街のあかり

街のあかり [DVD]
監督: アキ・カウリスマキ
出演: ヤンネ・フーティアイネン.マリア・ヤンヴェンヘルミ.イルッカ・コイヴラ, アキ・カウリスマキ
メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
発売日: 2007/12/21

ヘルシンキの警備会社に勤めるコイスティネンは、同僚や上司に好かれず、黙々と仕事をこなす日々。彼には家族も友人もいなかった。そんな彼に美しい女性が声をかけてきた。ふたりはデートをし、コイスティネンは恋に落ちた。人生に光が射したと思った彼は、起業のため銀行の融資を受けようとするが、まったく相手にされなかった。それでも恋している彼は幸せだった。しかし、実は恋人は彼を騙していた。彼女は宝石泥棒の一味だったのだ…。
『マッチ工場の少女』『レニングラード・カウボーイ』などの秀作を世に送り出し続けるフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督作。本作のテーマは “孤独”。ひとりぼっちで生きる彼に起こる不幸はとても辛いものだけれど、彼は気づかないのだ、幸せの芽がすぐ側にあることを。切ない出来事のあとにジンワリ心に広がる希望、やはり“人生、捨てたもんじゃない”と思わせてくれる、やさしさで包み込むような物語が心地よい。ただコイスティネンを演じるヤンネ・フーティアイネンは友も恋人もいない寂しい男を演じるには男前過ぎる気もしたけれど。寂しそうな姿が実に絵になっていた。(斎藤香)

久しぶりに観た一本。友達も恋人もいないコイスティネン。無理して頑張るコイスティネン。古典的な演出で哀れなコイスティネンを表現し続けるこの映画、見ていてとても苦しくなりました。現実とはかくも無慈悲なものなのか・・・。彼に残された唯一ともいえる希望に、最後の最後で気づけたところに視聴者も救いを見出せばいいのかな?私は”人生、捨てたもんじゃない”と思えました。
アキ・カウリスマキの作品は初めて見ましたが、調べてみると同監督の作品には、この映画を含めた敗者三部作というものがあるらしいですね。「浮雲」と「過去のない男」・・・見なくちゃダメ?

関係ないけど、どうしてもコイスティネンが攻殻の2ndGIG第2話「飽食の僕 NIGHT CRUISE」に出てくるキノとダブって見えてしまいました。まぁヤンネはイケメンですが(笑)「俺は凡夫では終わらない!俺はやれる男だ!なのになぜ認めない!」理想と現実との齟齬に苦しむ姿はまさにキノよろしく冴えない平凡な男のそれですね。最後に救いがあっただけコイスティネンの方がましか?あぁそれにしても胸がかきむしられる・・・次はコメディ観ようっと。