7月に、たまたま立ち寄ったコンビニでミヤマカミキリを見つけ
その写真にたまたまキスジアシナガミゾドロムシが写り込んでいて
それを再度撮影しに行った、という記事を以前書きました。
このとき、その他にも見たことのないムシがいろいろいました。
その1つが、このカミキリ↓
家に帰って図鑑で調べたところ
タイリクフタホシサビカミキリというやつぽい。
ネットで検索すると、itaさんの詳しい記事が出ていたので
写真を送って見ていただきました。。。
このカミキリは国内では主にクワで見られているらしく
養蚕のクワで広がったのではないか、とのこと。
記録のある地域を調べてみると、たしかに!どこも養蚕が盛んであった場所。
なんかおもしろい…!
また図鑑には1970年代から見られるようになったとあり
そのあたりは、❓です。
なぜなら養蚕についてのわたしの勝手なイメージは
「大正~昭和にかけて最も盛んであったが、洋服が着物に
取って代わるようになった戦後から急速に衰退」
というものだったので。
なんで1970年ごろから見つかるようになったのか?
桑畑なんて、もうその時期には激減してたんじゃないの??
気になったので、養蚕、蚕糸業(主に群馬県の)等、調べました。
以下ちょっと長くなるかも…
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日本の蚕糸業
日本での蚕糸業は、戦後急速に衰退、ということはなくて
今回このカミキリを見つけた高崎市でいうなら、桑園率は1980年にMAXでした。
つまり1980年代を境に衰退していったようです。
そして日本の蚕糸業衰退のきっかけとなるキーワードはいくつかあり
「ナイロン」、「外国産」、「プラザ合意」など。
絹に取って代わるといえばレーヨンかと思いますが。ナイロンに押されたんですね。
プラザ合意による円高、は致命的だったようです。
国内で安い輸入品に負けたのと、海外への輸出も激減したということでしょう。
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桑
わたしの当初の想像とちがって、1980年代まで養蚕が盛んであったので
1970年にはまだまだ桑畑があり、場所によってはむしろ増えていました。
この時期に外国から持ち込まれた人気の桑種があったとすれば
「この種に乗って広がったのだな!」というのが分かって
そしたらすごいスッキリするのではないかと思い、調べてみました。
その時期に大陸から入ってきた人気種、というのはなかったのですが
「一ノ瀬」は積雪地帯と西南暖地以外で昭和30年代以降急速に広がった人気種で
山梨に原木があり、タイリクフタホシ…も山梨県で日本で初めて見つかっていることから
この「一ノ瀬」に乗って広がった可能性が高いのかなと。
原木にカミキリが入っていたというよりも
需要が増えたために接木で増やす→その際台木になっていた部分にカミキリが入っていて
台木から差穂の方に移った→それが広がった、と考えられるのでは。。。
想像の域を出ませんが、自分的にはちょっとすっきりしました。
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