「IT人材白書2011」概要、公開
IPAから「IT人材白書2011」の概要が公開されています。
主なポイントは、以下の通り。
※個人的に関心のないオフショアの項目は省略。
(1) IT人材の意識と環境、(4) 効果が確認されつつある産学連携による実践的教育、(5) 突出したIT人材の活用に個人的には関心があります。個人的な見解は、来週以降ここで(書ければ)書いてみたいと思います。
今日は1点だけ、(2) IT人材のグローバル化、について。
ここやその他で、何度も書いたり言ったりしてますが、外国語だけの問題じゃないのですよ。むしろ、それ以外がグローバル化における組織や個人の重要かつ本質的な問題なんですけど・・・。つまり外国語ができても、それだけでは国際的な競争優位には立てませんよ、ということです。
●「IT人材白書2011」のポイント
(1) IT人材の意識と環境
1)IT技術者の約半数にしか届かない勤務先の人材育成メッセージ
IT企業の47.3%が人材育成に関する全体方針を発信しているのに対し、それを認識しているIT人材は26.0%に留まる。また、IT企業の36.6%で経営層が個人のキャリア形成に関してメッセージを発信しているのに対し、それを認識しているIT人材は15.3%にすぎない。
2)将来のキャリアに不安があってもスキルを磨く行動に至らないIT技術者
「将来のために勉強したほうがいいことがわかっているが、なかなか行動に移せない」との問いに、「あてはまらない」と答えた、将来キャリアに不安を持つIT技術者は20.6%にすぎず、不安を抱えていても行動に至らない割合が高い。一方不安を持たないIT技術者では48.7%と、比較的行動に移していることがうかがえる。(2) IT人材のグローバル化
1)5,000名以下の企業に勤務するIT技術者にとってグローバル化は不安要因
調査対象の9割に相当する、従業員5,000名以下の企業に勤務するIT技術者の約6割は、グローバル化が自分にとって不利になると考えている一方で、5,001名以上の企業では53%が有利になると考えている。
2)IT技術者はグローバル化の流れを認識しているが、外国語習得への取り組みは低い。
・ 今後、業務で外国語を使うようになると考える割合は企業規模にかかわらず55%以上を占める。またその傾向は企業規模が拡大するほど上昇し、5,001名以上の企業で81%となっている。
・しかし実際の外国語習得の取り組み度合いは低く、IT技術者全体の28.0%が余り取り組んでいない、46.7%が全く取り組んでいないと回答している。<中略>
(4) 効果が確認されつつある産学連携による実践的教育
・ 産学連携による実践的教育の受講者のうち、就職後78.9%が「システム開発手法や開発プロセス」の知識・経験が同年代他者と比べて優れていると感じ、またIT分野における幅広い知識・経験についても受講者が同年代他者と比べ、過半数で優れていると感じている。
・実践的教育受講者のうち70.4%が「システム開発手法や開発プロセス」の知識が企業での実務に役立っていると感じている)。(5) 突出したIT人材の活用
本年初めて、IPAのIT人材育成施策の効果検証として、突出した人材の発掘・育成を目指した未踏事業の採択者へのアンケート調査を実施しました。
1)イノベーションを起こす突出したIT人材の活用を模索するIT企業
・ IT企業の49.7%で、突出した能力や技術を持つ人材の必要を感じている。しかし突出したIT人材が必要と答えた企業のうち55.8%が必要な人材を確保できていない。
・ 突出した能力を持つ人材を必要としている企業は「適切な処遇が困難」、「マネジメントする体制が未整備」等の課題を抱えている。
2)未踏人材の強みを活かすためには第三者の協力も有効
・ 回答のあった未踏採択者の73.7%が自らの強みを「独創性」、79.1%が「課題解決力」と答えている。
・ 「どのような活動で才能を社会に役立てることができるか」という問いには50.5%が「自らの知恵やアイディアを実現したモノや価値を作り出す」を一番に挙げている。
・「優先して交流したい相手は」という問いには「技術的な知識やスキルを有するパートナー」、「ビジネスの方向性を共有するパートナー」と答えている。
■「IT人材白書2011」概要は、ここからダウンロードできます。
<参考資料>
「IT業界におけるダイバーシティ(多様性)~ダイバーシティ(多様性)の観点から考察したIT業界における女性活躍」~(独)情報処理推進機構 IT人材育成本部 女性技術者キャリア改革検討委員会
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