室戸市(むろとし)は、高知県の東南部に位置する

むろとし ウィキデータを編集
室戸市
室戸半島(室戸岬
室戸市旗 室戸市章
室戸市旗 室戸市章
日本の旗 日本
地方 四国地方
都道府県 高知県
市町村コード 39202-2
法人番号 7000020392022 ウィキデータを編集
面積 248.22km2
総人口 10,278[編集]
推計人口、2024年12月1日)
人口密度 41.4人/km2
隣接自治体 安芸郡東洋町奈半利町北川村
市の木 ウバメガシ
市の花 ハマユウ
市の鳥 メジロ
室戸市役所
市長 植田壯一郎
所在地 781-7185
高知県室戸市浮津25番地1
北緯33度17分24秒 東経134度09分07秒 / 北緯33.28994度 東経134.15203度 / 33.28994; 134.15203座標: 北緯33度17分24秒 東経134度09分07秒 / 北緯33.28994度 東経134.15203度 / 33.28994; 134.15203
地図
市庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

室戸市位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキプロジェクト

概要

編集
 
室戸岬の日の入り

太平洋に突き出した室戸半島があり、そのほぼ全域が室戸市である。室戸半島の最南端に室戸岬があり、水産業ホエールウォッチング土佐備長炭海洋深層水で知られる。夏から秋にかけては台風の通過が多く、枕崎市鹿児島県)、串本町和歌山県東牟婁郡潮岬)などと並び台風銀座の一つである。

基幹産業である水産業の衰退、人口流出等による過疎化が進行しており、2020年11月1日現在高知県内11市で最も人口が少ない市であり(11,645人)、全国では5番目に少ない。なお室戸市よりも人口が少ない4市は全て北海道空知総合振興局にあり、北海道以外の46都府県(本州四国九州沖縄県)の全738市で最も人口が少ない[1]。65歳以上が人口比の50%以上を占める限界自治体の一つ。

地理

編集
 
室戸岬
 
室戸市中心部周辺の空中写真。
2017年4月30日撮影の6枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
 
室戸スカイラインから望む室戸市街

室戸半島には室戸半島山地や野根山山地などの山地が分布しており、佐喜浜川、室津川、奈半利川などの下流部には山地に食い込む形で谷底平野等が広がっている[2]

室戸ユネスコ世界ジオパークがあり、室戸市全域にある22のジオサイトで構成されている[3]。室戸岬の突端近くには海食洞の御厨人窟(みくろど)と神明窟(しんめいくつ)があり、「御蔵洞(みくらど)」と総称されることもある[3][4]。「御厨人窟の波音」は日本の音風景100選にも選ばれている[4]

地形

編集

山地

編集
主な山
  • 野根山 (983m)
  • 小坂山 (748m)
  • 大角山 (703m)

河川

編集
主な河川

海岸

編集

今後発生が予見されている南海トラフ巨大地震の際には、市内の海岸に最大12mの津波が到達することが予想されている[5]

主な岬

人口

編集
 
室戸市と全国の年齢別人口分布(2005年) 室戸市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 室戸市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
室戸市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 27,445人
1975年(昭和50年) 26,660人
1980年(昭和55年) 26,086人
1985年(昭和60年) 25,309人
1990年(平成2年) 23,308人
1995年(平成7年) 21,430人
2000年(平成12年) 19,472人
2005年(平成17年) 17,490人
2010年(平成22年) 15,210人
2015年(平成27年) 13,524人
2020年(令和2年) 11,742人
総務省統計局 国勢調査より


隣接している自治体

編集
 高知県

気候

編集
室戸岬特別地域気象観測所(室戸市室戸岬町、標高185m)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 20.8
(69.4)
21.1
(70)
22.9
(73.2)
25.8
(78.4)
28.2
(82.8)
30.1
(86.2)
35.0
(95)
34.5
(94.1)
32.9
(91.2)
29.5
(85.1)
26.4
(79.5)
22.0
(71.6)
35.0
(95)
平均最高気温 °C°F 10.6
(51.1)
11.4
(52.5)
14.3
(57.7)
18.2
(64.8)
21.7
(71.1)
23.9
(75)
27.6
(81.7)
29.0
(84.2)
26.5
(79.7)
22.2
(72)
17.7
(63.9)
13.0
(55.4)
19.7
(67.5)
日平均気温 °C°F 7.7
(45.9)
8.2
(46.8)
11.0
(51.8)
15.2
(59.4)
18.8
(65.8)
21.5
(70.7)
25.0
(77)
26.3
(79.3)
24.0
(75.2)
19.8
(67.6)
15.1
(59.2)
10.2
(50.4)
16.9
(62.4)
平均最低気温 °C°F 5.1
(41.2)
5.4
(41.7)
8.1
(46.6)
12.5
(54.5)
16.5
(61.7)
19.6
(67.3)
23.2
(73.8)
24.4
(75.9)
22.0
(71.6)
17.6
(63.7)
12.7
(54.9)
7.7
(45.9)
14.6
(58.3)
最低気温記録 °C°F −5.4
(22.3)
−6.6
(20.1)
−3.5
(25.7)
2.2
(36)
7.1
(44.8)
12.6
(54.7)
16.5
(61.7)
17.9
(64.2)
14.4
(57.9)
6.8
(44.2)
1.8
(35.2)
−2.1
(28.2)
−6.6
(20.1)
降水量 mm (inch) 89.5
(3.524)
113.8
(4.48)
177.4
(6.984)
203.2
(8)
240.6
(9.472)
330.8
(13.024)
267.9
(10.547)
210.2
(8.276)
322.3
(12.689)
251.8
(9.913)
164.3
(6.469)
93.3
(3.673)
2,465
(97.047)
平均降水日数 (≥0.5 mm) 7.2 8.4 11.5 10.9 11.8 15.3 12.3 12.0 13.2 10.8 8.7 6.7 128.9
湿度 61 63 67 71 78 87 89 86 80 72 68 63 74
平均月間日照時間 179.0 172.1 194.7 199.7 196.1 132.3 177.8 227.9 171.2 178.5 169.3 180.4 2,178.9
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1920年-現在)[6][7]

歴史

編集

沿革

編集
 
室戸岬
  • 1934年昭和9年)9月20日 - 室戸台風が通過、伊勢湾台風枕崎台風につぐ史上3位の死者・行方不明者3,036人(全国)の惨事となる。暴風雨と波浪により、岬から西側の海岸付近の集落の家々は軒並み倒壊、流出した[8]
  • 1959年(昭和34年)3月1日 - 安芸郡室戸町室戸岬町吉良川町佐喜浜町羽根村が合併して室戸市が発足。
  • 1961年(昭和36年)9月16日 - 第2室戸台風が通過し、室戸岬測候所では日本気象観測史上2位となる最大瞬間風速84.5m/sを記録。
  • 1971年(昭和46年)9月11日 - 集中豪雨により市内の中小河川が氾濫。死者1人、民家の全半壊17戸、浸水625戸[9]
  • 1994年(平成6年)12月4日 - 室戸市議会議員補欠選挙において当選枠1人に対して2人が立候補し、1位当選候補は2851票で2位落選候補は1167票だったが、無効票が4216票(無効投票率は52.20%)となった[10][11]。贈収賄事件で市長と市議が逮捕されて辞職したことに伴って市長選と同時に行われたが、補選候補が同じ地区から出ており、他地区の有権者の関心が薄かったためと分析された[10][12]。なお、市議補選の無効票は3057票は白票で、残りは市議補選候補でない市長選候補の名前を書いたもの等であった[10][11]

政治

編集

行政

編集

施設

編集
 
室戸警察署
 
室戸郵便局
 
室戸マリンスタジアム

警察

編集

消防

編集

医療

編集
主な病院
  • 室戸中央病院
  • 室戸病院

郵便局

編集
主な郵便局

運動

編集

図書館

編集
  • 室戸市立市民図書館

経済

編集

産業

編集
  • 主な産業: 水産業

特産品

編集

電力

編集

商業

編集
主な商業施設

姉妹都市・提携都市

編集

海外

編集
姉妹都市

教育

編集

市独自の奨学金制度として「室戸市奨学資金貸与条例」が定められている。なお、奨学金は返還義務がともなう。

高等学校

編集
県立

中学校

編集
市立
  • 室戸市立佐喜浜中学校
  • 室戸市立室戸中学校(2010年室戸岬中学校を、2011年室戸東中学校を統合)
  • 室戸市立吉良川中学校
  • 室戸市立羽根中学校

小学校

編集
市立
  • 室戸市立佐喜浜小学校
  • 室戸市立室戸小学校
  • 室戸市立元小学校
  • 室戸市立吉良川小学校
  • 室戸市立羽根小学校

交通

編集
 
高知東部交通室戸営業所
 
国道55号線
 
津照寺から眺める室戸市中心部・室津の街並み
 
室津港

鉄道

編集

市内に鉄道路線は通っていない。『JTB時刻表』には室戸バス停が中心駅として記載されている。

阿佐海岸鉄道阿佐東線で運行されているデュアル・モード・ビークル(DMV)のうち、土休日の1往復のみが室戸市まで乗り入れてくるが、市内ではバスとして道路を走行する。

過去には阿佐線の計画が存在したが、市内の区間は着工されないまま未成線となった。

バス

編集
路線バス
都市間バス(高速バス)

(※昼行便・1日1往復のみ。室戸市役所から約3.5km離れた海の駅とろむ発着)

廃止路線

高知龍馬空港・高知駅方面への直通便は2007年(平成19年)3月をもって、大阪方面への夜行高速バスは2008年(平成20年)5月をもって廃止されている。

道路

編集
国道
道の駅

港湾

編集
漁港
  • 第3種漁港
    • 室戸岬漁港
  • 第2種漁港
    • 椎名漁港
    • 三津漁港
  • 第1種漁港
    • 高岡漁港
    • 行当漁港(ぎょうどぎょこう)
避難港
  • 室津港
海の駅
  • 海の駅とろむ(2021年3月末閉店)[1]

観光

編集
 
最御崎寺
 
吉良川町重要伝統的建造物群保存地区・松本邸
 
室戸岬灯台
 
室戸世界ジオパークセンター

名所・旧跡

編集
主な寺院
主な神社

観光スポット

編集

集落活動センター

編集

文化

編集

祭事・催事

編集

出身・関連著名人

編集
 
室戸岬 中岡慎太郎像
ゆかりのある人物
  • 中岡慎太郎

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 2023年に四国で初開催された。

出典

編集
  1. ^ 高知県室戸市"都市再生整備計画 高岡地区"平成18年2月(2010年11月14日閲覧。)
  2. ^ 室戸岬 国土地理院(2024年11月7日閲覧)
  3. ^ a b 室戸ジオパーク 室戸ジオパーク推進協議会(2024年11月7日閲覧)
  4. ^ a b 御厨人窟(みくろど) 室戸市(2024年11月7日閲覧)
  5. ^ 資料1-3 市町村別平均津波高一覧表<満潮位>”. 内閣府防災情報のページ (2012年8月29日). 2024年2月16日閲覧。
  6. ^ 平年値ダウンロード”. 気象庁. 2021年4月閲覧。
  7. ^ 観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2021年4月閲覧。
  8. ^ 風速実に六十五メートル、室戸で観測『大阪毎日新聞』昭和9年9月26日(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p235 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  9. ^ 「室戸では310戸が孤立 1人死ぬ 浸水600戸越す」『中國新聞』昭和46年9月11日 15面
  10. ^ a b c “無効票が半分、ほとんど白票 高知・室戸市議補選”. 朝日新聞. (1994年12月5日) 
  11. ^ a b “無効票が過半数 高知・室戸 市議補選”. 毎日新聞. (1994年12月5日) 
  12. ^ “室戸市議補選 無効票が半数超す/高知”. 読売新聞. (1994年12月5日) 
  13. ^ 室戸市長選、現職の植田氏が再選 投票率は過去最低”. 朝日新聞. 2022年12月22日閲覧。
  14. ^ 室戸市議選(定数12=立候補15)”. 高知新聞. 2019年5月13日閲覧。
  15. ^ 宮川敏彦, 谷田貝充克『図説 土佐備長炭 21世紀に伝えたいこと』飛鳥出版室、2013年5月23日。 
  16. ^ 統計データ 令和4年度 高知県の森林・林業・木材産業”. 高知県. 2023年12月27日閲覧。
  17. ^ 集落活動センターとは|えいとここうち”. www.eitoko.jp. 2022年9月11日閲覧。
  18. ^ 御田祭”. 室戸市. 2018年12月2日閲覧。
  19. ^ 国選択文化財「吉良川御田八幡宮神祭のお舟・花台行事」”. 室戸市. 2018年12月2日閲覧。
  20. ^ シットロト踊”. 高知県. 2015年2月21日閲覧。
  21. ^ 義長神社の大祭”. 高知県. 2018年12月2日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集