大森勧銀事件
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概要
編集1970年10月18日夜、東京都大田区の日本勧業銀行(旧第一勧業銀行の前身行。現みずほ銀行)大森支店で宿直行員が電気掃除機のコードで絞殺された。金庫室のボルト数本が外されていた。
10月27日、警視庁大井警察署は、Xをライフル銃を盗んだ窃盗事件で別件逮捕(その窃盗の前に、別の友人の自動車から預金通帳と印鑑を盗んでいる。それに気付かれる前に預金を引き出そうと、足止めの目的で、大森勧銀の強盗殺人事件は自分がやったとその友人に嘘をついた)。
警察は取調べで本件殺人事件におけるXの自供を得たが、犯行に使用した小刀やプライヤーの種類、それらを遺棄した場所の供述は曖昧で発見されることはなかった[1]。Xに数種類の小刀や工具の写真を見せて外観を特定し、拾得物として届け出てもらおうとする異例の呼びかけも行われた[2]が空振りに終わった。
結局、Xは証拠が不十分なまま殺人罪で起訴されたが、第1回公判では犯行を否認し、自白は誘導によるものと無罪を主張。1973年3月、東京地方裁判所は求刑通り無期懲役判決を言い渡した。東京高等裁判所での控訴審では足跡鑑定が行われ、足跡がXのものと一致せず複数の足跡という結果が出された。
1978年7月30日、東京高等裁判所は被告人に逆転無罪判決を言い渡す。検察側はこれを不服として最高裁判所へ上告するも、1982年3月17日に検察側の上告が棄却され、被告人Xの無罪が確定した。
その他
編集脚注
編集- ^ プライヤー探しに全力 勧銀殺人事件『朝日新聞』1970年(昭和45年)12月4日夕刊 3版 11面
- ^ 凶器発見呼びかけ 不起訴の可能性も『朝日新聞』1970年(昭和45年)12月3日夕刊 3版 11面
- ^ 逆転無罪 K銀行殺人事件 息子はなぜ犯人と名乗ったか? テレビドラマデータベース
関連書籍
編集- 大森勧銀事件弁護団・松永憲生『逆転無罪』(現代史出版会)