将棋図巧
日本の詰将棋の作品集
△持駒 残り駒全部
9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
歩 | 金 | 角 | 一 | ||||||
金 | 銀 | と | 二 | ||||||
歩 | 歩 | 三 | |||||||
桂 | 香 | 銀 | 四 | ||||||
玉 | 五 | ||||||||
桂 | 香 | 龍 | 角 | 六 | |||||
と | 歩 | 龍 | 七 | ||||||
銀 | 八 | ||||||||
桂 | 九 |
将棋図巧(しょうぎずこう)は、江戸時代の将棋指し伊藤看寿により、宝暦五年(1755年)3月に江戸幕府に献上された詰将棋の作品集である。原書名は「象棋百番奇巧図式」という。兄の七世名人三代伊藤宗看が著した「将棋無双(象戯作物)」と並んで、江戸時代における詰将棋の最高峰といわれている。
全100題からなり、手数は9手詰(第50番)から611手詰(第100番)に亘る。中でも、特に超難解と言われる第8番や、詰め上がり図から『襷詰』と呼ばれる炙り出しの第94番、玉方一段目実戦初形の第97番、その美しさから神局と賞される最後の3題(第98番『裸玉』、第99番『煙詰』、第100番『寿』)が有名である。また、第73番は後に不詰めとなる変化が見つかっており、不完全作となっている。
その作風の多彩さから複数人物が筆者であるとする説もあり、近年の詰将棋の第一人者である上田吉一も「少なくとも3人の作者がいるのではないか」と述べている[1]。
詰将棋作家としても知られる棋士の内藤國雄は、小学生時代に将棋図巧第1番を見て詰将棋を作り始めたと語り、自分の作品集にも「図式百番」というタイトルをつけている。 米長邦雄は、「将棋図巧と将棋無双の200題を全問解ければ四段(プロ棋士)になれる」との持論を展開していた。それは、ただ難問を解いて棋力が付くというだけでなく、不詰を含む難解な問題を延々解く忍耐力や、将棋に対する情熱が必要であるからとしている。
△持駒 残り駒全部
9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
馬 | 桂 | 金 | 一 | ||||||
玉 | 歩 | 歩 | 香 | 二 | |||||
香 | 角 | 銀 | 三 | ||||||
杏 | 桂 | 金 | 歩 | 四 | |||||
金 | と | 桂 | 五 | ||||||
香 | 六 | ||||||||
七 | |||||||||
龍 | 八 | ||||||||
飛 | 九 |
参考文献
編集- 詰むや詰まざるや―将棋無双・将棋図巧(伊藤宗看・伊藤看寿、平凡社、1975年、ISBN 4582802826)
- 図式百番(内藤国雄、毎日コミュニケーションズ、2005年、ISBN 4839901287)