キンセンカ
キンセンカ(金盞花、学名:Calendula officinalis)は、キク科の植物。別名はカレンデュラ、ポットマリーゴールド[注釈 1]。 最盛期は3月~6月。
キンセンカ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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キンセンカの花
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Calendula officinalis L. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キンセンカ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Pot Marigold |
概要
編集原産地は地中海沿岸。北アメリカ、中央アメリカ、南ヨーロッパなどで栽培されている。春咲き一年草として扱うが宿根草タイプは冬を越すので「冬知らず」の名で市場に出回る。
葉は長さ5〜18センチメートルの単葉、しばしば荒い毛が生えている。花径10cmほどでオレンジ色や黄色の花を咲かせる。花容は一重、八重、また中心に黒のスポットのあるものと多彩。
観賞用のほか食用品種(食用きんせんか、カレンジュラ)もある[3]。日本では観賞用として花壇などに植えられるが、ヨーロッパでは原種はハーブの1つに数えられるエディブル・フラワー(食用花)である。
キンセンカの軟膏は火傷からにきびまで幅広い皮膚のトラブルの治療薬になると考えられている。「貧乏人のサフラン」、「エジプトサフラン」と呼ばれるように、花弁がサフランの代用品として利用されることが多い[4]。
栽培
編集種まきは秋か早春にするが、寒冷地以外は秋まきが普通である。18-25℃の気温下では種まき後5日ほどで発芽する。土は選ばないが酸性土壌では育ちが悪く、弱アルカリ性の土壌を好む。また日当たりを好む。茎は直立性で20cmから1mの高さ。よく分枝するので、切り戻してそれを促す。開花期間は春先から初夏である。栽培は容易であるが、うどんこ病、アブラムシが発生する。
人間との関わり
編集トウキンセンカ(カレンデュラ)の学名「Calendula」は、「月の初めの日」という意味のラテン語で、カレンダーの語源となっている。
キンセンカの花ことばは「別れのかなしみ」。これはギリシャ神話の、太陽神アポロンとクリムノンの物語に由来する。
太陽神アポロンとクリムノンは相思相愛だったが、二人に嫉妬した雲の神が空を8日間覆いアポロンを隠してしまった。8日もアポロンの姿がみえない事に絶望したクリムノンは、ショックのあまりに痩せ衰え死んでしまう。9日ぶりに姿を見せた太陽神アポロンは、愛するクリムノンを不憫に思い、死体をトウキンセンカに変えたという[5][6]。
脚注
編集注釈
編集- ^ 一般にマリーゴールドと呼ばれる植物は、Tagetes属のアフリカン・マリーゴールド(Tagetes erecta、和名:センジュギク)、フレンチ・マリーゴールド(Tagetes patula、和名:コウオウソウ)などであるが、キンセンカはこれらとはまったく別属の植物である。Tagetes属の植物は春蒔きで、食用には適さない[1][2]。
出典
編集- ^ 武政 1997, pp. 189–190.
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) ,「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)、2015年5月18日閲覧
- ^ “食用花類 Edible flowers”. 農林水産省. 2022年2月23日閲覧。
- ^ サンティッチ,ブライアント 2010, p. 255.
- ^ “【ハーブ辞典】トウキンセンカ(カレンデュラ)”. (株)ネイチャーズウェイ (2023年11月29日). 2024年7月13日閲覧。
- ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、240頁。
- ^ フリーマン 2009, p. 72.
参考文献
編集- バーバラ・サンティッチ; ジェフ・ブライアント 著、山本紀夫 訳『世界の食用植物文化図鑑』柊風社、2010年。ISBN 9784903530352。
- 武政三男『スパイス&ハーブ辞典』文園社、1997年。ISBN 4893361015。
- マーガレット・B.フリーマン 著、遠山茂樹 訳『西洋中世ハーブ事典』八坂書房、2009年。ISBN 978-4896949254。