カバンをを持ち歩くのが好きじゃないのでズボンのポケットに財布と携帯だけを入れて出歩くことが多かったのですが、最近では電子マネーがいい感じで普及してきて、JR西日本が誇るICOCAで関西圏のほとんどの電車とバス、コンビニで支払いができ、タクシーや飲食店、映画館などでも使えたりするので財布を持たずICOCAだけポケットに入れて出かけるようになりました。
携帯はiPhoneを使ってるのですが、残念ながらおサイフ機能は搭載されておらず携帯とカードを別々に持ち歩くのをめんどうに感じ、なんとか合体させれないかと思い、いんたーねっちょで調べて見るとICカードが入るiPhoneケースをオススメされました。
スティーブジョブズがケース嫌いだったという話はどうでもいいのですが、少しでも軽く小さくしたいのでカードを差し込むタイプの分厚いケースは避けたいところで、見た目がアレすぎるシールなんかも勘弁してほしいと思うわけです。
そんな中、iPhone自体にICカードを内蔵している人を何人か見つけることができました。
めんどくさそうだし工作もそんなに得意ではないので実践までになかなか踏み切れなかったのですが、やってみると意外と簡単にできちゃいましたよってことでこのエントリーを書いている次第です。
iPhone5には噂されていたNFCも搭載されず、ここで紹介する改造にも向かないというのも今更このエントリーを書く気になったきっかけです。
2012/11/12 追記
なんて書いていたらiPhone5にもICカード内蔵に成功されているかたからブコメでご連絡いただきました。
iPhone5にSUICA内蔵!(成功!) – World Digger
今回の工作でも参考にさせていただいたid:nanoha3さんのエントリです。
液晶パネル側に内蔵する方法で、パネルを外すことができれば比較的容易にできるようです。
用意するもの
iPhone4/4S iPhone5は分解もめんどくさいしバックパネルがアルミで出来てるのでこの改造には向きません。
ICOCA(Suicaでもなんでも)(500円)
ジクロロメタン溶液(アクリダイン#1)(500円ぐらい)
磁気防止シール(fluxGURAD)(1000円ぐらい)
FeliCaリーダー(PaSoRi)(現在4000円ぐらい)
星形ドライバー+iPhoneバックパネル(合わせて1000円ぐらい)
FeliCaリーダーは分解途中の電子カードを動作確認する為のもので必ず必要なわけではありません。電子マネー対応の自動販売機などがあればそこで確認できますが、めんどうなのと確定申告のeTAXにも使えるので持っておいてもいいかと思います。
Windowsでしか使えないのでリレットのほうがいいかもしれません。
バックパネルも買わなくてよいのですが、純正パネルを使う場合は背面の金属プレートを剥がす必要があり、その際にパネルが割れてしまう可能性がありますし、パネルを買うと星形ドライバーが付いてきますのでお得です。
サードパーティ製のパックパネルは金属プレートを剥がしやすいものが多く、純正を綺麗に保存しておきたい人は買っておいたほうがいいかと思います。
手順
ICOCAはよく見てみるとまあまあ薄いのですが、そのままiPhoneの中に組み込もうとしても分厚くて入りませんので、まずはカードの厚みを減らします。
ジクロロメタン溶液を使ってカードの樹脂を剥がし、中に入ってる基板だけを取り出します。
ジクロロメタンは揮発しやすいのでフタ付きのガラス容器を使います。
100円ショップにちょうどいいサイズのがありました。
念のためビニール袋に入れてICOCAとアクリダインを1本注入し12時間つけます。
塗装の部分を剥がすとその下の層の淵の部分は溶けてゴムっぽくなってると思うのでそれも剥がします。
ちょうどこの淵の周りに切れてはいけない回線が通ってますので無理をしないように。
もうめくれるところがなくなったらもう一度アクリダインにつけます。2本目入れたほうが楽に終わるかと思いますが1本目の残りにまた12時間つけこみました。
塗装部分が剥がれてる状態でつけこむと簡単に溶けてくれるので、ピンセットでポロポロめくる作業だけで基板だけを取り出せました。
この状態で一度FeliCaリーダーにかざしてチェックしてみると、見事残高1円が表示されます。
iPhoneに電子マネーを内蔵するとiPhoneからの電波干渉を受けてICOCAが正しく動作しないことがあるため磁気エラー防止カードを組み込む必要があります。
これも分解する必要があるのですが、こっちはシールを爪で剥がすだけなので簡単です。
側面から片面剥がして本体が見えたらそれをとっかかりにもう片面も剥がします。
本体は意外と破れやすいので注意しましょう。
flucGURADは裏表があるカードなのでPassと書かれた面に印をつけておき、その面と薄くなったICOCAを両面テープで貼り合わせます。
バックパネルの裏にこれを取り付けるわけですが、裏には金属プレートが貼ってあって、そのまま貼り付けるとプレートが電波の邪魔をしてICOCAが動作しないのでこれを剥がします。
薄いマイナスドライバーで下からめくっていくのですが、グレーに見える部分を削ると塗装が剥がれてしまいますのでテコを使わずに、ずっと上に向かって力を入れるのがコツです。パネルが割れないように力の入る場所に注意しながらゆっくりやりましょう。ドライヤーとかで温め塗装を溶かしながらやるといいです。
少しめくれたらペンチで剥がしていきましょう。
綺麗に剥がれたらここにICOCAを乗せてガラス面をFeliCaリーダーにかざして動作チェックします。
読み取れたら両面テープで貼りましょう。
後は組み立てれば完成です。これで見た目を損なうことなく電子マネーを内蔵することができました。
完成したらもう一度FeliCaリーダーに。
作業時間はジクロロメタンに漬け込む時間を除くと1時間かからないぐらいで、思ったより簡単です。
この後、コンビニでチャージ、支払い、電車の乗り降りを試しましたが無事に全て成功しました。
iPhone5に機種変するまで4ヶ月間使用しましたがiPhoneにも特に問題は起こりませんでした。4/4Sを使っている人でなんちゃっておサイフケータイ化したい人にはオススメです。
お疲れ様でした。
参考にした記事
^H: Suica内蔵のiPhoneを作ろう
お手軽にiPhone4SにSUICA内蔵(成功!) – World Digger
CRALA: Xperia Arc SO-01CにSuicaを内蔵させる