Mozilla、次期ブラウザー「Firefox 4」最初のベータ版を公開


Firefox 4ベータ1

 Mozillaは6日、次期ウェブブラウザー「Firefox 4」の初めてのベータ版となる「Firefox 4ベータ1」を公開した。Windows版、Mac版、Linux版がが用意されており、Mozillaのサイトからダウンロードできる。ベータ版は開発者やテスターを対象としたもので、一般の利用は推奨されていない。

 Firefox 4ベータ1では、外観デザインが変更されたほか、HTML5対応の強化、パフォーマンスの向上など、メジャーバージョンアップに伴う多くの改良が含まれている。

 外観のデザインで最も大きく変更されたのは、タブがデフォルトで上部に表示されることだ。現時点でこの変更はWindows版のみだが、Mac版とLinux版についても今後変更するとしている。

 また、Windows 7/Vista環境では、メニューバーが「Firefoxボタン」に置き換えられた。さらに、ストップボタンとリロードボタンが1つのボタンに統合され、ブックマークツールバーもブックマークボタンに置き換えられている。スマートロケーションバーについては、既に開かれているタブを検索して移動できるようになった。

 HTML5関連では、HTML5ビデオでWebMビデオフォーマットをハードウェアアクセラレーションを使用して再生できるようになった。また、新しいHTML5パーサーが搭載されている。

 アドオン関係でも変更があり、新しいアドオンマネジャーと、拡張機能管理用APIが搭載され、アドオンインストールを再起動なしで利用できる「Jetpack SDK」を使用した開発ができるようになった。なお、アドオンマネジャーのユーザーインターフェイスは、正式版公開前には変更されるとしている。

 また、Firefox 3.6.6に既に搭載されているクラッシュ保護機能も搭載されている。この機能はMac版では利用できなかったが、Firefox 4ベータ1ではMac版にも対応している。

 パフォーマンス向上の面では、ベータ1では起動時とページ読み込み時の応答性の改良に力を注いだ。開発チームでは、「これはFirefox 4のパフォーマンス改良の始まりに過ぎない」としている。

 そのほか、開発者向けの変更点としては、WebSockets、IndexedDB、Webコンソールの搭載が挙げられる。また、完全なWebGLサポートと、実験的なDirect2Dレンダリングバックエンド(Windows版のみ)も搭載されているが、デフォルトではオフになっているという。

 ベータ版としては珍しい試みも実践される。Firefox 4ベータ版には、フィードバックアドオンがバンドルされており、Firefox 4ベータ版の機能について、ユーザーが「良い」「悪い」の通知を、ウィンドウ右隅のフィードバックボタンをクリックすることでMozillaに送信できる。さらに、このアドオンには、Mozilla Labs開発の「Test Pilot」アドオンも含まれているため、Mozillaがユーザーの利用状況を匿名で把握し、次期ベータ版や正式版の開発に活かせるようになっている。なお、この匿名による情報収集は、フィードバックボタンの設定を変更することで、いつでもオプトアウトできる。

 Mozillaでは今後、2~3週間おきに新しいベータ版を公開していきたいとしている。


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(青木 大我 [email protected])

2010/7/7 11:53