どうらんの下に涙の喜劇人「NKJK」

小説家、眉村卓氏は、余命1年と宣告された妻に読ませるために、毎日一話の短編小説を書き続けました。5年間。1778話。
それは奥様の生前の頃から話題になり、「美談」と言う人もいれば「偽善」「はた迷惑」と評する人もいて、でも当の眉村卓にとってはそんな他人の思惑を気にしている余裕など無かったと、後に記しています。
「NKJK」(作・吉沢緑時)という漫画はそういう話です。不治の病に冒された幼馴染「富士矢舞」を笑わせることで、少しでも「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」を活性化させようと、それまで「お笑い」なんてほとんど見たことのないお嬢様育ちの女子高生「西宝夏紀」が悪戦苦闘する物語です。
舞の母親からの頼みとはいえ、病室で、病人の前で笑わせるために奇声を上げたり奇天烈な行動をすることが、どれだけ迷惑なことかを夏紀はよく判っています。「でもやる」んです。その結果は大半が空振りで、読む方はその滑った姿に苦笑したり、稀に成功した時に一緒に笑ったりという感じなのですが、確実に舞の病気は進行していて、無力感が夏紀を絶望に叩き落します。
特に、アイスのエピソードは、「可愛くて可笑しい話」で落とすことも出来たのに、最後のたった1ページで夏紀と共に目の前が真っ暗になる思いでした。
何もしないほうがいい。それも一つの考え方かもしれません。でも、人は思い出しかあの世に持って行けない。そして思い出は生きてる時にしか作れない。だからこそ夏紀の戦いは尊いのだと思います。

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車内プロファイル

片側3車線の大きい国道を車で移動中。右側の車線が切れて2車線になる所で黒の「AQUA」が合流できないでいたので、速度を落として合図を送りました。が、出ない。停車し再度合図を送ってようやく合流。こういう場合譲られた方はハザードでお礼の合図を送るのですが、それは無く、助手席の人影がこちらを振り向くのが見えました。
ここで前方の車に乗っている人を推理してみました。平日の昼、よく磨かれた黒の「AQUA」。合流に戸惑っていたのとハザードを出さなかったので運転者は初心者か女性。しかし初心者マークは無いので恐らく主婦で助手席は子供。母親が後ろの私が譲ったことを言って子供が振り返ったのでしょう。大人はそれぐらいのことではわざわざ振り返らない。
車は少し走って右折レーンに入って止まったので追い抜きがてらにチラ見したら予想通りでした。
こういう推理はある程度運転経験がある方なら、誰でも出来ると思います。しかし、こういう推理はコンピューターはとても苦手と聞きます。自動運転の実用化が現実になりつつありますが、やはりこういう経験と勘による判断を必要とする部分はどうしても難しいのかと思います。
完全な自動運転社会と言うのは、完全ゆえに一度瓦解したら大惨事になりかねません。それでも、歩行者や信号と言う要素の少ない長距離の高速道路などではドライバーの助けになって欲しいとも思います。

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アーモンド

黒木渚さんという方の曲で「アーモンド」というのが最近ラジオでよくかかり、「大予言」などから気になっていたのですが、久々にシンガーソングライター単体で惚れこんでしまいました。
"首に腫瘍のあるハトは 今日も時計台の下にいる"
という強烈な歌い出しの歌詞は、とても研ぎ澄まされていて、研磨を重ねた米から作られた一滴の大吟醸のようです。
昔から、歌詞に感動したり感銘を受けたりすることが多く、私の日本語の先生は中島みゆきさんと言っても過言ではないくらいなのですが、今は気になるアーティストや歌詞があったら、すぐに検索でき、PVが公式で発表されているのでいい時代になったと思います。
昔は、町のリサイクルショップの店頭のラジカセで一度聞いただけの曲をいつまでも覚えていて、断片の歌詞だけを頼りに本屋で探してレコード屋で探して図書館で探して…3年後にそれがみゆきさんの「御機嫌如何」という曲だと判った時は、本当に何か宝物にたどり着いたような感じがしました。
そういう思いをして何かに辿り着くということが無い、欲しいと思う前に、焦がれる前に全てをお膳立てされるというのは、楽で便利な反面、何か「生きる意欲」を奪っているようにも感じます。自分の体で掴み取ったものだけが血肉になる。

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火に手をかざす

この時期、お湯を沸かしたりしていると台所の寒さから、ついコンロの上に手をかざしてしまうのですが、ソデの長いものを着ていると、引火しそうで危ない。そして、その度に思い出される人と事件があります。
10年以上前だと思うのですが、大晦日の夜、1人暮らしお年寄りの女性が、カップそばを作ろうとして半纏に引火して焼死するという事件がありました。1人で迎えるお正月。せめてもの年越しにそばを作ろうとして引火した…のかもしれません。
20歳の頃、アシスタントをしていた頃に住んでいた木造のアパートの隣には年配の女性が独りで住んでいたのですが、この方が夜中に度々奇声を上げたりする人で、何度か話しかけたり挨拶してみたのですが、こちらの意図が通じていないと言うか、意志の疎通のようなものはほとんど出来ませんでした。旦那さんが入院している、その間だけここに住んで待っているというようなことを言っていたのですが、それも真偽は判りませんでした。
なにしろ隣で死なれたり火事を起こされても困るので、度々隣の様子を台所の小さく開けられていた窓から伺ったりしていたのですが、その台所にカップ麺の空き容器が沢山積まれていました。何かの容器に洗って残しておくというのは判るのですが、とうてい一人暮らしでは使い切れないような量が積まれているのを見て、なにか触れてはいけない部分を見てしまったような感じがしました。
私がそのアパートにいたのは2年間くらいなので、その後隣の女性がどうなったかは判りません。
ただ今まで覚えていたということは、この名も知らぬ隣人の事を、きっと今後も忘れないだろうと思います。そして、私のことも誰かが、私の想像も付かないような赤の他人が、私のことを覚え続けてくれているかもしれない。もしそうならば、孤独死しても孤独ではないような気がするのです。

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《クリード》―チャンプを継ぐ男―

少し前になるのですが映画『クリード』観てきました。「ロッキーシリーズの最新作にして、新たな伝説の始まり!!」と評判が良かったので期待して行きましたが、期待以上に大変面白かったです。
以下、少しネタバレを含みます。
ロッキーのライバルにして親友だったアポロ・クリードには隠し子がいました。名はアドニス。
父アポロはリングで死に、実母も幼くして死んだアドニスは施設を転々としては暴力沙汰を起こしていますが、アポロの本妻メアリーが彼を引き取ります。恵まれた家で高い教育を受け、いい会社に就職し、若くして昇進もするような何不自由ない生活を送っていたアドニスはある日突然仕事を辞め、メアリーの家を離れ、ボクサーを目指します。そしてかつての父のライバルであり親友だったロッキーに教えを請います。引退して完全に「街のレストランのジジイ」になっていたロッキーは始めは断るのですが、アドニスのしつこいくらいの情熱と、彼の中の才能、あるいは「血」に気付き指導を始めます。
私は丁度アドニスとロッキーの中間の世代なのですが、それでもどちらかと言うと年老いたロッキーの方の感情移入して観ていました。物語の途中、ロッキーはガンが見つかるのですが治療を拒否します。妻や友人、愛する者たちは皆死んで自分だけが残った今、延命して何になる、もう自分の人生は「あがり」でいい。という感覚はわかります。しかし、そんなロッキーに「俺も闘うからあんたも闘ってくれ!」と言うアドニスの気持ちもよく判ります。あんたは「あがり」かもしれないけど俺は「はじまり」なんだよ!という思い。病室で治療を受けるロッキーの隣で筋トレやシャドーをするアドニス。その姿は、ありえたかもしれない父と息子の姿のようでした。
アドニスは、生まれは色々ありつつも、恵まれた環境で恵まれた生活を送り、一人暮らしを始めてもすぐに恋人が出来るくらいの男なので、普通に暮らしていれば普通以上の幸せは約束されていたはずです。そんな彼がなぜわざわざボクサーという茨の道を選ぶのか。ラストの試合で苦境に立たされたアドニスにロッキーは問います「何のために闘う?」とアドニスは答えます「俺は過ちじゃない!」と。
闘わねばならない。どんなに恵まれていても、どんなに不遇でも、自分と言う存在を世界に示すためには、何人も闘わねばならない。アドニスとロッキー。ボクシングと病魔と闘う二人の闘士の姿に、強く励まされました。

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5分

小雨の降る中、ショコラを見送りました。葬儀屋さんがクララの時と同じ方が、この短期間に二度同じ家に来て頂くことになりましたが、変わらず丁寧に対応して頂きました。
焼き上がりの炉の中の匂いは、太陽の匂いがして、窓際で日向ぼっこをするのが好きだったショコラはいつもこの匂いがしていました。
猫でも人でも、亡くなってから「5分でいいから話したい」「あと5分抱きしめたい」と思ったりするものですが、その「5分」は生きている、この今だけのものなのです。明日その「5分」があるとは限らない。だからたかが5分と思わず、今この時を大事にしていきたいと思います。
写真は小春と(珍しく)仲良く寝ていたときのものです。
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ショコラ

この数日、風邪をこじらせてもの凄い咳で身動きもまま成らないような状態で、やっと回復してきたのですが、先月のクララに続いてショコラが急死してしまいました。
朝7時頃に水とご飯を上げた時には、いつもと変わらない感じだったのですが、昼頃に小春が変な鳴き方で呼ぶので、猫部屋に入ってみたところ、いつも定位置にしているダンボールの上で、眠るように死んでいました。
ショコラはクララと双子の兄弟で、昨年から甲状腺機能亢進症と診断され、投薬治療をしていて、症状は安定していたのですが、まさか一ヵ月後に後を追うことになるとは…
一応病院の先生にも聞いたのですが、前触れも無く急死するのは、脳関係、年齢的に腫瘍が考えられるそうです。前兆があればまだ何か手を打てたのかもしれませんが、脳の急な疾患は予防も見つけることも難しいそうです。
ショコラはクララと双子でありながら、柄も毛の長さも全く違っていて、とても人懐っこく大人になってもオッパイを吸うのが直らなくて、私の服によく吸い付いていました。甲状腺機能亢進症で、一時期少し痩せていたのですが、今は安定して毛並みも元のフワフワで立派なたてがみになっていました。
一気に2匹も失ってしまい、寂しくなります。1歳違いの妹の小春は長生きして欲しい…
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ゆうゆうワイド

世間ではここ数日、SMAPの解散騒動で揺れ、あまり熱心なファンでもない私もそれなりに衝撃だったのですが、それ以上に衝撃だったのがTBSラジオの看板番組、実に30年に渡って続いた「大沢悠里のゆうゆうワイド」が4月の改変で終了という報せでした。こちらは「!?」付ではなく決定で正式発表もあり、後任が伊集院さんというのまで決まっています。
私がゆうゆうワイドを聞き始めたのは、自分の連載を持ち始めた20歳くらいの頃でした。それまで深夜ラジオは聴いていましたが、アシスタントやアルバイトで一日中ラジオをつけているという生活になったのは、自分の連載を持ってからだったと思います。実に20年以上聞き続けていることになります。
降板は悠里さんが考えに考え、時間をかけて準備されたものなので、異を唱えることは出来ません。ただ「おつかれさま」と「ありがとうございました」だけしかありません。
そして、今後も負担の無い範囲で、例えば「女のリポート」と「お色気大賞」だけとかのコーナーだけでもまたお声を聞かせて頂けたらと思います。

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葬送

今日の午前、クララを火葬してもらいました。火葬車の無煙煙突から立ち昇る陽炎が正月の済んだ空に消えていきました。
焼きあがった姿を見て「ああ骨が太いな」と感じました。クララはオスということもありますが、ガッシリした体格の猫で骨も太かったのだと思います。
葬儀屋さんが作って下さるメモリアルフォトの写真を選んでいたのですが、結構な枚数があるにもかかわらず、動いてブレてるのが多く、じっとしてない子だったなぁと思い出されます。
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写真は、1年下の妹「小春」との珍しいツーショットです。遊んで欲しがる小春にうんざりしていたみたいです。

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大晦日

実に1年以上放置していたブログの久々の更新が訃報になってしまい、申し訳ありませんが、今日ウチの12歳になるオス猫のクララが永眠しました。
朝、コミケ最終日に向かう前にご飯と水をあげた時はいつも通りだったのですが、帰ってきたらこと切れていました。既に死後硬直していて、仲の良かったチャイが舐めたのか、毛が少し濡れていました。
今、双子のショコラは甲状腺機能亢進症でクスリを飲んでいて、もっと年上のウランちゃんもだいぶヨボヨボなのですが薬を飲んで暮らしています。なのに、元気で一番長生きしそうだったクララが先に逝きました。12歳と言うのはそれなりの年齢ですが、今朝まで元気にしてのに・・・原因を突き止めることも今更出来ないのですが、クララの母親も、同じように前触れ無く突然死でこの世を去りました。
クララは生まれてすぐに保護し、私がミルクと離乳食を上げて育てました。ちょっとわがままでガキ大将のような所がありましたが、私によく甘えてくる可愛い子でした。先日クリスマスにちょっといい缶詰をあげたら喜んで食べていました。
千葉に越して2年が経ち、ここでの生活では車の移動が多く、東京に住んでいた頃より事故死している猫に会うことが多く、今年は6匹の後始末をしました。つい先日も路肩で横たわっていた子を埋めたのですが、事故にしては外傷も出血も無く、そこそこの年齢の子だったので、似たような突然死だったのかもしれません。
先日私は41歳になり、今年は厄年だったのですが、大きな事故や怪我、病気も無く過ごせたのですが、最後の最後の日にこのようなことになり、クララが厄を全て持って逝ってしまったようにも感じます。
最近はツイッターでの情報更新や近況報告が多くなって、ブログが放置状態になっていましたが、来年からまた、こまめに更新したいと思います。
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写真は12年前に保護して間もない頃のクララと、先月撮った最後の写真です。私の脇に顔をうずめています。

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連載とペース

「クロスアンジュ」が連載開始して、2ヶ月が経とうとしています。週刊連載…という形ではあるのですが、毎回のページ数が全く一定で無く、多い時は20ページ超えだったり、少ないと6ページだったりで、読まれている方も混乱しているかもしれません。

これは色々な理由があって、一口には言えないのですが、一つ大きな理由として、コミカライズ作品ということで作画に対しての意識が自分のオリジナル作品とは大きく変わったことが挙げられます。
当たり前なのですが、原作があるのでキャラクターのデザインなどを描きやすいように、楽なように変えるということは出来ません。また、エピソードに関しても、変えられない部分が大きく、自分の作品のときは「締め切りに間に合わせられるような話を作る」ということをしていたのですが、それも難しいです。
では、窮屈で不自由な仕事かと言うと、それも違います。自分で考えなくとも、既に用意していただいた設定を描くだけでいいというのは、楽でもあります。
そして、自分の裁量だけで描いていた自分のオリジナル漫画では、間に合わせるということに重きを置いて、ついつい無意識に手を抜いていた部分がありました。
「クロスアンジュ」では、そうでなく、やれる所まで拘りたい!と思ってやらせていただいてます。この作品を通して、今一度自分の漫画制作への姿勢を新しく出来たら…そう思っています。

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キンドル版

今年の夏から、私の古い作品のキンドル版の発売が始まりました。

「HappyWrld!」と「カケル」の2作が販売開始しています。また、一昨年連載されていた「レンアイガク」のキンドル版も出ています。
また、他のプラットホームでの電子版も多数出ています。
近年、よくネットなどで「漫画の単行本は発売1ヶ月以内に買わないと実績にならないし、作者にとってプラスにならない」と言われてます。それはその通りで、漫画の単行本の印税は一般的に刷った分が支払われるので、発売1年後に売れても得をするのは書店さんだけです。これは今の出版、流通のシステム上、変えようの無い現実です。
しかし電子版というのは、発売開始1年後に1冊売たら、1冊分の印税が作者に支払われます。
短期的な商売は紙の本で、長期的な商売は電子版でというのが、今後の出版界の生き残る道かもしれません。そして何より、月日が経っても、自分の作品を「読みたい」と思った人に、すぐ届けられるというのは、書き手としてはこれ以上なく嬉しいことです。

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視る目

朝、家族を駅まで車で送った帰りに、右折しようとしたら対向車線を高校生が自転車で走ってきました。急いで右折すれば十分間に合う距離だったのですが、高校生は急いでいた感じだったのと、私の後続がいなかったので、待つことにしました。そうしたら高校生はこっちに会釈をしながら通過しました。

たったそれだけのことなのですが、それだけで「今日も一日頑張るぞい」という気持ちになります。
車内と車外は、基本的に言葉が届かないので、挙動だけで相手にこっちの意思を伝えなければいけません。「私はあなたを視ています。確認しています。」という意思を。

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クロスアンジュ

こちらでの紹介が遅くなってしまいましたが、新連載がKADOKAWA「コミックウォーカー」で始まりました。

サンライズ製作の新作アニメ「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」のコミカライズを担当させていただくことになりました。
サンライズという名前は知らない人でも「ガンダムを作ったところ」と言えば通じるくらいに有名なアニメ製作会社で、私自身「ガンダム」以前の「ザンボット3」から最近の「ガンダムBF」「ラブライブ」まで長い間作品を楽しませていただいていました。そのサンライズの完全新作のコミカライズを描かせて頂くというのは、最初にお話を頂いた時は耳を疑い、ネームを描き、原稿にとりかかっても実感が薄かったのですが、ついにアニメのタイトルが発表になり、連載が始まったことで、今更ながらなんという大きな仕事を任されたのだろうと身震いしています。
子供の頃、バルキリーやZガンダムのプラモデルを組み立てては遊び、バイクが変形するロボットを描いたりしていたことが、30年近く経ってこのような仕事に結びつくことになるとは…
連載はまだ始まったばかりで、物語の入り口しか描かれていませんが、毎週日曜更新なので、ぜひとも毎週読んで頂けたらと思います。
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写真は、先週首都圏のJR社内で張り出された「コミックウォーカー」の広告です。自分の描いた絵がここまで大きく扱われるのは初めての事です。沢山の方から「ポスター見たよ」と言って頂けました。

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キュウリ二本

コンビニにメール便を出しにいく途中で、おじいさんが電動カートに乗っていたのですが、長くビニールの紐を引きずっていて、見ると車軸に絡んでいる。おじいさんは気付いていない。さすがに危ないので呼び止め、取ろうとしたのですが、絡んでなかなか取れない。すると「これで切ってくれ」と錆だらけの鎌を差し出すおじいさん。どうにか鎌で切って取り除いたらお礼にキュウリを二本頂きました。畑に収穫に行った帰りだったようです。ほどほどに田舎なのでこういうこともあります。

小学生のころ、北海道に住んでいて、父と二人で初詣に行ったことがあったのですが、帰り道で雪でスタックしている車があって、父は迷わずその車を押してあげていました。「困っている人は助けなさい」ということを言われた事は無いのですが、その車を押す背中は強く心に残っています。

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新連載準備中

まだ詳しくお話できないのですが、8月からカドカワさんの「コミックウォーカー」誌で連載が始まります。しかも、アニメ作品のコミカライズです。かなりの大型タイトルとしか言えないのですが、既に制作は進んでいます。
毎日のように大量のアニメ資料が届くのですが、その量が膨大で「こんなに沢山の設定を元にアニメは作られていたのか!」と驚くと共に、普段お金を出して買っている設定が毎日家にいながら届くというのが、一アニメファンとして夢のようです。
もちろん、お仕事なので大変な部分もあります。特にアニメ制作側からのリテイクがあるのですが、理不尽なものでなく「確実に作品をいいものにするため」のリテイクなので、凄くやる気が刺激されます。
8月の上旬にはお知らせできると思いますので、お楽しみに。

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カップル

朝、家族を駅まで送る途中で、決まった場所で必ずすれ違う登校中の高校生カップルがいます。男の子は背が高く、ちょっともっさりした感じ。女の子は小柄で可愛い。そして男の子の方が必ず何か食べている。パンだったりコンビニの冷やし麺だったり、今朝はコンビニのカップサラダをもりもり食べていました。
歩きながら食べると言うのは行儀が悪いとも言えますが、不思議と不快感は無く、田んぼの隣の道を楽しそうに歩く姿は微笑ましく映ります。

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祝・山口投手先発勝利

この2年くらいずっと不調で、ハマの守護神どころが破壊神よばわりされてきた山口投手が、2軍調整後、先発に転向して6回を無失点に抑え、貴重な一点を守り抜いて勝ち星がつきました。よかった。山口投手は年間30セーブ以上したこともあるのですが、このところ不調で、特に打たれたり四球でランナーを出してからの目に見えて崩れる感じが心配でしたが、先発に転向して、元々持っていた恵まれた体からの速球を生かした投球で、2回四球を出したものの崩れることなく守り抜きました。よかった。本当によかった。
このところ、横浜のホーム試合はニコニコ生放送での中継を見ています。これが、とても面白いです。実況の方がコメントを見ていて、コメントに時々返事をしてくれて、コメント同士でもやりとりがあって、皆で球場でワイワイ騒ぎながら観てる感覚があります。CMが無いのでチェンジの時のちょっとした球場やベンチの風景を見れるのもとてもいいです。

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Marmo

昨日発売の「ナマイキッ!」で「Marmo」は無事最終回を迎えました。最初から1巻でという話だったので、ほぼ予定通りに描くことが出来ました。
コンビニ売りのエロ漫画誌、しかも成年マークがついていない雑誌ということで、表現に関して多くの制約があったのですが、逆にそれ以外の部分では、かなり好き勝手に描かせてもらえました。結果として私という人間を、よく反映した物語になったと思います。これまで描いた作品では「パープル」が近いかな。
単行本の作業もほぼ終わり、来月発売になります。
そして、次の連載の準備もぼちぼち始まっています。夏頃にいいお知らせが出来ると思いますので、頑張ります。

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絵描きイップス

先週、伊集院さんがラジオでイップスの話をしていて、絵描きにもイップスがあるなぁと思いました。
急に思い通りの絵が描けなくなる。直しても直しても絵に納得が出来ない。絵を描かれている方なら思い当たることと思います。
そんな方に、私なりのイップス対処法をお伝えしたいと思います。あくまで「対処法」であり「治療法」「予防法」でないのですが…

・対処法1「描き直す」
目だけ描き直したり腕だけ描き直したりと、部分だけ直していると福笑い状態になってしまうことがあります。絵は相互作用するものなので、一部だけ直して済むというケースは、実は少ないです。白い紙に1からアタリを取り直したほうがいいです。

・対処法2「別の構図、ポーズにする」
これは漫画に関してなのですが、漫画は「この構図でなければならない」というケースは実は少なく、別の構図にしても問題ない場合がほとんどです。横顔でもいい。後頭部でもいい。目から上をフレームアウトしてもいい。なんならそのコマを空にして鳥でも飛ばしておけばいいのです。

・対処法3「昔の自分に頼る」
昔自分が描いた絵の中で、今見てもまあまあ良く描けてると思えるものがあると思います。それをトレースしましょう。自分が描いたものなので著作権的な問題はありません。そして、絶対同じ絵にはならないです。

・対処法4「尊敬する人に頼る」
手塚先生が深夜、アシスタントの仕事場に来て、ディズニーのバンビをトレースしていたというエピソードがありますが、あれだけの人でも、線の不調をディズニーの線をなぞることで調整していたのです。発表しなければ他人の絵のトレースは、いくらしても罪になりません。

あくまで対処法でしかないのですが、何かのヒントになれば幸いです。

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