北部航空方面隊
日本の青森県三沢市に司令部を置く、航空自衛隊の航空方面隊のひとつ
北部航空方面隊(ほくぶこうくうほうめんたい、英称:Northern Air Defense Force、略称:NADF)は、航空自衛隊の航空方面隊の一つ。青森県三沢市の三沢基地に司令部を置く。主たる任務は北海道・北東北地域の防空。
北部航空方面隊 Northern Air Defense Force | |
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創設 | 1958年(昭和33年)8月1日 |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 航空自衛隊 |
所在地 | 青森県 三沢市 |
上級単位 | 航空総隊 |
概要
編集航空自衛隊に4個ある航空方面隊の一つであり、航空総隊の指揮を受ける。2個航空団を主力とし、戦闘機4個飛行隊のほか、9個警戒隊(固定レーダーサイト)、1個高射群などで構成されている。防衛担当区域は北海道・北東北地域であり、ロシアと接している。そのため、冷戦時代にはソビエト連邦の航空機に対する要撃任務が頻発した。1976年にはベレンコ中尉亡命事件が発生し、ソビエト連邦に対する高度な警戒態勢をとった。1983年9月1日の大韓航空機撃墜事件に際しては、傘下のレーダーサイトが関係航空機の監視を行なっていた。
沿革
編集- 1957年(昭和32年)
- 1958年(昭和33年)8月1日:臨時北部航空司令部訓練隊を「北部航空方面隊」司令部に改編。部隊主力は第2航空団。
- 1961年(昭和36年)
- 1970年(昭和45年)6月30日:第3高射群新編。
- 1976年(昭和51年)
- 9月6日:ベレンコ中尉亡命事件(MiG-25戦闘機を用いた亡命事件)が発生。
- 10月1日:北部航空音楽隊新編。
- 1978年(昭和53年)3月31日:小牧基地より第3航空団が三沢基地へ移駐、北部航空方面隊に編入。
- 1979年(昭和54年)3月31日:第6高射群新編。
- 1999年(平成11年)3月29日:司令部組織の改編(副司令官職を新設。監理部と人事部を廃止、統合し総務部に改編)。
- 2021年(令和 3年)9月7日:司令部が新庁舎への移転を完了し、庁舎落成式を挙行[1]。
- 2023年(令和 5年)3月16日:第3高射群・第6高射群を廃止・統合し、北部高射群を編成[2]。
部隊編成
編集- 北部航空方面隊司令部 - (三沢基地)
- 第2航空団 - (千歳基地)
- 第3航空団 - (三沢基地)
- 北部航空警戒管制団 - (三沢基地)
- 北部高射群 - (三沢基地)
- 北部航空施設隊 - (三沢基地)
- 北部航空音楽隊 - (三沢基地)
司令部編成
編集- 総務部
- 総務課
- 人事課
- 会計課
- 厚生課
- 援護業務課
- 防衛部
- 防衛課
- 運用課
- 通信電子課
- 調査課
- 装備部
- 計画課
- 整備課
- 補給課
- 施設課
- 監理監察官
- 法務官
- 医務官
主要幹部
編集官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
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北部航空方面隊司令官 | 空将 | 亀岡弘 | 2023年12月22日 | 航空救難団司令 |
副司令官 | 空将補 | 石引大吾 | 2023年12月22日 | 第6航空団司令 兼 小松基地司令 |
幕僚長 | 1等空佐 | 伊豆原隆志 | 2024年12月20日 | 中部航空方面隊司令部幕僚長 |
総務部長 | 1等空佐 | 武田恭一 | 2024年 | 3月18日自衛隊静岡地方協力本部長 |
防衛部長 | 1等空佐 | 三宅英明 | 2024年 | 3月14日第8航空団飛行群司令 |
装備部長 | 1等空佐 | 加美山聡 | 2024年 | 8月 1日飛行開発実験団整備群司令 |
監理監察官 | 1等空佐 | 壁島栄一 | 2022年 | 3月18日中部航空方面隊司令部監理監察官 |
法務官 | 2等空佐 | 小林康臣 | 2020年 | 8月 1日航空幕僚監部首席法務官付法務官 |
医務官 | 1等空佐 | 辻 基 | 2024年 | 8月 1日西部航空方面隊司令部医務官 兼 西部航空警戒管制団勤務 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 出身校・期 | 前職 | 後職 |
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臨時北部航空司令部訓練隊長 | |||||
1 | 島田航一 (空将補) |
1957年 | 7月15日 - 1958年 5月22日海兵55期・ 海大38期 |
統合幕僚会議事務局第2班長 | 航空幕僚監部防衛部長 |
2 | 松前未曾雄 | 1958年 | 5月23日 - 1958年 7月31日陸士38期・ 陸大49期 |
航空幕僚監部防衛部長 | 北部航空方面隊司令 |
北部航空方面隊司令 | |||||
1 | 松前未曾雄 | 1958年 | 8月 1日 - 1959年 7月17日陸士38期・ 陸大49期 |
臨時北部航空司令部訓練隊長 | 航空総隊司令 |
2 | 大谷三雄 | 1959年 ※1959年12月 1日 空将昇任 |
7月18日 - 1960年 7月31日海機36期・ 海大機関学生 |
西部航空司令所司令 | 資材統制隊司令 |
3 | 頼冨美夫 (空将補) |
1960年 | 8月 1日 - 1961年 6月11日陸士43期・ 陸大52期 |
統合幕僚会議事務局第3幕僚室長 →1960年3月16日 航空幕僚監部付 |
北部航空方面隊司令官 |
北部航空方面隊司令官 | |||||
1 | 頼冨美夫 (空将補) |
1961年 | 6月12日 - 1961年 7月24日陸士43期・ 陸大52期 |
北部航空方面隊司令 | 飛行教育集団司令官 |
2 | 水町勝城 | 1961年 | 7月25日 - 1963年 7月31日陸士41期・ 陸大49期 |
防衛研修所副所長 | 航空幕僚監部付 →1963年12月31日 退職 |
3 | 新郷英城 | 1963年 ※1964年 1月 1日 空将昇任 |
8月 1日 - 1965年 7月15日海兵59期 | 航空幕僚監部監察官 | 航空自衛隊幹部学校長 |
4 | 大室孟 | 1965年 | 7月16日 - 1966年 6月30日陸士45期 | 航空幕僚監部人事教育部長 | 航空幕僚副長 |
5 | 根來卓美 | 1966年 | 7月 1日 - 1968年 2月15日陸士47期・ 陸大57期 |
第4航空団司令 兼 松島基地司令 |
航空自衛隊幹部学校長 |
6 | 宇都宮道生 | 1968年 ※1969年 1月 1日 空将昇任 |
2月16日 - 1969年 2月16日海兵63期 | 第1航空団司令 兼 浜松北基地司令 |
飛行教育集団司令官 |
7 | 上田泰弘 | 1969年 | 2月17日 - 1970年 6月30日陸士49期・ 陸大58期 |
航空幕僚監部人事教育部長 | 航空幕僚副長 |
8 | 植村英一 | 1970年 | 7月 1日 - 1971年 6月30日陸士50期・ 陸大59期 |
航空幕僚監部防衛部長 | 飛行教育集団司令官 |
9 | 鏑木健夫 | 1971年 | 7月 1日 - 1972年 6月30日陸士51期 | 航空総隊司令部幕僚長 | 航空総隊司令官 |
10 | 鈴木瞭五郎 | 1972年 | 7月 1日 - 1973年 6月30日海兵68期 | 航空幕僚監部監察官 | 航空幕僚副長 |
11 | 平野晃 | 1973年 | 7月 1日 - 1974年 6月30日海兵69期 | 中部航空方面隊司令部幕僚長 | 航空幕僚副長 |
12 | 桑原泰郎 | 1974年 | 7月 1日 - 1975年 6月30日陸士54期 | 航空自衛隊幹部学校副校長 | 退職 |
13 | 竹田五郎 | 1975年 | 7月 1日 - 1976年11月30日陸航士55期 | 南西航空混成団司令 | 航空総隊司令官 |
14 | 松村正二 | 1976年12月 | 1日 - 1978年 6月30日海兵71期 | 保安管制気象団司令 | 飛行教育集団司令官 |
15 | 川越重比古 | 1978年 | 7月 1日 - 1979年 6月30日海兵72期 | 航空幕僚監部監察官 | 飛行教育集団司令官 |
16 | 神吉彌彦 | 1979年 | 7月 1日 - 1980年 6月30日海兵73期 | 飛行教育集団司令部幕僚長 | 退職 |
17 | 森繁弘 | 1980年 | 7月 1日 - 1982年 6月30日陸航士60期 | 航空総隊司令部幕僚長 | 航空幕僚副長 |
18 | 稲葉由郎 | 1982年 | 7月 1日 - 1983年 8月 1日陸士60期 | 航空幕僚監部監察官 | 退職 |
19 | 木暮丞一 | 1983年 | 8月 1日 - 1984年12月16日横浜専門・ 5期幹候(陸) |
航空総隊司令部幕僚長 | 統合幕僚会議事務局長 |
20 | 米川忠吉 | 1984年12月17日 - 1986年 | 6月16日青山学院大学・ 5期幹候 |
航空幕僚監部監察官 | 飛行教育集団司令官 |
21 | 鈴木昭雄 | 1986年 | 6月17日 - 1987年12月10日防大1期 | 航空幕僚監部防衛部長 | 航空幕僚副長 |
22 | 長谷川孝一 | 1987年12月11日 - 1990年 | 3月15日防大2期 | 航空幕僚監部監察官 | 統合幕僚学校長 |
23 | 杉山蕃 | 1990年 | 3月16日 - 1992年 3月15日防大4期 | 航空総隊司令部幕僚長 | 航空幕僚副長 |
24 | 朝倉範夫 | 1992年 | 3月16日 - 1994年 6月30日防大5期 | 統合幕僚会議事務局第3幕僚室長 | 航空支援集団司令官 |
25 | 武田清 | 1994年 | 7月 1日 - 1995年 6月29日防大8期 | 航空幕僚監部人事教育部長 | 航空支援集団司令官 |
26 | 竹河内捷次 | 1995年 | 6月30日 - 1997年 3月25日防大9期 | 航空幕僚監部防衛部長 | 航空支援集団司令官 |
27 | 細稔 | 1997年 | 3月26日 - 1998年 6月30日防大9期 | 飛行開発実験団司令 | 退職 |
28 | 岩﨑克彦 | 1998年 | 7月 1日 - 1999年12月 9日防大11期 | 統合幕僚会議事務局第3幕僚室長 | 航空支援集団司令官 |
29 | 津曲義光 | 1999年12月10日 - 2001年 | 3月26日防大13期 | 航空幕僚監部装備部長 | 航空支援集団司令官 |
30 | 香川清治 | 2001年 | 3月27日 - 2003年 3月26日防大14期 | 統合幕僚会議事務局第3幕僚室長 | 航空支援集団司令官 |
31 | 新野修 | 2003年 | 3月27日 - 2006年 3月26日防大16期 | 航空幕僚監部防衛部長 | 航空教育集団司令官 |
32 | 菊川忠継 | 2006年 | 3月27日 - 2007年 3月27日防大18期 | 航空総隊司令部幕僚長 | 航空幕僚副長 |
33 | 入澤滋 | 2007年 | 3月28日 - 2009年 3月23日防大18期 | 第8航空団司令 兼 築城基地司令 |
退職 |
34 | 彌田清 | 2009年 | 3月24日 - 2010年 7月25日防大21期 | 航空幕僚監部監理監察官 | 航空自衛隊幹部学校長 兼 目黒基地司令 |
35 | 齊藤治和 | 2010年 | 7月26日 - 2011年 6月30日防大22期 | 統合幕僚監部運用部長 | 航空総隊副司令官 |
36 | 重久修 | 2011年 | 7月 1日 - 2012年 7月25日防大22期 | 航空総隊司令部幕僚長 | 退職 |
37 | 若林秀男 | 2012年 | 7月26日 - 2013年 8月21日防大23期 | 航空救難団司令 | 退職 |
38 | 森本哲生 | 2013年 | 8月22日 - 2014年 8月 4日防大25期 | 航空開発実験集団司令官 | 航空幕僚副長 |
39 | 尾上定正 | 2014年 | 8月 5日 - 2016年 6月30日防大26期 | 航空自衛隊幹部学校長 兼 目黒基地司令 |
航空自衛隊補給本部長 |
40 | 城殿保 | 2016年 | 7月 1日 - 2018年12月19日防大29期 | 航空幕僚監部人事教育部長 | 航空教育集団司令官 |
41 | 森川龍介 | 2018年12月20日 - 2019年12月19日 | 防大31期 | 航空教育集団司令部幕僚長 | 航空開発実験集団司令官 |
42 | 深澤英一郎 | 2019年12月20日 - 2021年 | 9月29日防大30期 | 航空幕僚監部監理監察官 | 退職 |
43 | 安藤忠司 | 2021年 | 9月30日 - 2023年12月21日防大33期 | 内閣官房国家安全保障局内閣審議官 (内閣事務官 兼 空将補) |
航空教育集団司令官 |
44 | 亀岡弘 | 2023年12月22日 - | 防大35期 | 航空救難団司令 |
脚注
編集- ^ 北部航空方面隊ホームページ > 北部航空方面隊の活動 > 活動状況
- ^ “新編の北部高射群、空自三沢で編成完結式”. デーリー東北デジタル (2023年3月16日). 2023年3月17日閲覧。