富永健一

日本の社会学者

富永 健一(とみなが けんいち、1931年昭和6年〉7月1日 - 2019年平成31年〉2月23日[1])は、日本社会学者

富永 健一
とみなが けんいち
日本学士院より公表された肖像写真
人物情報
生誕 1931年7月??
日本の旗 日本東京都杉並区
死没 (2019-02-23) 2019年2月23日(87歳没)
国籍 日本の旗 日本
出身校 東京大学
学問
研究分野 社会学
研究機関 東京大学慶應義塾大学武蔵工業大学
学位 社会学博士博士(経済学)
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社会学博士東京大学論文博士・1967年)、博士(経済学)京都大学論文博士・1998年)。東京大学名誉教授文化功労者日本学士院会員。

略歴

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1931年、東京都杉並区生まれ[2]。。1950年3月に東京都立新宿高等学校を卒業し、東京大学文学部社会学科に入学。1955年3月に卒業し、同大学大学院社会学研究科に進んだ。1959年9月、博士課程を中退。

1959年10月に東京大学文学部助手に採用される。1962年4月に同専任講師、1966年11月に同助教授に昇格。1967年に学位論文『社会変動の理論-経済社会学的研究』を東京大学に提出して社会学博士東京大学)号を取得[3]。1977年4月に東京大学文学部教授に昇進した。1992年3月に東京大学を定年退官し、名誉教授(1992年5月~)となった。

その後は、1992年4月より慶應義塾大学環境情報学部教授、1994年より経済社会学会会長[4]、1997年4月より武蔵工業大学(現・東京都市大学)環境情報学部教授を務める。1998年に学位論文『経済と組織の社会学理論』を提出して、博士(経済学)を取得。2003年3月に武蔵工業大学を退職。学界では2010年12月に日本学士院会員に選出された。

2019年2月23日、肺炎のため死去[1]。87歳没。

受賞歴・叙勲

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研究内容・業績

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専攻は社会学全般、社会学理論、社会変動・近代化、社会階層、経済社会学、組織理論と多岐にわたる。竹内洋は「戦後の社会学をリードした」と評している[5]

家族・親族

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  • 祖父:池辺三山は母方の祖父。東京朝日新聞主筆。
  • 叔父:池辺一郎。池辺三山について富永と共著出版している。

著書

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単著

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  • 『社会変動の理論―経済社会学的研究』(岩波書店, 1965年)
  • 『新しい産業社会―産業化と社会変動』(鹿島研究所出版会, 1965年)
  • 『産業社会の動態』(東洋経済新報社, 1973年)
  • 『人類の知的遺産(79)―現代の社会科学者』(講談社, 1984年)
    • 『現代の社会科学者―現代社会科学における実証主義と理念主義』(講談社学術文庫, 1993年)
  • 『社会学原理』(岩波書店, 1986年)
  • 『社会構造と社会変動―近代化の理論』(放送大学教育振興会, 1987年)
    • 『近代化の理論―近代化における西洋と東洋』(講談社学術文庫, 1996年)
  • 『日本産業社会の転機』(東京大学出版会, 1988年)
  • 『日本の近代化と社会変動―テュービンゲン講義』(講談社学術文庫, 1990年)
  • 『社会学講義―人と社会の学』(中央公論社〈中公新書〉, 1995年)
  • 『行為と社会システムの理論―構造-機能-変動理論をめざして』(東京大学出版会, 1995年)
  • 『環境と情報の社会学―社会環境と文化環境』(日科技連出版社, 1997年)
  • 『経済と組織の社会学理論』(東京大学出版会, 1997年)
  • 『マックス・ヴェーバーとアジアの近代化』(講談社学術文庫, 1998年)
  • 『社会変動の中の福祉国家―家族の失敗と国家の新しい機能』(中央公論新社〈中公新書〉, 2001年)
  • 『戦後日本の社会学 一つの同時代学史』(東京大学出版会, 2004年)
  • 『思想としての社会学』(新曜社, 2008年)
  • 『社会学 わが生涯』(ミネルヴァ書房〈シリーズ「自伝」〉, 2011年)

共著

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編著

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  • 『社会学講座(8)経済社会学』(東京大学出版会, 1974年)
  • 『日本の階層構造』(東京大学出版会, 1979年)
  • 『基礎経済学』(全五巻)(東洋経済新報社, 1981年)
  • 『理論社会学の可能性―客観主義から主観主義まで』(新曜社, 2006年)

共編著

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訳書

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  • モートン・ドイッチ『社會心理學における場の理論』(みすず書房, 1957年)
  • B・F・グリーン『態度測定』(みすず書房, 1957年)
  • T・パーソンズ、N・J・スメルサー『経済と社会――経済学理論と社会学理論の統合についての研究(1・2)』(岩波書店, 1958年-1959年)
  • タルコット・パーソンズ『宗教の社会学――行為理論と人間の条件第三部』(勁草書房, 2002年)
  • タルコット・パーソンズ『人間の条件パラダイム――行為理論と人間の条件第四部』(勁草書房, 2002年)

脚注

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  1. ^ a b 社会学者の富永健一氏が死去」『産経新聞Yahoo!ニュース、2019年2月24日。オリジナルの2019年2月27日時点におけるアーカイブ。2019年2月27日閲覧。
  2. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.331
  3. ^ 博士論文書誌データベース
  4. ^ 「歴代会長・顧問・名誉会員」経済社会学会
  5. ^ 竹内, 洋『メディアと知識人 - 清水幾太郎の覇権と忘却』中央公論新社、2012年。ISBN 978-4120044052 、p19
  6. ^ 池辺一郎、池辺三山は親族。

外部リンク

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先代
内海洋一
経済社会学会会長
1994年 - 1996年
次代
野尻武敏