ここ最近、熱心なコアゲーマーの間で話題になっているスポットがあります。その名も日本ゲーム博物館 Japan Game Museum(以下JGM)。その名の通り、ゲームの博物館です。ピンボール、エレメカ、テーブルゲーム、そして大型筐体と、およそ90年台なかばまでくらいのアーケードゲームに絞った作品群を展示している施設です。
JGMがあるのは愛知県犬山市。住所をご覧いただければおわかりのとおり、ちょっとした山の中にあります。Googleカーは通っているのでだいたいの雰囲気は伝わるはず。交通アクセスとしては、一番ラクなのが言うまでもなく自家用車で中央道小牧東I.Cから約10分、駐車場は何かしら狂気のイベントでも起きないかぎり大丈夫なキャパシティです。そうでない場合は名古屋駅からバスで約60分、名鉄西可児駅からはタクシーで約10分。
入館費用は、大人1時間1000円/3時間2000円/1日チケット3000円。小中学生を対象とした子供料金はそれぞれの6割です。施設内に設置されているゲーム機類は、ごく一部の例外(テーブル筐体2台ほど)を除き全台無料となっており、おおむねコインシューター付近にクレジットボタンが取り付けられています。プレイにメダルが必要なものについても、入り口カウンターにて無料で受け取ることができます。また、一度支払いを済ませてしまえば、有効期限内であれば入退館は自由です。営業日は金・土・日・祝日の10時から17時まで。館内のボリュームを考慮すれば、午前中くらいからワンデイパスで遊び倒すのが鉄板でしょう。
記者が足を運んだ日は盛況で、おそらく50名ほどが来館してたように思われます。家族連れが多く、お子さんたちが古き良き大型筐体にかじりついている様には感じ入るものがありました。
以下、フォトレポート形式でお送りします。なお、館内の様子はあくまでも2013年5月19日時点でのものです。後日掲載予定のインタビューでもお伝えしますが、 JGM公式Twitter でもしばしば強調されているように、ラインナップはかなりの頻度(月1程度)くらいで入れ替わるとのこと。「写真に写ってたあのゲームがないじゃないか!」ということのなきよう、その点をあらかじめご了承ください。
右奥チケット自販機に3000円ぶち込んだら、パーティーだ!
まあ、『レイルチェイス』あたりと並ぶ覚えゲーなのでしかたありません。
奥で『アウトラン』をプレイされているのは、JGM館長の辻哲朗様。
『オーシャンハンター』の海は今見ると、当時とはまた別の味わいがあります。
なお、通電していないのは来館したタイミングが早かったため。
通常はすべて稼働しています。
『プロップサイクル』は続編をロードバイク仕様で出してほしいです。
奥側に見えるのが問題の超級メンテ中、『ラピッドリバー』。
なお、写真に映っている記者の友人連中は、前日に某サイクルイベントに参加していました。
お前、どんだけチャリ好きなんだよ……。
音量が全開なので迫力が半端ではありません。
一発ネタの面白シミュレーターではありません。
真剣に操縦桿へ向き合う必要性があります。
とマニュアルモードでプレイしたところ案の定クラッシュ。
身の程を知りましょう。
ゴールデンウィーク前の稼働が予定されていたものの、不具合発覚と同時にメンテへ。
そして館長によるスーパーDIYが始まったのです。
どちらもワンクレクリアへ腐心した思い出があります。
今なお色褪せない名作で、とくに『ビーバス2』のゾンビ描写は鮮烈です。
なお、サントラにはSEも収録されています。
だいたい覚えてはいたのですが、体がついていきませんでした。
また、フリープレイとはいえ難度は出荷設定にされているらしく、
容赦無い攻撃を15年ぶりくらいに肉体と脳に刻みつけました。
普通にプレイしていたらクリアしてしまいそうでしたので、わざとゲームオーバーになっておきました。
往々にしてこの手のゲームはやりこむと異様に奥深かったりするものです。
ビニールシート奥に見えるのは2階への階段です。
本物の大型トラックを運転するのはなかなか難しいですから。
ガンシュー好きの記者としてはぜひともプレイしてみたかったのですが、
残念ながら今回は見送り。次回はあるでしょうか。
エレメカを攻略できる環境というのもなかなかないでしょう。
インタビューでも話題が出ますが、JGMの「資産」は山積みです。
ほとんどピンボールを遊んだことのない記者も思わずプレイ。
うおおお!味わい深い!音!視覚!感触!メカの息吹!
これはデジタルではまず再現不可能でしょう。
なお、参考書は漫画FLIP-FLAP。ピンボールを知らなくても楽しめる一冊です。
「あのガチャガチャやるやつ(フリッパー)のやり方がわからんくて、見てるだけかと思った」
とのこと。……まあ、知らなければそういうものです。
ピンボールは感情に訴えかけるゲームですね。
上手くなっておいたらテーマパークなどで活躍できるかも。
写真では伝わりづらいですが、独特の存在感でした。
なお、左にあるとおり全館写真撮影はOKです。
しかし妙にペイアウト率が高い気がしました。良心的!
これのレストアは一筋縄ではいかなさそうです。
善し悪しではありません。歴史です。
いっときはモニタが液晶に換装されたりもしていたとか。
(結局ブラウン管に着地)
しかし記者は『2』も好きです。「Night Flight」は名曲。
これは美学の問題です。
天板は非常に清潔に保たれていました。
狙った位置を通過させ、時間内のスコアを競うという内容。
おそらく中の人による「参考スコア」が悪魔的な値でした。
奥に見える工具の数々がJGMを支えるツールたちなのでしょう。
導入当初はまともに動いていたのに、基盤不良で1画面しか映らなくなったとか。
5月21日時点ですでに整備は終わっているようです。
1月ごろは動いていたのですが、現在は整備中。
古いものなので故障はつきものです。
普通のゲーセンではなかなかこういうことはできません。
どれもやり込もうと思えば数百時間なんてあっという間に消し飛びます。
こういった作品のガチ勢でありたい。
回転部のリングの摩耗が原因と判別できたようです。
きちんと最後のコップ破壊も動作していました。
といっても4秒そこそこですが。
人が少ないように見えますが、時間帯が早かったからです。
ここからじわじわと来館者が増えてきました。
ツインスティック周りの動作はほぼ問題なし。対戦ももちろん可能。
で、ライデンレーザーを喰らったの図。
記者は詳しくないのでよくわかりませんが、マニア垂涎のはずです。
「展示用」と表示されているものには触れないように!
そ、そんなところで運を使わないでくれ……!
「ためらわず引きぬくのがコツ」と教わったにもかかわらず、
ちょっとだけ躊躇したせいでコインが飲まれてしまい、ご担当者様に泣きつきました。
なお、コカコーラゼロの瓶なんてものもありました。漆黒のデザインが渋い。
問題なく稼働するそうですが、駐車場を開放するわけにもいかず展示状態とのこと。
7時間なんてあっという間です。
インストはかなりの保存状態ながら、当時の現物とのこと。
右端に見えるのはわたあめ製造機。
誰かが作動させると2階にまで香りが届きます。
サウンド周りのユニットを調整中だったそうです。
「やっぴー」
近くまできたら速度を落としましょう。
ここからは2F、時計・オルゴール・ジュークボックス等のコーナーです。撮影したタイミングが早かったためまだライトアップされていませんが、通常はもっと明るく展示されています。
その正体はインタビューで。
インタビューへ続きます。
※一分内容を修正しました。コメントでのご指摘ありがとうございます。大変失礼いたしました。
※誤字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。【関連記事】【JGMレポート 1】日本ゲーム博物館へ行ってみた −レトロ・想い出・色褪せぬ楽しさ (フォトレポート有)
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