スズカケノキ
スズカケノキ(篠懸の木[2]・鈴掛の木[2]、学名: Platanus orientalis)は、スズカケノキ科スズカケノキ属の落葉高木。街路樹や公園樹として植えられる。スズカケは鈴懸[3]、鈴掛、篠懸などと書き、この木の果実の形状が、山伏が胸にまとう装束「結袈裟」にぶらさがっている装飾的な球形の房(通称「鈴懸」、正式名称「鈴梵天」)に似ていることに由来する。
スズカケノキ | |||||||||||||||||||||
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Platanus orientalis(ギリシャ、2006年9月16日)
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||
LOWER RISK - Least Concern (IUCN Red List Ver.2.3 (1994)) | |||||||||||||||||||||
分類(APG III) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Platanus orientalis L. (1753)[1] | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
スズカケノキ(鈴掛の木、篠懸の木)、プラタナス | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
oriental planetree、Oriental Plane |
属の学名であるプラタナスと呼ばれることが多いが、日本で見かけるプラタナスは、本種よりもモミジバスズカケノキであることが多い(後述)。
分布・生育地
編集原産地はアジア西部[4]。バルカン半島からヒマラヤにかけての地域が原産地である[2]。日本への導入は明治年間とされる[3]。
特徴
編集落葉広葉樹の高木で[4]、樹高は約10 - 30メートル (m) に達する[2]。樹皮が、薄片になって斑に剥げる特徴を持つ[2]。枝は緑色を帯びた褐色で、皮目がまばらにある[2]。葉痕の上部にある托葉痕は枝を一周する[2]。
葉は互生で[4]、葉身はカエデに似ていて大きく、掌状に5 - 7裂し、裂片には鋸歯がある。スズカケノキの仲間(プラタナス)では、葉は切れ込みが一番深い[2]。葉柄の基部に小さい托葉がある。
花期は春(5月)で[4]、花は淡黄緑色で、雌花、雄花を、別々の葉のつけ根の頭状花序につける。
果期は秋(10月)[4]。果実は集合果で、晩秋、長い柄の先に痩果が多数集まった3.5センチメートル (cm) [5]ほどの球形果を、1本の果軸に3 - 4個連なって下垂するのが特徴[2]。
冬芽は葉柄内芽で、赤褐色でやや光沢があり、先端は丸みがあり、芽鱗1枚で無毛である[2]。葉痕は冬芽を取り囲む[2]。
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樹皮
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葉
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花
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果実
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種子
保全状況評価
編集- LOWER RISK - Least Concern (IUCN Red List Ver. 2.3 (1994))[6]
利用
編集成長が早い[5]ため、街路樹や庭園樹として利用されてきた。プラタナスは、ニレ、ボダイジュ、マロニエと並び、世界四大街路樹の一つに数えられる[4]。日本では街路樹として、モミジバスズカケノキ が多く使われる[7]。モミジバスズカケノキは、スズカケノキとアメリカスズカケノキとの雑種である[3]。
文化
編集「篠懸の花」は春の季語。
スズカケノキの花言葉は「天才」[8]「非凡」[4]とされる。この花言葉は、古代ギリシアにおいて、アテネにあるプラタナスの並木道の木陰で、哲学者たちが哲学などを説いたことに由来する[8]。
脚注
編集- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Platanus orientalis L. スズカケノキ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 223
- ^ a b c 田中潔 2011, p. 118.
- ^ a b c d e f g 田中潔 2011, p. 119.
- ^ a b 波田善夫. “スズカケノキ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学. 2011年11月28日閲覧。
- ^ World Conservation Monitoring Centre (1998). "Platanus orientalis". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2.3. International Union for Conservation of Nature.
- ^ 日比谷花壇|ロマンの会 Archived 2008年5月27日, at the Wayback Machine.(アメリカスズカケノキとモミジバスズカケノキの葉の違いを解説)
- ^ a b 北嶋廣敏『「緑」の雑学事典 : 野菜・果物・草花・樹木304』グラフ社、2009年。ISBN 978-4-7662-1223-5。
参考文献
編集- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、223頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 田中潔『知っておきたい100の木:日本の暮らしを支える樹木たち』主婦の友社〈主婦の友ベストBOOKS〉、2011年7月31日、118 - 119頁。ISBN 978-4-07-278497-6。
- 茂木透 写真『樹に咲く花 離弁花2』高橋秀男・勝山輝男 監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、10-11頁。ISBN 4-635-07004-2。