タイマンやったらダチ!! 橋本エイジ『乱破 ヤンキー忍風帖』
橋本エイジ『乱破 ヤンキー忍風帖』こういうのでいいんだ。こういうので。
…とは『孤独のグルメ』の名言です。世の中には美味しいものに溢れていて、それはとても素晴らしいことなのですが、そうなってくると『気軽に楽しめない』というワガママも発生したりです。
これはマンガでも同じで、凝ったストーリーのマンガも楽しいし、ネガティブな感情を刺激する作品も悪くない。が、やはり『こういうのでいいんだ』という作品が自分は好きかな~。
しかし、その『こういうのでいいんだ』が最高の技術によって提供されるのが理想ですね~。
タイマンやったらダチ!!
チャンピオン誌の『連綿と紡がれた精神性』であり、少年マンガの王道であり、まさに『こういうのでいいんだこういうので』展開なんですが、もちろん技術は最高です。
こういうのをセリフで説明するのはこのうえなく格好悪(ダサ)いのでモノローグで感じさせる……というのが定番ではあります。しかし、この作品はケンカして、その『空気感』とか『表情』で感じ取れるというのが最高の技術です。
そして、最終ページをめくった後に『このセリフ』である。いや~本当に気持ちがいい。
また、結果父親を殺してしまった技がトラウマになっていた輪舞曲に対して、煙人は父親に殴られて命を再び得る……という構成も素晴らしい。『これみよがし』じゃないのがいいんですよ。フツーにマンガを読んでいる人はそういうこと考えない。ただ、俺みたいにうるさいヤツにも『向けている』っていうのは嬉しいものです。
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