概要
VR環境での視覚、聴覚だけではなく、他の感覚もユーザに呈示すると没入感が高まる事が広く知られています。
たとえばOculusRiftでジェットコースター系のデモをするときに扇風機を使うと怖さが増える等です。
今回僕は乗り物(ロボット)に乗るVRシステムを作成し、その過程で振動ユニットを使いました。体験者からのヒアリングで、結構いい感じだったと言われたので使い方を少し書きます。
.@izm さんの めかしむ☆凄かったです。こういうスティックとフットペダルで、さぞかしロボ操縦感あるだろうな…っと予想はしていましたが、まさか1番ロボを感じる要素がケツに仕込まれていたとは…。椅子裏の振動による臨場感凄い。
https://t.co/gHJD7mJNLc
— 栗坂こなべ@関西ゲーム制作部(仮)部長 (@kurisaka_konabe) 2014, 10月 12
振動ユニットとは
太鼓やバスドラム等は生音で聴くと体が振動します。また2.1ch環境のサブウーファーもブルブル震えます。今回話す振動ユニットと言うのは大雑把に言うと可聴音は出ないサブウーファーを椅子などに張り付けて、低音が流れた時に振動させる。と言う物です。
基本原理はスピーカーと同じなので、雑に言うとワット数が高いほどパワーがあります。 今回は上海問屋の振動ユニットを使いましたが、他の類似製品でも基本的には同じです。
(うーん、実はこの製品、安価でパワーあってイチオシだったのですが、完売してしまいました…OEM元は新しい型を売ってるので、また上海問屋さんで扱ってほしい…)
上海問屋で売ってて売り切れた振動スピーカーユニット
http://t.co/J9jaOhAc6O
Sinus Live Bass-Pump IIがOEM元で、更にパワー上がってるIIIが30ユーロ程度、しかし国外メインの製品で送料が…
http://t.co/TjqZy6gkOR
— izm@ 10/11-12大阪でめかしむ (@izm) 2014, 10月 13
接続設定
普通は例えば5.1ch環境のサブウーファーに追加して振動ユニットを付けたりする訳ですが、VR環境の為に多少配線を変えます。
- 体験者はヘッドホンで音を聞く(適切な音量)
- 振動ユニットは、なるべく大きく振動させる
と言うのが目指すところになります。 適当にPCの根本から分岐させて
1.ヘッドホン側は音量を小さく出来る様に
2.振動ユニット側は音量を大きく出来る様に
しています。以下に雑な配線例を図示します
展示で使う際のノウハウ
- 例示したLepai LP-168HAはサブウーファーのカットオフ周波数フィルタが効かないので、人の話し声とかでもブルブル震えてしまう。もっと良い選択肢があるはず。
- 椅子は座面のクッション性が良いと、振動を吸収してしまう。今回は小学校の椅子と言う、座面が木の板で、直接振動が届くような物を使っています。
- 背もたれより座面に設置する方が効果が高い。
- 家でデバッグする時、階下の住人に怒られないようにする。
大事なこと
振動ユニットは、乗り物系コンテンツなら、ポン付けノンコーディングで「没入感を足す」(正確には「ただの椅子に座ってる感覚を打ち消す」)という効果があります。
例えばOculusのジェットコースターデモの風を足す時、「速度に応じた風量の変化がない」「風量が現実より少ない小さな扇風機」であっても、結構効果がありました。つまりこの手の視覚や聴覚以外の感覚は多少いい加減でも結構ちゃんと効果があります(そこから完全再現するまでは、凄く大変ですが)
どんどん変なデバイスとか使って遊んでいきましょう!