乳児の遊び・関わり Vol.1 - 2011.04.11 Mon
今年度に入っていろいろ生活がかわってしまいました。
妻が職場復帰し、申請をだしていたのですがむーちゃんが保育園は入れず僕がみていくことにしました。
一応いま空き待ちなのですが、なんかもう一年のんびりみていくのもいいかな~という気持ちです。
なにしろ可愛い、楽しい、面白い。
良い関わりがもっとも生きてくる時期だしね。
そんなわけでこの一年おとーちゃん保育園でむーちゃんと楽しんでいこうと思います。
ただ楽しいんだけど、なかなかじっくりこうして文章を書ける時間がとれません。
ちょっと更新ペースがいままで以上に遅くなってしまうかもしれませんが、これからもどうぞよろしくおねがいします。
というわけで、保育園ではあまり直接みれない普段の親子の様子などを目にする機会がこの頃多くなりました。
そんなところからいろいろな気づきがありましたので、以前から書こうと思っていた乳児の遊びと合わせてこれから不定期でときどき書いていきます。
「乳児」というくくりはあいまいなのですが(保健・統計の分野では「乳児」は一歳未満をさすこともあります)、保育園でさす乳児は3歳未満児のことです。
3歳未満といっても学年的に3歳未満なだけで、誕生日が来てしまえば3歳になってしまうので3歳の子も含んでしまい、おおよそ3歳くらいまでの子供と考えてくれればいいかと思います。
ただ0歳は遊びもだいぶ違ってきますので、まあ1~3歳くらいの子を想定して書いていきます。
今回は砂場遊びについてです。
けっこう驚いてしまったのだけど、1歳くらいの子供をつれたお母さんで砂遊びをさせない人が多いことに気づきました。
何人かに、なんで砂遊びしないの?ってきいたところ、「砂を食べてしまいそう」「砂を投げるから」「お友達のものをとってしまうから」といった答えが返ってきました。
なんともったいない!
というより、1~2歳の子には砂遊びをさせなければいけません。
砂遊びのもつ役割はとても大きいのです。
なぜかはわかりませんが、砂遊びは情緒の安定をはぐくみます。
砂を手ですくってサラサラと指の間から落としたり、手でつかんだりすることが情緒を育てることと関わっているようです。
以前、積み木の話をしたところで3歳まではたくさん積み木を積んでは倒すことをしましょうと言いました。同じように2歳まではしっかり(もちろんそれ以降もですが)砂遊びをさせてあげましょうね。
情緒が安定すると、穏やかで関わり易い子になりますね。
その影響は計り知れません。
また、午睡について書いたところでは「午睡をしっかり取れる子は頭を使った遊びが出来る子」というのも書きました。
1、2歳の子は砂遊びをしながらとても頭を使っています。
子供の生活のルーティーンのなかに砂遊びもいれていると、生活リズムを作るのにも役立つかもしれませんね。
公園で会った「砂を食べてしまうから」と砂遊びをさせていなかった1歳の女の子の母子が、その公園でどんな風に過ごしているのかちょっと気になって見ていました。
1歳で興味津々な年頃なので、いろんなところへ行こうとするのだけど、ほとんどといっていいほど母親に止められて連れ戻されるの繰り返しばかりでした。
他にも1歳2ヶ月くらいの男の子の母子もやはり、どこかへ探索に行こうとするのを連れ戻されるばかりという状況でした。
せっかく楽しいはずの公園に来ているのに、子供からすると規制の積み重ねできっと満足感低いだろうと思います。
そして規制を重ねる関わりをしていると、子供はしたかったことをできなかったという抑圧がたまっていくので、余計に規制をされるような行動が増えてしまうという悪循環を生むのです。
砂遊びというこの時期最大の遊びをさせずに、逆のことをしてしまうのは本当にもったいない。
「砂を食べてしまう」というのは確かに一歳くらいではあることですが、それは食べないよと教えていけばいいだけのことなのだから、大人が先回りしてやらせないのは子供の力をみくびって、なおかつ子供の能力を損なっているということです。
それに5人も10人も見なければいけないわけでなく、我が子だけ見ているのだったら砂を食べようとするのは十分止められますよね。繰り返し口にいれてしまうとしたって、繰り返し教えていけばいいんです。
「砂を投げる」という行為もたしかにありますが、「投げると目に入って痛くなるから投げないよ」と伝えていけばいいことです。
簡単なことなんだけどおそらく本当の問題はそこではなく、「お母さんの自信」というものにあるのだろうと思われます。
子供がそうなってしまったとき、他の子に砂を投げてしまったり・砂を口にいれてしまったときに、どう言い聞かせたらいいのか、どう対応したらいいのか、自信がもてないからこそ先回りしてその事態を避けてしまっているのではないでしょうか。
「他児のものをとってしまうから」というのも同様のものでしょう。
失敗したっていいのに、うまくいかなくてもいいじゃない。
でもずっと避けていたら、後々もっとずっと対応の難しいことに、なんの経験もなくぶち当たることになってしまうよ。(そうなると子供のいいなりになる親になってしまいそう・・)
そうならないとしたって、子供から大事な経験を奪ってしまうよ。
友達の遊具をとってしまってもいいじゃない、それで怒り出すお母さんなんてあんまりいないでしょ。
同じ年頃の子供をもった親同士だもの、とったり取られたりされるのも子供の大事な経験なんだよ。
子供はそこから学んでいけばいいんだもの。
こういう様子の親子を何組も見かけました。
とっても多くてびっくり。
子供を囲っちゃうと、子供は伸びないばかりか力を奪ってしまうから、世のお母さんたちの多くがそうなら、あんまり子育てでがんばれとは言いたくないけど、ここはがんばったほうがいいね。
失敗もつまずきもちっとも悪いことじゃないから、いろいろやらせて挑戦させてみてね、親も子も。
そういえば読んだことないけど、昔「人生に必要なことは全て幼稚園の砂場で学んだ」という世界的ベストセラーがありましたね。たぶん今回の話とは関係ないだろうけど、どんなことが書かれていたのでしょう。こんど図書館ででもさがしてみよう。
たぶん次回は年頭に予告していた「乳児最大の遊び」について書こうかと思います。
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● COMMENT ●
へええ~
先月2歳になった息子ですが、変に神経質で、公園に行っても、手に少し砂がつくだけで手をはらいます。そんななので砂場遊びなんて、以っての外って感じです。。。
私も砂遊びさせたいので、私がやって見せてもイヤ~という感じで、滑り台オンリーです。
本人が嫌がる場合は、どうしたもんかと…
No title
うちの娘は砂場が大好きなんですが、近くに砂場がある公園がなくて・・・。
歩いて15分くらいのところにはあるのですが影がないのでかんかん照りの夏場、寒い冬はなかなかいけないのですが、春や秋などの気候がいいときにはよく行っています。
砂場に行けないときは何も育てていないプランターの土をお砂場~といって触らせていたら、公園の砂場に行こうか~と言うと「えぇ!!白砂場?!」と大喜び。
知らないうちに娘は黒砂場と白砂場という呼び名を作っていました( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
砂場での遊びは重要なんですね~。
「人生に必要なことは全て幼稚園の砂場で学んだ」
これ私も探してみます~~~。
おとーちゃん保育園・・・ということは今度はおとーちゃんが育児休暇を取ったということですか?
素敵です~~~。
へぶぶさん
砂遊びと情緒の関わりは不思議ですが、多動だったりする子ほど砂に対する執着みたいなのがはっきりしてきます。
なんか人間本来のプリミティブとでもいうような感覚と結びついているのかもしれませんね~。
僕も石とか木とか葉っぱとかそんなものを集めて利用したり、見立てたりして遊べるのが子供の遊べる力といえると思います。
今はりっぱなモノがあるがゆえにモノに対するこだわりとか、キャラクター商品の魅力でしばしば本来の遊びから離れたところで子供が振り回されていますね。
自信がないから子どもを囲うのかぁ
砂遊びは、情緒の発達にいいんですねー。大人の私でも、土の感触とかは、癒されるので、何だかわかる気がします。
でも、残念ながら、私の住んでいる団地の公園はすべて砂場がありません(泣)多分、市の管理が大変だからだと思いますが、砂場欲しいー。家では最近は土遊びをさせているのですが、砂のサラサラって感じはいいですよね!
そうそう、私の周りにも、犬のフンやタバコを触ったら怖いとか言って、砂場はおろか、外遊びもほとんどさせないママがいますね。おとーちゃんが、おっしゃる通り、1人なんだから見てれば止められるだろうと思うんですが…。その人は、子供にリードみたいなの付けるって言ってました。友だちながら、短絡的だなと思いました。危ないからさせないじゃなくて、危ないことは危ないと教えないといけないのではないのかと思いますが…。まあ、本人に言わせれば、そうする理由が山のようにあるみたいなので、子育てのポリシーについては、口に出さない方が無難だと、この一年でわかりました(苦笑)
何だか最後は愚痴っぽくなってごめんなさい。「汚い」「危ない」「面倒臭い」を思わないようにすれば子育てって楽しいのにな。残念ながら、周りはそんな人ばかりで、最近、他の子と一緒に遊ばすのが億劫になってきています…。
たいママさん
おそらくはこれから成長するにつれてそういうのもなくなって、普通に遊ぶようになりますから、それまでは個性だと思って認めてあげていっていいと思いますよ。
納豆がいくら身体にいいと言われても苦手な人は苦手なわけで、それはそれで個性なんですよ。
sacchinさん
本の名前は正確には「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」ロバート・フルガム著 河出文庫
でした。子育てとは関係ないエッセイですが、なかなか面白かったです。うっかり自分で買っていたのを忘れていて本棚にはいってました(笑)
おとーちゃん保育園生活たのしいです。
むーちゃん一人だと余力があるので、もう一人くらいあずかれそうな感じですよ~。
kyomiu さん
どういったところで通じない人には通じないのよ。これはもう保育士してて感じるジレンマのひとつだね。
だから言いたくても言えないってことがたくさんあるんだよね。
人によっては、というか多くの人が自分の子育てに意見されることは、自分自身を否定されているように感じるみたい。だから親切心から良かれと思っていったことが仇になったりすることあるからね・・・。
子育てを伝えていくことはほんとむずかしいよ。
No title
こういうお話、上の子の時に出会いたかったなあ。本当に上の子の乳児期については反省することばかりです。
今月で2歳になる下の子にどれだけ生かせるか、頑張ってみたいです。
実はその下の娘なのですが、一年前、1歳の今頃…外遊びに良い時期なのに、まったく公園遊びをさせてあげられませんでした。
上の子の初めての幼稚園に振り回されていまして…やれお迎えだ、保護者行事だ、熱出した、帰ってきても疲れて寝ちゃった、などなど、様々な理由でまともに外出しない春でした。
そして猛暑の夏、行事目白押しの秋、冷え込んだ冬。
気づけばおんぶしてばかりでまともに外で遊ばせていませんでした。悔やまれます。
なのでこの春、早速公園に連れて行って遊ばせました。幸い砂場も好きだし遊具も楽しんでいるのですが、困ったことにとにかく虫が大嫌い…アリを見ては逃げ回って泣き、テントウムシも「こわい!」と…。
犬猫鳥などは大好きなのですが。
個性で済ませることもできるかもしれませんが、じっくり外遊びを経験させなかったせいでこうなったのかも、と感じる気持ちの方が大きいので…。
明確な答えを求めているワケではないのですが、話を聞いていただきたくて書き込みました。
早く小さな虫も含めて土遊びの醍醐味、気づいてくれるといいなあ。
ろんさん
ただ成長・経験を重ねるうちにかならず子供の姿は変わってくるもんだよ。
いつか楽しめるようになるといいね。
砂場で遊ばせたくなりました
我が家は3歳長男、もうすぐ1歳長女の兄妹です。子供への声の掛け方や遊びのこと、とても参考になり、前より子育てが楽しくなりました。
砂場遊び、まさに例のお母さん達のように、小さい頃に『砂を食べると困るから』という理由で、そこからずーっとさせていませんでした。救いなのは、保育園では1歳クラスの時期によく砂場遊びをしてくれていて、息子が楽しむ様子を保育士さんからよく聞いていた事です。
記事を読んでから、砂場遊びさせるぞー!と公園を巡ってみたものの、他の投稿者さまと同じで、市の方針なのか、砂場のある公園が本当に見当たりません。
今、よく直径1メートルぐらいの容器に砂が入っていてフタができる簡易砂場?が売っているのですが、そんなのってどうなのでしょう?幸い我が家は田舎の一軒家なので庭はあるのです。一時、息子もよく砂遊びしたいと言って困っていた時期もありました。もう買いたい!と思うぐらいです。それから室内用の砂?⚫⚫サンドとか色々出てますが、そんなのでもいいのか悩んでしまいました。まぁ、お値段がちょっと…ですが。せめて下の子には…とも思うのですが、なかなか難しいところです。おとーちゃんは、どう思われますか?お忙しいと思うので、コメントスルーで結構ですが、いつか、万が一お時間あれば教えていただきたいです。
ところで、息子にはまさにア⚫パ⚫マンや戦隊モノの洗礼を受けてしまっているのですが、おとーちゃんのブログに出会ってから、少しずつそれらをフェードアウトしつつあります。夏頃から虫の魅力に取りつかれ、最近では休日は一緒に博物館や昆虫館、虫とりに出かける日々です。あまりにも色々な虫の名前を聞くので、図鑑を買って一緒に調べたりもしています。蝶やトンボ、セミの名前を知り、自慢げに大人に話してくる姿がとても可愛いです。すっかり虫とり小僧になりました(笑)
また、来月1歳になる娘の誕生日に、ワクブロックを選びました。実は、車で数分走ると、がりとんさんに行けるところに住んでいます。子供達を数回連れていき、一緒にお店のオモチャでも遊びましたが、息子は玉の道やカースロープにクギ付けで、何回も行きたいとせがまれます。下の子がビー玉でも危なくないぐらいになったら、ぜひ買ってあげたいと思います。(むしろ私が欲しいです)
おとーちゃんのおかげで、メディアに流されない良いおもちゃ選びができそうです。
これからも、お身体に気をつけて、育児にブログに頑張ってくださいね。
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そうですか、砂遊びは情緒の安定にいいんですか。。。
面白いですね。やはり地に足付いてるというか、自分の生活が
地に根ざしていると認識されるからでしょうかねぇ??
砂遊びと言えば、子どもを産んでから「お砂場セット」なるものの存在を
初めて知りました。私が子どもの頃、周りにそんな大層なものを
持っている子はいなかったように記憶しています。
それで「取る取られる」なんてことに皆神経を使わざるを得ない
状況になっているのかなぁ。。。なんてこともちょっと思いました。
そういう私もつい娘に買い与えてしまったのですが、娘自身は
あまり道具にはこだわりがないようで、なくても楽しそうに
遊んでいます。私も道具を出すのが面倒で、石で砂を掘ったり、
葉っぱで砂をすくったりなんてこともしばしばです。
昔はそこらへんに落ちてるゴミを活用してたこともあったようなww
そんなワイルドな遊び方ができる子どもになって欲しいとも
思いますね~
あと、砂場もフェンスで囲われてたり。。。昔の話ばかりしても
仕方ないですが、砂場で遊んでいてネコのフン見つけること
なんてザラだったなぁと懐かしく思います。そんなに神経質に
ならなくても、親世代は割とそんな感じで育ったんじゃないかなぁと
思うんですけどねぇ。
私が田舎育ちのせいかしら??