仁右衛門島
仁右衛門島(にえもんじま)は、千葉県鴨川市太海の沖合約200mにある島。全島砂岩よりなる周囲約4kmの島で、千葉県では最も大きな島かつ唯一の有人島である。源頼朝や日蓮の伝説で知られ、個人所有ではあるが千葉県指定名勝となっているほか、新日本百景にも選ばれている[1][2]。
仁右衛門島 | |
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所在地 | 日本千葉県鴨川市 |
所在海域 | 太平洋 |
座標 | 北緯35度4分36秒 東経140度6分16秒 / 北緯35.07667度 東経140.10444度座標: 北緯35度4分36秒 東経140度6分16秒 / 北緯35.07667度 東経140.10444度 |
面積 | 約0.03 km² |
海岸線長 | 約4 km |
プロジェクト 地形 |
初代島主・平野仁右衛門の名に因み、この名前になったといわれている[3]。なお、北部に江戸時代に建立された蓬島弁財天祠があり「蓬島」の別名があったともいわれる[3]。
伝説
編集治承4年(1180年)、石橋山の戦いに敗れた源頼朝が安房に逃れた際、島主の仁右衛門に助けられ、この島で平家軍から一時身を隠し、再挙を図ったと言い伝えられる[3]。このとき仁右衛門に頼朝から「平野」姓と島周辺の漁業権が与えられたという[3]。歴史的資料は元禄16年(1703年)の地震で消失してしまい詳細は定かでないが、島は個人所有となっており平野家がこの島を守り伝えている[2][3][注釈 1]。
島の東部には、石橋山の戦いに敗れた源頼朝が、夜襲を避けて潜伏したとされる洞窟や、日蓮が朝日を拝したと伝えられる神楽岩があり、正一位福女稲荷大明神が祀られている[5]。
島主の平野家家屋は海沿いにあったが、元禄地震の影響で宝永元年(1704年)に島の中央に建て直され、築300年以上の建物として観光客に公開されている[3]。
植生
編集夏涼しく冬暖かく、四季を通じて植生が豊かで花が咲き乱れる。特にキンギンナスビ(金銀針茄子)という珍しい植物をはじめ、イソギク、ハマカンゾウなどの海浜植物、ソテツなどの暖地性植物も豊富に見られる[5]。
地理
編集- 鴨川市太海浜445
- 面積約0.03km2
- 標高 不明
観光名所
編集- 神楽岩
- 島主(平野家)住居
- 芭蕉塚
- 亀岩
- 源頼朝のかくれ穴
交通
編集JR内房線太海駅より徒歩12分、太海漁港の乗船場より手漕ぎの渡し舟[注釈 2] で約5分。1350円、中学生1050円、5歳~小学生950円(往復乗船料、島の観覧料)。午前8時半から午後5時まで随時運行。
1971年公開の映画『ガメラ対深海怪獣ジグラ』には、この島が登場するシーンがある。古風な服装をする島民を見て主人公たちはタイムトラベルをしたと勘違いするが、島民はラジオを携行しており、島に関する伝承も紹介されている。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “路線バス(館山・鴨川線)で行く南房総の旅(平日・土曜日)”. 南房総市. 2024年8月25日閲覧。
- ^ a b “きずな 2011 秋・冬号 No.3”. 京葉銀行. 2024年8月25日閲覧。
- ^ a b c d e f 小林希. “800年を超える一島一戸の歴史 仁右衛門島(千葉県鴨川市)”. 産経新聞. 2024年8月25日閲覧。
- ^ 『仇討ち事件と房総のアワビ漁』(北総ふるさと文庫)飯高秀二著 2006.9
- ^ a b 千葉県教育委員会・鴨川市教育委員会 平成7年11月20日現地看板