日本敗れず
1954年の阿部豊監督による映画
『日本敗れず』(にほんやぶれず)は、新東宝映画が1954年に製作した日本映画。2021年の8月に新東宝キネマノスタルジアレーベルからDVD(HDリマスター)が発売されている。
日本敗れず | |
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監督 | 阿部豊 |
脚本 | 館岡謙之助 |
製作 | 阿部豊 |
製作総指揮 | 田辺宗英 |
出演者 | 早川雪洲、藤田進、山村聡 |
音楽 | 鈴木静一 |
撮影 | 横山実 |
編集 | 後藤敏男 |
公開 | 1954年10月26日 |
上映時間 | 102分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
概要
編集終戦をめぐる閣議の攻防や、陸軍将校らによる玉音放送の音盤奪取を目指したクーデター事件「宮城事件」を描いた初の映画。戦前にハリウッドスターとなった国際派俳優の早川雪洲が、主人公の陸軍大臣を演じる。監督は同じくハリウッドで活躍し、戦後は新東宝で文芸作品に手腕を発揮した阿部豊で、プロデューサーも務めた。後に同じ題材を描いて二度映画化された『日本のいちばん長い日』とは異なり、戦時の庶民の姿に長く時間が割かれている。また、役名はすべて仮名で、決起将校の上下関係や被害者など事実関係は史実と異なる。制作当時の若手だった丹波哲郎や宇津井健が、決起将校役として出演している。
あらすじ
編集この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
昭和20年夏、東京も相次ぐ大空襲に遭い、庶民が塗炭の苦しみを味わう中、陸軍省部内では若手将校たちが本土決戦の計画を練っていた。閣議でも総理や外相ら閣僚たちが講和を模索していた中、川浪陸相が強硬に反撃すべきことを主張し、膠着状態に陥る。しかし、御前会議でポツダム宣言受諾の聖断が下り、玉音放送の録音も行われる。血気にはやる青年将校たちは、天皇陛下の録音盤を手に入れようと近衛師団長を殺害し、偽の命令を発して宮城に突入する。
スタッフ
編集配役
編集カッコ内はモデルとされる実在の人物の名前。
- 川浪陸軍大臣(阿南惟幾):早川雪洲
- 中田東部軍司令官(田中静壱):藤田進
- 総理(鈴木貫太郎):斎藤達雄
- 南郷外務大臣(東郷茂徳):山村聡[注釈 1]
- 米田海軍大臣(米内光政):柳永二郎[注釈 2]
- 新井軍事課長・大佐(荒尾興功):安部徹
- 竹田中佐(竹下正彦):沼田曜一
- 稲垣中佐(稲葉正夫):舟橋元
- 畑少佐(畑中健二):細川俊夫
- 松崎少佐(椎崎二郎中佐):丹波哲郎
- 北少佐(井田正孝中佐):小笠原弘
- 黒田中佐(窪田兼三少佐):鈴木紳也(御木本伸介)
- 中原大尉(上原重太郎):宇津井健
- 梅沢参謀総長(梅津美治郎):武田正憲
- 林近衛師団長(森赳):高田稔[注釈 3]
- 豊島軍令部総長(豊田副武):小川虎之助
- 平井枢相(平沼騏一郎):杉寛
- 滝川侍従(徳川義寛):北沢彪
- 田部(矢部謙次郎・日本放送協会国内局長):佐々木孝丸