない。
留置線のうち1線は非電化である。夜間、当駅に到着した特急「リバティりょうもう」と、上り終電発車後に当駅に到着した普通列車は駅構内で夜間滞泊する。事業用車両は非電化の留置線に留置される場合がある。
駅舎は線路の西側にあり、ホームとはスロープで連絡しているため段差はない。自動改札機は設置されていないが、ICカード簡易改札機と自動券売機は設置されている。有人駅ではあるが、時間帯によっては駅員がいないことがある。
のりば
編集番線 | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1 | 佐野線 | 館林方面 |
- 単式ホームであるものの、案内標にはのりば番号として「1」の記載がある。これは東武ワールドスクウェア駅や大師前駅も同様である。
利用状況
編集2023年度の一日平均乗降人員は642人である[東武 1]。
近年の1日平均乗降人員の推移は下表の通りである。
年度 | 1日平均 乗降人員 [5] |
出典 |
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1998年(平成10年) | 2,580 | |
1999年(平成11年) | 2,290 | |
2000年(平成12年) | 2,159 | |
2001年(平成13年) | 2,047 | |
2002年(平成14年) | 1,951 | |
2003年(平成15年) | 1,793 | |
2004年(平成16年) | 1,551 | |
2005年(平成17年) | 1,397 | |
2006年(平成18年) | 1,385 | |
2007年(平成19年) | 1,383 | |
2008年(平成20年) | 1,390 | |
2009年(平成21年) | 1,320 | |
2010年(平成22年) | 1,206 | |
2011年(平成23年) | 1,137 | |
2012年(平成24年) | 1,135 | |
2013年(平成25年) | 1,134 | |
2014年(平成26年) | 1,041 | |
2015年(平成27年) | 1,028 | |
2016年(平成28年) | 1,002 | |
2017年(平成29年) | 983 | |
2018年(平成30年) | 937 | |
2019年(令和元年) | 936 | |
2020年(令和 | 2年)734 | |
2021年(令和 | 3年)755 | [東武 2] |
2022年(令和 | 4年)668 | [東武 3] |
2023年(令和 | 5年)642 | [東武 1] |
バス
編集駅南の踏切脇にあるバスの回転場が「葛生駅南バス回転場」停留所であり、下記の各路線が発着する。
停留所 | 運行事業者 | 系統 | 行先 |
---|---|---|---|
葛生駅南バス回転場 | 佐野市生活路線バス (さーのって号) |
田沼葛生線4系統・5系統・6系統 | 佐野駅 |
駅周辺
編集隣の駅
編集- かつて存在した路線
- 会沢線(貨物線)
- 葛生駅 -
上白石駅
- 葛生駅 -
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d 東武鉄道年史編纂事務局 編『東武鉄道六十五年史』東武鉄道、1964年、208-209頁。全国書誌番号:64010839。
- ^ 国土交通省鉄道局 監修『鉄道要覧』(令和5年度)電気車研究会、2023年10月1日、98頁。ISBN 978-4-88548-136-9。
- ^ a b 渡邉恵一「企業勃興期における地方小鉄道の経営と輸送:-安蘇馬車鉄道を事例として-」『経営史学』第31巻第3号、経営史学会、1996年、58頁、doi:10.5029/bhsj.31.3_47、ISSN 0386-9113。
- ^ 飯島光之丞 編『葛生町勢発達史』1936年、49頁。全国書誌番号:46050393。
- ^ a b “駅情報(乗降人員)”. 東武鉄道公式サイト. 2023年8月22日閲覧。
- ^ 東武鉄道社史編纂室 編『東武鉄道百年史』 資料編、東武鉄道、1998年。全国書誌番号:20043141。
- ^ 大町雅美『栃木県鉄道史話』落合書店、1981年1月、99頁。全国書誌番号:85051239。
- ^ 『栃木県佐野市(東武佐野線葛生駅南側土地)において 大規模太陽光発電(メガソーラー)設備工事に着手 最終設備規模・仕様を決定 本年7月、東武グループ初のメガソーラーとして発電開始予定』(PDF)(プレスリリース)東武鉄道/東武エネルギーマネジメント、2013年3月27日。オリジナルの2013年4月2日時点におけるアーカイブ 。2022年5月15日閲覧。
- ^ 阿部一雄「貨物輸送の変遷と現況」『鉄道ピクトリアル』1981年7月増刊号(通巻392号)、鉄道図書刊行会、1981年7月、89頁。
- 東武鉄道の1日平均利用客数
- ^ a b c 『駅別乗降人員 2023年度』(PDF)(レポート)東武鉄道、2024年、4頁。オリジナルの2024年5月18日時点におけるアーカイブ 。2024年5月18日閲覧。
- ^ 『駅別乗降人員 2021年度』(PDF)(レポート)東武鉄道、2024年、4頁。オリジナルの2024年5月18日時点におけるアーカイブ 。2024年6月16日閲覧。
- ^ 『駅別乗降人員 2022年度』(PDF)(レポート)東武鉄道、2024年、4頁。オリジナルの2024年5月18日時点におけるアーカイブ 。2024年6月16日閲覧。
関連項目
編集- 日本の鉄道駅一覧
- 栃木県道123号葛生停車場線 - 駅前通り
外部リンク
編集- 葛生駅(駅情報) - 東武鉄道