村山地方
村山地方のデータ | |
面積 | 2,619.39 km2 (全県比:28.1%) (2018年10月1日)[1] |
国勢調査 | 531,855人 (全県比:48.8%) (2020年10月1日)[2] |
推計人口 | 509,754 人 (全県比:50.5%) (2024年11月1日) |
村山地方(むらやまちほう)とは、山形県の山形盆地を中心とした地域のこと。県庁所在地である山形市など14市町が属し、県の行政面では村山総合支庁が管轄している。山形県民の約半数が居住する。可住地面積比率は31.0%(2009年10月1日時点)[3]。
概要
編集県庁所在地で商業などの中心地である山形市を中心とした南部の山形都市圏と、山形空港が所在し工場も集積する東根市を中心とした北部の東根都市圏の2つの都市圏が認められてきたが、近年は村山地方全体で一体的な都市圏を形成している。
ただし、高等学校の学区や信用金庫の営業区域などで、東根市以北の北村山地区4市町を村山地方から切り離し、最上地方と一緒にする場合がある。この場合、東根市以北の北村山地区と最上地方を総称して、最北地区、北郡(きたぐん)と呼称している。
同様に、寒河江市、河北町、西川町、大江町、朝日町を西村山地区、天童市、山形市、上山市、中山町、山辺町を東南村山地区と呼称する場合がある。
地理
編集旧村山郡一帯に相当する地域名称であり、日常的な生活圏の名称として定着している。古代の最上郡は、後の最上郡と村山郡の双方を包含していた。886年(仁和2年)、最上郡は北の村山郡と南の最上郡の南北2郡に分割されたが、両郡の位置関係は現在とは逆である。室町時代初期、山形を本拠地とした斯波氏の一派が「最上氏」を名乗ったのは、当時の山形が最上郡に属したことによる。江戸時代初期の山形藩最上氏の改易後、最上郡と村山郡とが入れ替えられ、現在のように南が村山郡、北が最上郡という配置になった。
奥羽山脈と、朝日山地や出羽山地に囲まれた地域で、最上川の中流部と寒河江川、須川の流域にあたる山形盆地とその周辺の丘陵地、山地である。扇状地や自然堤防上では、水はけの良さを利用して果樹栽培が盛んに行われている。主な分布地は、東根市の乱川扇状地、寒河江市の寒河江川扇状地、天童市の立谷川扇状地、最上川沿いの自然堤防。主な栽培果樹はサクランボやブドウなど。その他の低地や中山間地では、稲作も盛んに行われている。
気候
編集内陸性で比較的雨量が少なく、一日の温度変化や季節の温度変化が大きい。夏はフェーン現象の影響で、最高気温が連日30度を超える真夏日になることも多いが[4]、熱帯夜は少ない。
冬は季節風の影響で積雪量が多い地域だが、同じく内陸部に位置する最上地方や置賜地方、福島県の会津地方と比べると、西部に位置する朝日山地の影響で、積雪量は比較的少ない。ただし、奥羽山脈を越えた太平洋側の地域と比べると積雪量は多く、北部の尾花沢市周辺や西部の朝日山地周辺(西川町、大江町、朝日町の山間部など)は国内有数の豪雪地帯となっている。
文化
編集江戸時代に最上川舟運で当時の近江商人[5]・大坂商人が伝えた「上方の文化」が残されている。したがって、当時の交易品だった古雛が古い民家に現在でも多く保存されている。特に紅花交易で最も交流が盛んだった河北町には当時の名残と思われる「雛市通り」という地名が存在し、現在でも毎年4月2、3日には谷地ひなまつりが行われ、祭りの期間中には雛市通りを中心に沢山の「ひな市」が並んで大変賑わう。
山形市など城下町を基礎とした都市が点在する一方で、寒河江市や尾花沢市など江戸幕府の天領を支配した陣屋町として発展した都市や、最上川舟運を利用した交易商人を中心として発展した河北町や中山町も存在する。
江戸幕府より東北地方で最大の御朱印高を拝領した慈恩寺を初め、立石寺(山寺)などの巨刹古刹が多く残されている。
夏は酷暑をしのぐため、水や氷で冷やしり、さっぱりした味付けの食事(水まま、冷やしラーメン、だし等)が昔から好まれ、現代では理美容店で冷やしシャンプーが考案された。これらを「冷たい」を意味する山形弁から「つったい文化」と総称する[6]。
都市圏
編集一般的な都市圏の定義については都市圏を参照のこと。
山形都市圏および東根都市圏の変遷
編集山形都市圏 | |
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北緯38度15分 東経140度20分 / 北緯38.250度 東経140.333度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 山形県 |
中心都市 | 山形市 |
面積 (2011)[7] | |
• 合計 | 2,246.82 km2 |
人口 (2010)[8] | |
• 合計 | 544,518人 |
• 密度 | 240人/km2 |
域内総生産 | (2010)[7] |
- 名目 | 1兆7542億円 |
2010年国勢調査の基準では山形市を中心都市とした6市7町で都市雇用圏を構成し、2015年の人口は534,571人[8][9]。以下の14市町は、村山地方を構成する全ての自治体であり、村山総合支庁が管轄している。
- 山形都市圏および東根都市圏の 10% 通勤圏に入っていない町村は、各統計年の欄で灰色かつ「-」で示す。
自治体 ('80) |
1980年 | 1990年 | 1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 自治体 ('15) |
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尾花沢市 | - | - | - | - | - | - | 尾花沢市 |
大石田町 | - | - | - | - | - | 山形 都市圏 54万4518人 |
大石田町 |
村山市 | - | 東根 都市圏 7万4318人 |
東根 都市圏 7万3714人 |
東根 都市圏 7万4364人 |
山形 都市圏 54万7641人 |
村山市 | |
東根市 | 東根 都市圏 4万0559人 |
東根市 | |||||
朝日町 | - | - | - | 山形 都市圏 47万5546人 |
朝日町 | ||
河北町 | - | - | 山形 都市圏 46万4103人 |
河北町 | |||
西川町 | 山形 都市圏 41万5965人 |
山形 都市圏 43万2463人 |
西川町 | ||||
大江町 | 大江町 | ||||||
寒河江市 | 寒河江市 | ||||||
山辺町 | 山辺町 | ||||||
中山町 | 中山町 | ||||||
天童市 | 天童市 | ||||||
山形市 | 山形市 | ||||||
上山市 | 上山市 |
広域行政の枠組み
編集山形市が中心市となり、上山市、天童市、山辺町、中山町と定住自立圏協定を締結している。
仙山圏
編集蔵王連峰を挟んで仙台都市圏との交流が盛んであるため、村山地方と仙台都市圏で「仙山圏」と呼ばれる地域圏を形成している。また、山形市、仙台市、福島市の三県都合同のプロジェクトも行われている。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “令和2年 村山地域の概況”. 山形県. 2022年1月27日閲覧。
- ^ “令和2年国勢調査”. 山形県. 2022-01-27]閲覧。
- ^ 平成23年 村山地域の概況 - ウェブアーカイブ(ウェイバックマシン、2011年3月7日)
- ^ 村山地方の中心都市である山形市で1933年7月25日に観測された最高気温40.8℃は、2007年8月16日に岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で40.9℃が観測されるまでの74年間、日本国内で観測された気温の最高記録であった。
- ^ 三方よし第31号、三方よし研究所、2008年。
- ^ 【仰天ゴハン】つったい料理(山形市)何でも キンキン熱い思い『読売新聞』日曜朝刊別刷り「よみほっと」2019年8月4日
- ^ a b 金本良嗣. “2010年 大都市雇用圏統計データ”. 東京大学空間情報科学研究センター. 2016年11月12日閲覧。
- ^ a b “平成26年度総合調査研究(地域経済の将来動向分析に関する調査研究)”. 経済産業省. 2016年11月6日閲覧。
- ^ “平成27年国勢調査結果”. 総務省統計局. 2016年11月6日閲覧。