チシマザクラ千島桜学名Cerasus nipponica var. kurilensis (Miyabe) H.Ohba)はバラ科サクラ属の落葉広葉樹のサクラ日本に自生する10もしくは11あるサクラ属の基本野生種の一つのタカネザクラ[8][9][注釈 1]の下位分類の変種のサクラ。

チシマザクラ
千島桜
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
: サクラ属 Cerasus
: タカネザクラ C. nipponica
変種 : チシマザクラ var. kurilensis
学名
Cerasus nipponica (Matsum.) Masam. & S.Suzuki var. kurilensis (Miyabe) H.Ohba (1992)[1]
シノニム
和名
チシマザクラ(千島桜)
英名
Kurile cherry

特徴

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千島列島南部、北海道、本州の中部地方の標高1500mから2800m付近の山岳地帯に自生し、名は千島地方に因んだ。標高が高く風の強い場所ほど樹高が低く、平均は0.5-5mほどだが、低地の環境が良い場所では稀に10mを超える高木に育つこともある。タカネザクラの変種でタカネザクラとの違いは葉柄花柄、萼筒に毛がある点だが、毛の有無による分類は適当ではなく再検討が必要との意見もある。直径2-3cmほど小輪から中輪の一重咲きで花を1-3個ほど散形状につけ、花弁の色は淡紅色。は卵状楕円形。北海道根室市では日本で唯一桜の開花予想に用いられる標本木に採用されていた。根室市の清隆寺明治時代国後島から移入されたチシマザクラが植栽されている。根室市の花期は5月下旬となり日本の施政権が及ぶ平地では最も遅く開花する[10][11]

関連項目

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  • オオヤマザクラ - 札幌から南西側を除いた北海道の桜の開花予想の標本木に用いられる北海道の代表的な野生種のサクラ。別名エゾヤマザクラ。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 大場秀章 1992, p. 276–281.
  2. ^ Miyabe, K. 1890. The Flora of the Kurile Islands. Memoirs of the Boston Society of Natural History 4 (7): 203–275.
  3. ^ Koidzumi, G. (1909). “Notes on Japanese Rosacæ : Continued from p. 174 (英語). 植物学雑誌 (日本植物学会) 23 (273): en175-en184. doi:10.15281/jplantres1887.23.273_175. ISSN 0006-808X. https://doi.org/10.15281/jplantres1887.23.273_175. 
  4. ^ H. Takeda (1910). “Beiträge zur Kenntnis der Flora von Hokkaidô” (英語). 植物学雑誌 (日本植物学会) 24 (276): en7-en13. doi:10.15281/jplantres1887.24.276_7. 
  5. ^ Wilson, E.H. 1916. Cherries of Japan., Cambridge.: 1–68.
  6. ^ The International Plant Names Index.: Cerasus kurilensis
  7. ^ 正宗厳敬・鈴木重良. 1936. 「日本産サクラ属の学名に就いて」『台北農林学会報』 1 (3): 316-318, NDLJP:1512447.
  8. ^ 勝木俊雄『桜』, p. 13-14
  9. ^ 紀伊半島南部で100年ぶり野生種のサクラ新種「クマノザクラ」 鮮やかなピンク 森林総研 産経ニュース 2018年3月13日
  10. ^ 勝木俊雄『桜』, p. 173-176
  11. ^ 高嶺桜 日本花の会 桜図鑑

参考文献

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外部リンク

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