新宮駅
新宮駅(しんぐうえき)は、和歌山県新宮市徐福二丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・東海旅客鉄道(JR東海)紀勢本線の駅である。JRの境界駅の1つ。事務管コードは▲622038[3]。
新宮駅 | |
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駅舎(2023年7月) | |
しんぐう Shingū | |
◄鵜殿 (3.6 km) (4.7 km) 三輪崎► | |
所在地 | 和歌山県新宮市徐福二丁目1-1 |
所属事業者 | |
所属路線 |
■紀勢本線 (当駅より和歌山方は■きのくに線) |
キロ程 | 180.2 km(亀山起点) |
電報略号 | シク |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- |
920人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1913年(大正2年)3月1日[1] |
備考 |
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概要
編集新宮市の代表駅であり、紀勢本線の運行上重要な役割を有する駅で、紀勢本線は当駅を境にJR西日本管轄、JR東海管轄と分かれており、両会社の境界駅となっている[1]。またJR東海が管轄する亀山駅方は非電化区間、JR西日本が管轄する和歌山駅方が電化区間で「きのくに線」の愛称が付いており、その境界ともなっている。会社境界は下り場内信号機にある。熊野川橋梁 - 丹鶴トンネル間が線路上の境界でトンネル北口に分界標識が立っている。ただしトンネル内は非電化のため営業車両の電車は運行できない。
JR東海が運行する特急「南紀」の一部が名古屋駅から当駅を越えて紀伊勝浦駅まで運行されるが、その他は当駅を跨いで運行される列車は設定されていない。和歌山県内の駅では最東端である。
歴史
編集- 1913年(大正2年) 3月1日:新宮鉄道の終着駅として開設[1][4]。一般駅。当時路線は熊野地駅を経由し三輪崎駅へ至っていた。そのため当時は今とは位置が異なっており、現在地より40m程北方の熊野交通事務所付近と推定されている。
- 1934年(昭和9年) 7月1日:新宮鉄道国有化、鉄道省紀勢中線(現・紀勢本線)の駅となる[1][5]。
- 1938年(昭和13年)5月20日:現在地へ移転[1]。それに伴い、熊野地駅を経由しない新線が開通[1]。旧線の一部は当駅 - 熊野地駅間を結ぶ貨物支線へ転用された[1]。
- 1940年(昭和15年)8月8日:線路名称改定。紀勢中線が紀勢西線へ編入、同線の駅となる。同時に紀勢西線当駅 - 紀伊木本駅間延伸[1][6]。
- 1951年(昭和26年)1月21日:駅小荷物室より出火。木造2階建て950坪の2代目駅舎焼失[7][8]。
- 1952年(昭和27年)
- 1959年(昭和34年)7月15日:線路名称再改定。紀勢西線が紀勢本線へ編入、同線の駅となる[1]。
- 1977年(昭和52年)4月16日:昭和天皇・香淳皇后が第28回全国植樹祭開催に合わせ県内を行幸啓。名古屋駅発当駅行、当駅発那智駅行お召し列車運行[10]。
- 1982年(昭和57年)11月15日:貨物支線当駅 - 熊野地駅間廃止[1]。
- 1986年(昭和61年)11月1日:貨物取扱廃止(旅客駅化)[11]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、JR西日本・JR東海の駅となる[1]。なお、駅業務はJR西日本に引継ぎ[11]。
- 2010年(平成22年)6月1日:支社直轄に伴い、それまでの新宮鉄道部管轄から管理駅となる(管理範囲:新宮駅 - 見老津駅間)。
- 2016年(平成28年)12月17日:ICカード「ICOCA」が利用可能となる[12]。
- 2020年(令和2年)10月31日:キヨスク営業終了。
- 2021年(令和3年)
駅構造
編集単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線を有する列車交換・折返し可能な地上駅。他に多くの側線を備える。単式ホームに接して駅舎があり、両ホームは地下道で連絡している。
駅の3番線側には側線があり紀勢本線を走るJR西日本やJR東海列車が留置される。1番線、一番三輪崎駅寄り脇にはJR西日本新宮鉄道部があったが2010年に新宮列車区と部署名が改称され、支社直轄となった。
駅舎は1952年竣工、鉄筋コンクリート造り886㎡の建築物である。この駅舎は3代目で、前年に2代目駅舎が火災に伴い、焼失したため、新しく建てられたものになっている。駅舎は2階建てだが、待合所や改札部分等殆どが吹抜けとなっている。駅舎には自動券売機・みどりの券売機・みどりの券売機プラスが設置されている[2]。「こども110番の駅」にも指定されている。キヨスクは2020年10月31日に閉店した[注釈 1]。
管理駅長が配置された直営駅。管理駅として当駅 - 見老津駅間の各駅を管轄している。トイレは改札内・外にそれぞれ設置されている。
のりば
編集のりば | 路線 | 行先 | 備考 |
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1 | きのくに線(紀勢本線) | 紀伊勝浦・紀伊田辺・和歌山・新大阪方面[14] | 「くろしお」は主にこのホームへ発着 |
2・3 | 一部の特急含む | ||
■紀勢本線 | 熊野市・松阪・名古屋方面[14] |
- 上表路線名は旅客案内上の名称(「きのくに線」は愛称)で表記している。
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改札口(2023年7月)
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自動券売機(2023年7月)
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1番のりばホーム(2023年7月)
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2・3番のりばホーム(2023年7月)
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1番線に停車する、283系特急「くろしお」(2024年8月)
駅弁
編集利用状況
編集年度 | 1日平均 乗車人員 |
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1998年 | 2,007 |
1999年 | 1,963 |
2000年 | 1,755 |
2001年 | 1,700 |
2002年 | 1,541 |
2003年 | 1,447 |
2004年 | 1,393 |
2005年 | 1,382 |
2006年 | 1,355 |
2007年 | 1,285 |
2008年 | 1,213 |
2009年 | 1,115 |
2010年 | 1,097 |
2011年 | 958 |
2012年 | 1,046 |
2013年 | 1,069 |
2014年 | 1,052 |
2015年 | 1,036 |
2016年 | 972 |
2017年 | 959 |
2018年 | 979 |
2019年 | 920 |
2020年 | 703 |
2021年 | 802 |
2022年 | 763 |
駅周辺
編集駅周辺は新宮中心部で市役所等も近い。当駅を中心として新宮市街地が広がっており、新宮の主な観光地も当駅から徒歩圏内に位置する。
駅前広場一角には日本で最初に口語唱歌を作詞した、新宮市出身の東くめの『鳩ぽっぽ』歌碑がある。
名所・観光施設等
編集官公庁・公共施設
編集教育施設
編集- 新宮市立王子ヶ浜小学校
- 新宮市立神倉小学校
- 新宮市立城南中学校
- 新宮市立緑丘中学校
その他施設等
編集バス路線
編集周辺地域の公共交通機関の結節点となっており、駅前広場には待合室や各方面へのバス切符発券所を併設するバスターミナルがあり、2階には熊野御坊南海バス本社が入る。
名古屋方面、東京方面等の高速道路を経由する長距離路線は、駅前広場を回り込んだ三重交通新宮事務所前にある高速バスのりばより発着する。
- 1番のりば 紀伊勝浦駅方面の熊野御坊南海バスが出発する
- 2番のりば 本宮大社前方面の熊野御坊南海バスが出発する
- 3番のりば 熊野市駅方面の三重交通、紀宝町民バスが出発する
- 4番のりば 新宮市内路線や近大新宮高校前、一部の紀伊勝浦駅方面の熊野御坊南海バスが出発する
- 5番のりば 熊野御坊南海バスの白浜空港リムジンバス、明光バスの快速熊野古道号、奈良交通の八木新宮線が出発する
- 高速バスのりば 三重交通の名古屋方面高速バスと三重交通、西武観光バス東京方面夜行高速バスが出発する
- 三重交通
- 熊野新宮線 - 鬼ヶ城 / 大又大久保
- 名古屋南紀高速線 - 名古屋(名鉄バスセンター)
- 夜行高速バス - 横浜・東京・池袋・大宮
- 明光バス
- 快速熊野古道号 - 南紀白浜空港
- 紀宝町町民バス
- 相野谷線 - 上桐原
西日本ジェイアールバスが五新線(新宮 - 熊野本宮 - 七色、奈良交通・熊野交通と一部乗車券共通扱い)を運行していたが、2002年3月に廃止された。
その他
編集- 駅及び路線に関して
- 以前和歌山線五条駅と当駅を結ぶ構想があった。→詳細は「五新線」を参照
- 2022年3月31日まで、特急を利用すると1日目の駐車料金が無料になるパーク&ライドを実施したことがあった(※1日3台限定)。
- 2011年3月11日までは和歌山方面の始発は5時30分前後、終着は24時過ぎだった。なお、2022年3月改正時点では和歌山方面始発は6時30分頃、終着は23時50分頃となったため、日を跨いで運行する列車は無くなった(※前記列車は全て特急)。
- 1988年3月13日には、5時台に臨時特急が設定されたことがあった[18]。
- ロケ撮影
ギャラリー
編集隣の駅
編集※特急「くろしお」・「南紀」(「くろしお」は三輪崎方のみの運転)の隣の停車駅は各列車記事を参照。
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- きのくに線(紀勢本線)
- 新宮駅 - 三輪崎駅
- 東海旅客鉄道(JR東海)
- ■紀勢本線
- 鵜殿駅 - 新宮駅
かつて存在した路線
編集- 日本国有鉄道
- 紀勢本線貨物支線(1938年までの紀勢中線旧線)
- 新宮駅 - 熊野地駅
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集) 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 25号 紀勢本線・参宮線・名松線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年1月10日、9,18-21頁。
- ^ a b “新宮駅|駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月17日閲覧。
- ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ^ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1913年3月7日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「鉄道省告示第281・282号」『官報』1934年6月26日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「鉄道省告示第170・171号」『官報』1940年8月2日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「新宮駅全焼」『朝日新聞』昭和25年1月22日
- ^ 天王寺鉄道管理局三十年写真史P66に写真掲載
- ^ a b 天王寺鉄道管理局三十年写真史P189(年表)
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、147頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ a b 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、375頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ “和歌山県内の特急 「くろしお 」号停車駅で、ICOCAがご利用できるようになります!!”. 西日本旅客鉄道 (2016年8月9日). 2022年5月12日閲覧。
- ^ a b “新宮駅|駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2021年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月26日閲覧。
- ^ a b “新宮駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年1月31日閲覧。
- ^ JR西日本駅弁紀行 紀州路編 - 『Blue Signal』2011年1月号(No.134)西日本旅客鉄道
- ^ 有限会社丸新 - 日本鉄道構内営業中央会(2010年)
- ^ 『和歌山県統計年鑑』及び『和歌山県公共交通機関等資料集』
- ^ 交通公社の時刻表 1988年3月号 復刻版
関連項目
編集外部リンク
編集- 新宮駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- 各駅の時刻表 新宮駅 - 東海旅客鉄道
- 交通機関の発達と町の変化(新宮市、アーカイブ)