海洋療法
海洋療法(かいようりょうほう)とは、タラソテラピー(thalassotherapy)の日本語訳[1]。Thalassotherapyはギリシャ語のthalasso(海)、フランス語のtherapie(治療)の複合語。フランス医学アカデミーの定義では「海洋気候の作用の中で、海水、海藻、海泥を用いて行う治療」とされている。
海洋療法 | |
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治療法 | |
死海の泥を体に塗る男性 | |
MeSH | D013790 |
概要
編集海洋療法の分類・作用機序を整理すると、大きくは直接利用と間接利用に分けられる[1]。
直接利用の例として、海水によるハイドロセラピー(水治療法)、海水の浮力や水圧を活かしたマッサージや水中運動などは、文字通り海水に直接接することで物理作用、薬理作用、さらには心理作用が期待できる[1]。海水由来の素材を直接用いるものに、海藻療法(アルゴテラピー)、海泥療法(ファンゴテラピー)がある[1]。海藻には肌の性質を整える微量元素、ビタミン等の含有量が豊富で、海泥は吸着効果に優れる特性があり、これらを皮膚に直接塗布することで美容効果、温熱効果が期待できる[1]。
一方、間接利用には、起伏に富んだ海岸沿いでの運動(地形療法)や海洋性気候への転地滞在(転地療法)があり、心身両面への作用が期待される[1]。また、海洋動物が持つ特性をアシストの役割に活かすものにイルカ介在療法がある[1]。発育発達障害、ダウン症、脳性麻痺、自閉症、うつ病などに対する心理作用効果が近年大きく注目されている海洋療法のひとつである[1]。
このような分類、手法、作用機序は基本的には温泉療法と類似するものが多い[1]。
体験施設
編集日本
脚注・出典
編集- ^ a b c d e f g h i 荒川雅志. “なぜ海は体にいいのか?~海洋療法と観光の融合をどう図る~”. 国立大学法人琉球大学 ウェルネス研究分野. 琉球大学. 2024年1月23日閲覧。
- ^ “し〜うらんど”. し〜うらんど. 2021年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月23日閲覧。
- ^ “閉館のご案内”. し〜うらんど (2020年10月1日). 2021年1月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月23日閲覧。
- ^ “タラソピア”. 道の駅 ウェーブパークなめりかわ [富山県滑川市]. 2024年1月23日閲覧。
- ^ “10.5億円かけて整備した「タラソ奄美」、6月から休館 赤字続きコロナでさらに経営悪化”. 南日本新聞. 2023年5月1日閲覧。
関連文献
編集- 中山祐次郎著『医者の本音』SBクリエイティブ株式会社、2019年2月27日、101-103頁