herako’s diary

私のための私による私のブログ。整理したいことや、吐き出したいことを練り練りして書いてます。

センター試験が終わったら死のうと思っている人たちへ。

センター試験が終わったら死のうと思っている人たちへ。
私がそうでした。つまりいつも通り、私による私のためのブログです。

高校3年の秋にうつ病になり、高校に通うどころか引き篭もりになり、外にも出られずに一年浪人した。
予備校に通わせてもらいながら、次の受験を目指すことになったのだ。だが当然のことながら、まともに予備校になど通えはしなかった。

進学校に通っていたのに。私は勉強ができる人間なのに。そのはずだったのに。
文字の上を目が滑り、覚えたと思った単語はさっぱり記憶になく、計算の公式すら出てこなくてやっと思い出した公式に当てはめる数字が読み取れずに、机の前で時間だけが過ぎた。
予備校に通う体で家を出て、ひたすらゲームセンターのソファでぼうっとしていたこともある。そもそも家から出られなくて、それなら家で勉強しようとして、椅子に座っていきなり涙が出てきたこともある。まともに勉強などできる状況ではなかったのだろう。

それでも、なんとか時間と体調を見て本当に少しずつ、まるで何かの事故のあとのリハビリのように少しずつ机に向かう時間を増やした。1分、2分。日によって全く勉強のできる、できないは違った。本当に、勉強をするというよりはリハビリだった。
迎えたセンター試験の当日、人混みに顔を真っ青にしながら試験会場にたどり着いて、たどり着いたことでもはや精一杯で。その後のことは記憶にない。

このとき、私はどこの大学にも受からなかったら死のうと思っていた。
親に金を出してもらって、一年浪人までさせてもらった。親不孝にもうつ病などという恥ずかしい病気にもなり、そのことでも迷惑をかけている。このうえ、どこにも行けなかったら死ぬしかない。
こんなことを思っていた。
短い遺書を書き、残していくことになる本やその他持ち物の処分の仕方を決めて、樹海までの運賃を調べ、ロープを買い、心療内科でもらった睡眠導入剤をできる限り溜め込んだ。なんとなく、もうこれで私はいなくなるんだろうなと思っていた。



結果的に私は今の大学に受かり、こうしてだらだらと生きているわけだが。
週末がセンター試験だと聞いて、自分のことを思い出すいいきっかけだと思ってこうして書き出してみることにした。

あのとき死のうと思っていた私は、それまでに自分ができたことができなくなったことに苛立ち、そのことを恥じ、とにかく現状から逃れたかった。それまでに育っていた歪なプライドが、誰かに助けを求めたり、また自分ができないことを「できない」と認めることを許さなかった。なにより、明らかに病気だった。今なら、いや今でなければわからなかったことだけれども。

目の前にある一つの課題にぶつかって、そこで倒れてしまったとしても、そこで選択肢として転がっているものは「死ぬ」以外にも、ある。
本人にはなかなか見えなかったり気づけなかったりするかもしれない。けれど、確かにちゃんとあるのだ。そこでつまづいてしまったからといって、誰かに死ねと言われることもなければ、死ななければいけないと思いこまなくてもいい。
今であれば。例えばあのとき本当にどこの大学にも合格しなかったら、専門学校生、フリーター、通信教育、はたまた入院、身の振り方はなんとでもなるとあの頃の私に教えてやれるけど、そんなことはできないから。最後の道はできれば通りたくはないけれども。
死にたいと考えたことが無い人にはわからない感覚かもしれないけれど、どうしても書いておきたくて書く。

センター試験で、たとえうまくいかなくても、死ななくていい。
これまでどんなに成績が良くても悪くても、目標にしているところが高くても低くても、真面目にやってきてもそうでなかったとしても、ここで失敗したからって死ななくてもいい。
今なら私は当時の私に言える、よく頑張ったと。
寒いなか、よく家を出ました。朝早くから、よく起きました。すし詰めの電車のなか、よく耐えました。気分が悪かったかもしれないし泣きたかったかもしれないなか、よく食いしばりました。
しんどいなか、よく目の前の課題に挑みました。

私のために書くと言ったけれども、もし、万が一、私と同じようにこれに失敗したら死のうと考えている人がいたら、どうかこの記事が少しでもそこのあなたを引き止める何かになってくれればいいと思う。
大人が作った世界の中で、子供から大人になる途中のあなたがどれだけ苦しい思いをして明日を迎えるのか、この世界の大人はなんにもわかっていなかったりするんだ。だから、そんな大人が作った、大人に都合のいい試験のひとつやふたつであなたが死ななきゃいけない理由はどこにもない。

明日は寒いだろうから、どうかあたたかくして行ってください。頑張れとは言わないけど、遠くの方から応援しています。