【30-7】ショートハンドプロパティになった font-variant
最終更新日:2019年07月03日 (初回投稿日:2018年05月26日)
CSS 3(Fonts Module Level 3)からの font-variantプロパティは、これまで見てきた複数の font-variant 関係のプロパティの「ショートハンドプロパティ」になりました。
以下のプロパティの値を一括指定できます。
・font-variant-capsプロパティ
・font-variant-ligaturesプロパティ
・font-variant-numericプロパティ
・font-variant-alternatesプロパティ
・font-variant-east-asianプロパティ
font-variant-positionプロパティの値はショートハンドに含まれていません。
CSS 2.1 での font-variantプロパティは、ショートハンドではなく、値は normal, small-caps の2つだけでした。(スモールキャップにするかどうかのプロパティだった)
この値は font-variant-capsプロパティで受け継いでいるので、ショートハンドの font-variantプロパティで指定しても大丈夫。CSS 2.1 での使い方をしても問題がないようになってます。
CSS 3(Fonts Module Level 3)では、font-variant 関係のプロパティが OpenType機能を有効化・無効化するためのプロパティになった。これが最大の変更点です。
参考:
・CSS Fonts Module Level 3 | W3C Candidate Recommendation
・font-variant - CSS | MDN
font-variantショートハンドプロパティの値
構文の中に「sub」「super」の値がないので、font-variant-positionプロパティの値はショートハンドに含まれていません。
font-variantプロパティの値 | |
---|---|
キーワード | normal:デフォルト値。 font-variant-caps, font-variant-numeric, font-variant-alternates, font-variant-ligatures, font-variant-east-asianプロパティの値を normal にします。 font-variant-ligatures の値はデフォルトの none になります。 |
none:font-variant-ligaturesプロパティ の値を none にします。 その他のプロパティは初期値の normal になります。 |
|
font-variant関連のプロパティの値は、すべて「キーワード」なので、あとは、指定したいプロパティのキーワードを「半角スペース」で区切って並べるだけ。 | |
構文 | normal | none | [ <common-lig-values> || <discretionary-lig-values> || <historical-lig-values> || <contextual-alt-values> || stylistic(<feature-value-name>) || historical-forms || styleset(<feature-value-name> #) || character-variant(<feature-value-name> #) || swash(<feature-value-name>) || ornaments(<feature-value-name>) || annotation(<feature-value-name>) || [ small-caps | all-small-caps | petite-caps | all-petite-caps | unicase | titling-caps ] || <numeric-figure-values> || <numeric-spacing-values> || <numeric-fraction-values> || ordinal || slashed-zero || <east-asian-variant-values> || <east-asian-width-values> || ruby ] |
グローバル値 | font-variant: inherit; 親の値を継承(コレ書かなくても継承するけど) font-variant: initial; 継承した親の値を解消しデフォルト値に戻す font-variant: unset; 値を解除。親から継承されてるなら inherit、継承されてないなら initial と同じ動作 |
どのショートハンドでも同じですが、ショートハンドで指定した値以外の値はすべてデフォルト値になります。
font-variant-alternatesプロパティの値の()内には @font-feature-values で特定した OpenTypeフォントの機能値の名前を入れますので、ショートハンドのときも、当然 @font-feature-values の指定が必要です。
font-variantプロパティを使ってみます
フォントは Mac はヒラギノ、Win は游ゴシック で指定しています。
(未指定)
Chapter One
親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間程腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。(坊っちゃん : 夏目漱石)
(font-variant: small-caps traditional proportional-width)
Chapter One
親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間程腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。(坊っちゃん : 夏目漱石)
Chrome(Mac)では下のように表示されました。
サンプルのHTMLです(font-variant はインラインで指定しています)
<div class="mihon">
<p>
<span>(未指定)</span>
<b>Chapter One</b><br>
親譲りの無鉄砲で(...略...)</p>
<p style="font-variant: small-caps traditional proportional-width">
<span>(font-variant: small-caps traditional proportional-width)</span>
<b>Chapter One</b><br>
親譲りの無鉄砲で(...略...)</p>
</div>
サンプルのCSSです。
.mihon {
color:black;
margin:1em 0;
border:solid 1px #ccc;
padding:0 1.5em
}
.mihon p {
font-family:'Hiragino Sans','Hiragino Kaku Gothic ProN','Hiragino Kaku Gothic Pro','Yu Gothic', '游ゴシック',sans-serif;
font-weight: 400;
font-size:1rem;
margin:15px 0;
text-align: justify;
}
.mihon p span {
font-size:15px;
color:#579961;
display:block;
margin:.2em 0;
font-variant: normal}
.mihon p b {
font-size:1.3rem;
color:#888}
次回予告
次回は font-feature-settingsプロパティを使おう。
これまで見てきた font-variant 関係のプロパティで使う OpenTypeフォントの機能を 機能タグ値(feature-tag-value)で直接指定することができるプロパティです。
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