Deno公式にアニメロゴが採用されたことと、許容的なリーダーの話
Denoの公式homepageに、拙作のロゴアニメが採用されました!https://t.co/iQyox3QK5D
— はっしゅろっく (@hashedrock) 2019年2月2日
Ryanへの質問回答のお礼として作ったものでしたが、公式に使いたいと言ってもらって感激でした😂 pic.twitter.com/3qYho3bUaL
この件についての経緯を書く。
先週、しゅうまいさんから「技術書典でDenoの薄い本書きませんか?」という呼びかけがdeno-jaのslackにあった。
もともと技術書典楽しそうだなと指をくわえて見ていたので、即飛びついたのだった。しかし、自分はそこまで技術に自信がない。
他のメンバーはDenoの深い部分について書きそうなので、
じゃあ「マンガでわかる~」シリーズみたいな感じで、イラストを交えて初心者向けの章を書こうかな?
と考えたのだった。自分は典型的な器用貧乏タイプで、空いてそうな役割があれば滑り込む感じのニッチ戦略が身についてしまっている。
漫画を描くとなると、Denoのマスコットを使いたい。こいつである。
かわいい。かわいいんだけど、名前もわからないし、そもそもこれは何なのか?首から下がどうなってるか不明。
…ひとまず、deno-jaコミュニティでは「チンアナゴ」と呼ばれていた。
作者に聞いてみよう
Denoのgitterには、作者のRyanさんを始めコミッタが常駐している。Issue立てるのは大げさだったので、チャットに質問を投下した。
DenoコミュニティでTech Book Festっていうイベント向けに、Denoのファンブックを作ろうと思ってます。イラストレーター(自称)なので、Denoのマスコットを本に書きたいんですが、マスコット使ってもいいでしょうか? あと、このマスコットの名前と作者、あと全体のデザインの資料があれば知りたいです。
絵をつけているのは、英語に自信がないからである。海外の人とのやり取りでニュアンスを汲み取れない事が多く、保険として絵を付けることが多い。
Ryanさんからすぐ返答が来た。
ロゴは恐竜だよ。"deno"は"dino"(恐竜)と音が似てるからね。 このロゴは、彼が「夜の雨の中に立って、ソフトウェア開発の闇の戦いにストイックに立ち向かう」様子を想像したんだ。 あと、Bertと私で作ったlibuvのロゴとも関連してるよ。
「夜の雨の中に立って、ソフトウェア開発の闇の戦いにストイックに立ち向かう様子」
えっ、そんなにシリアスな場面だったの!?背景の縦線、あれ雨!?
deno-jaの面々も、この回答を面白がって盛り上がった。 自分も、この設定ジンワリ来るな~と思った。 せっかくRyanさんが答えてくれたので、お礼として、絵を描いて贈ろうと思った。
その結果、これが生まれた。
(その時の気分でアニメーションにした)
チャットはフレンドリーな雰囲気だったので、盛り上げようと思って、作ったアニメーションをアップロードした。 下記は貼り付けたあと無限に褒められている様子。
これだけでもテンションが上がっていたのだけど、嬉しいことに、下記の提案がRyanさんからあった。
このアニメ、ホームページで使ってもいい?v0.3.0のリリースでロゴを更新したい。 あと、円形バージョン作ってくれない?
これは嬉しかった。ネタになればいいなと思っただけのものが、Denoのメインリポジトリに入る…!?
急いで週末に円形のgifアニメを作り、冒頭のツイートに至った。
思ったこと
前々から思っていたけど、Ryanさんの人柄が本当に良い。
DenoのPRを眺めると、大抵Ryanさんは「いいね!」「すごい貢献だよ!」みたいなテンションのコメントを残している。
もちろん事細かなコードレビューもあるのだけど、根本的な姿勢は「おおらか」で、コントリビューターを大事にしているなぁという印象。ほとんど褒めるし、他者の貢献に対して喜んでいるのが伝わってくる。
こういうおおらかさは、もちろんデメリットもあるとは思う。PRを取り込んだあとにRyanさんが自分で直すこともあるそうだし、Ryanさん自身Denoに大きな変更をカジュアルに入れる傾向にある。
余談になるけど、そもそもDenoのキャッチコピー自体が、もともと「A secure TypeScript runtime built on V8」だったのが「A secure JavaScript / TypeScript runtime built on V8」に代わり、つい最近「A new way to JavaScript」に変わってしまったという具合である。deno-jaの面々が「Denoとは一体…?」状態になっている。
ただ、今はおおらかさがコミュニティの雰囲気を良くする方向に作用している。
自分も、Ryanさんとコミュニティーがフレンドリーだったからこそ、お遊び的なものを贈ろうと思ったわけだし、堅苦しい雰囲気だったらマスコットについて聞けなかっただろう。こんな貢献方法があるなんて、思っても見なかった。
世の中は厳しくて、頑張りが無になったり、何なら逆に怒られたりなんてことがよくあるものだけど、のびのびと成果を残せるときには、こういう許容的なリーダーが近くにいたような気がする、と思ったのだった。
おまけ
要望があるんだけど、時々雷が落ちるようにしてくれない?
アッ、ハイ…頑張ります
完