2010年 11月 28日
Hanne Vatnøy (ハンネ・ヴァットネイ) - 11/24 東京公演 |
Hanne Vatnøy (ハンネ・ヴァットネイ)の日本ツアー最終公演は 11/24 東京青山にある Eats and Meets CAY で行われた。
一週間に亘るツアーを経てHanne 達は最終公演日を迎えた。時差ボケによる疲労と初ツアーのプレッシャーは当然あったが、神戸・広島・大阪での関西公演ではそのつど丁寧に演奏していた。公演前のサウンドチェックとリハには時間をかけ、疑問のあるところや、改善できる部分があれば、細かに対応していた。普通のポップ・ロックバンドにありがちな力で押し切るところは一切ない。Hanne とバンドメンバーの一生懸命な姿が印象的だった。 バックメンバーの Edvard、Mats、Erik は皆本拠地であるノルウェー・ベルゲンにある音楽院の同窓生だ。Hanne の指名により、バックとして2月から本格的に活動している。音楽院でジャズを専攻するだけあって、演奏は的確、無駄のない、抑制のきいた渋めの演奏だと言っていい。これは表面的には目立たないが、大事な特徴だ。
Hanne の演奏は、CDで既に見られるように、ヴォーカルのメインラインとぶつからないよう、またバックの楽器と調和するよう巧みにアレンジされたものだ。今回はキーボード(全曲に使用、11/18公演のみピアノ)とシンセ(二曲に使用、Mac に音源2種あり)を使ったが、安定したリズム感とメリハリが感じられた。11/24 公演のみ、シンセが Korgのいいヴァージョンだったため、曲ごとにサンプリングされた「楽器」(例えば Fender Rhodes piano)を変えて演奏していた。会場によって臨機応変、見ていて安心する。 11/24 公演はツアー中最大の客席数で正直言って心配だったが、当日券もそれなりに売れ、Hanne の初ツアーを飾るのに相応しい形で終えることができた。ラジオで聴いた、勉強のために来たという音楽界の方々も見え、デビューしたてにもかかわらずHanne の音楽が高い完成度を持っていることが改めて感じられた。
Hanne がツアー中アンコールで常に歌ったのはノルウェー語の曲"Punktum Finale" だった。説明によると、「人は皆違う。他人と比べることは意味がない」という歌詞らしい。Hanne らしい、ストレートな表現で真理を語っている。一見、ピンク(オレンジ?)のファンシーなドレスに身を包み、いかにもポップ感ありなのだが、中身はハードコアの自己実現一直線、真理探究型と見た。既に歌詞にそれが垣間見えるのだが、二作目以降のアルバムでは、その方向で更に進化するだろう。ポップに包んだ哲学を目指すのか。大いに期待したい。
photos:前沢春美
一週間に亘るツアーを経てHanne 達は最終公演日を迎えた。時差ボケによる疲労と初ツアーのプレッシャーは当然あったが、神戸・広島・大阪での関西公演ではそのつど丁寧に演奏していた。公演前のサウンドチェックとリハには時間をかけ、疑問のあるところや、改善できる部分があれば、細かに対応していた。普通のポップ・ロックバンドにありがちな力で押し切るところは一切ない。Hanne とバンドメンバーの一生懸命な姿が印象的だった。
Hanne がツアー中アンコールで常に歌ったのはノルウェー語の曲"Punktum Finale" だった。説明によると、「人は皆違う。他人と比べることは意味がない」という歌詞らしい。Hanne らしい、ストレートな表現で真理を語っている。一見、ピンク(オレンジ?)のファンシーなドレスに身を包み、いかにもポップ感ありなのだが、中身はハードコアの自己実現一直線、真理探究型と見た。既に歌詞にそれが垣間見えるのだが、二作目以降のアルバムでは、その方向で更に進化するだろう。ポップに包んだ哲学を目指すのか。大いに期待したい。
by invs
| 2010-11-28 20:20
| Hanne Vatnoy