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Heritage vs Gibson 情けないぞ!

ミシガンニュース

Heritage Guitars、ギブソンを商標問題で裁判にかける
カラマズーに拠点を置く会社は、ギブソンに対して訴訟を起こし

有名なギターメーカーが法的措置を脅かしていると述べています。

https://www.mlive.com/news/kalamazoo/2020/03/heritage-guitars-takes-gibson-to-court-over-trademark-issues.html


========= 今回は文字だらけの投稿ですので、ヒマな時に読んで下さい。============

ヘリテイジ・ギターについては、以前投稿した こちらをご覧下さい。

こちらも100周年 カラマズー工場 世界遺産だね


いつも定期的に拝見するヘリテイジ・ギター関係の方々のフェイス・ブックがいくつかあります。
1982年にギブソンから独立し、ヘリテイジ・ギターを創り支えて来た伝説的な職人の方々の活動を

知りたくて拝見しています。

https://ja-jp.facebook.com/225-Parsons-Street-Kalamazoo-Michigan-49007-1428611967417901/

https://www.facebook.com/The-Heritage-Guitars-Inc-Photo-Book-253261711470396/


https://www.facebook.com/HeritageGuitarInc/?ref=py_c

そして雑誌ローリングストーン誌の協力を得て、経営の立て直しの為に施設の改装+増築し
ギブソン時代からのギターミュージアム,レストラン等を併設した複合施設+工場の計画進行状況も

知りたくて、Kalamazoo Newsも確認しています。
Kalamazoo News https://www.mlive.com/news/kalamazoo/

では、その複合施設とは、具体的にどの様な計画か? それは'18年に地元TV局が放送した映像に
写っていました。映像の1:21〜24秒の3秒間と、ほんの一瞬なのでご注意下さい。
 

映像にあった平面計画のプレゼンボードを見やすくしました。

東西南北、向きが分かりにくいと思いますので、映像に映る平面プランボード画像を加工しました。

 ←こちらは工場の航空写真(グーグルマップより)

敷地写真に平面プラン図を被せます。

 (平面図を半透明にしました)

[ミュージアム,レストラン等を併設した複合施設+工場]

線路脇 建物右側にヘリテイジ・ギター。中央ブルー部レストラン。左側ミュージアム+ホール。

2018年には、この様な計画を行なっていました。

しかし一向に計画は進まず、小規模なラウンジ"Rendal's Guitar Lounge"が設けられただけでした。


そして、いつもの様に3月18日の夜、ヘリテイジ・ギターのフェイスブックをみてみると....

3月14日に投稿が上がっていました。

Dear friends and partners, please see an important announcement from the Heritage team.
親愛なる友人とパートナー、ヘリテージチームからの重要なお知らせをご覧ください。


いつもコメント数は2桁になる事なんて珍しいのに.... 77件も!!

メッセージは画像データになっていました。いつもの様にコピペで自動翻訳出来ません。

「これは何か有る」と思いカラマズーニュースでヘリテイジギターの記事は無いか?と探しました。

そして見つけた記事が、TOPに貼り付けた画像の見出しです。

https://www.mlive.com/news/kalamazoo/2020/03/heritage-guitars-takes-gibson-to-court-over-trademark-issues.html

記事内容をざっくり書きますと、2019年2月に新生ギブソンがヘリテイジギターに対し

[シングル,ダブルカッタウェイのギターデザインは、ギブソンのギターに似ているので

製作を止めるか、会社を畳むかどちらかにしなさい]

と通達して来たので

[[その話は1991年に和解をしている。パワハラはやめてくれ]]と言い返せば

[そんな古い話、知らないよ]と切り返し、ならばとヘリテイジギターは

[[1991年に和解をしている話を無視するなら、こちらが訴えます]]

という話になっていると記事は書いていました。

こんな話が2019年始めに上がったんじゃ、施設計画は進まない訳です。


何とも訳が分からない事をいい、形振り構わず色んなギターメーカーを訴えるギブソン。


1902年にこのカラマズー工場から始まったギブソン。
戦争中も生き残り、先輩メーカーのエピフォンのブランドをも守って1970年代までギターを作り
頑張って来たものの、1975年にはノーリンに買収され、1982年に経営難から移転。

元々創業していた地を、経営失敗により安い土地+労働力を求めてテネシー、メンフィスへ移り

そのテネシー工場も閉め、経営陣が変わっても立て直しが進まないのは自業自得では?


第二次大戦以降から変わらぬ製造方法と、おそらく1970年から変わらない製造機器の数々。
そして卓越した職人技術でギブソンのDNAを守って来たヘリテイジギター。
2018年、シンガポールの投資家等と経営者側から、従業員(職人)達へ
「NCルーターやPlek(プレック)使って、もっと沢山のギター製作,販売をしては?」と
提案を受けても頑なに断り、ギブソン時代から居たベテラン職人達10人が退職(解雇)しました。
ベテラン職人達10人を退職させた会社に対し抗議して、さらに4人の職人が辞めて行きました。
そしてその姿を見て、経営陣はNCルーター導入を止め、昔ながらの製作方法を維持しています。

NCルーターとは?こちらをご覧下さい。https://guitar-hakase.com/26049/2/

Plek,プレックとは?こちらをご覧下さい。https://glide-guitar.jp/pages/plek


このNCルーター話は、以前投稿したこ、こ、これは...... どうなんだぁ〜?でも取り上げましたので
お時間がある時にでも覗いて下さい。

今やそんな昔の製作方法(時代遅れといえばそれまで...)とは無縁
そして昔を知る職人は居ない現在のギブソン。
本物のギブソンと言えるのか?偽物ギブソンと言ってもいいのでは?とさえ思ってしまいます。

そんなギブソンがヘリテイジギターを潰そうとしている、このバカバカしさ!
[潰すつもりはないよ。うちのデザイン使わなきゃいいんだよ。もしくはお金くれれば....ね]
そんな考えなのでは?と思います。

今から40年前、コピーギターを作っていた日本を、ギブソンが訴えた事を思い出します。
しかしあの訴訟とは随分内容が違います。大きな図体して情けないぞ!そう言いたい。


画像データだったヘリテイジ・ギターのメッセージを、昨日 今日で書き写しました。
お暇な方、英語に強い方、興味のある方はコピペで自動翻訳にでもして読んで下さい。
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STATEMENT FROM HERITAGE GUITAR INC

For the first time in over three decades of existence, we at Heritage Guitar Inc have
found it necessary to take legal action. Yesterday, we filed a defensive lawsuit against
Gibson in response to an ongoing and excessive campaign of harassment by the
Gibson team since they came under new ownership.

The histories of Heritage and Gibson are undeniably intertwined. We represent the
ongoing legacy of more than 100 years of guitar building at the legendary 225 Parsons
Street factory in Kalamazoo, MI, a location that Gibson called home from 1917 to 1984.

When Gibson moved away from Michigan in the spring of '84, our founders stayed
behind. Having spent much of their lives building guitars at that factory as Gibson
employees, they stayed not only for their families and their city of Kalamazoo, but also
to keep building guitars in 225 Parsons St. Having purchased some of the original
guitar-building equipment at auction, they took up space at the abandoned factory
and started Heritage.

Though the beginning of our new era at 225 Parsons St was rocky, we enjoyed a
peaceful coexistence for nearly 29 years thanks to a settlement agreement mutually
agreed with Gibson in 1991. We were surprised when threats and spurious claims that
were inconsistent with our original agreement started coming in from Gibson's new
management team. We responded promptly and amicably, despite their aggressive
threats to “outspend” us legally if we didn't comply.

As is the experience of many US factories today, it has grown challenging as more and
more manufacturing has moved overseas. Tough decisions have been made along the
way, but in the past few years we've made our range more focused. We put the needs
of the player first. We obsessed about the quality of our product. We know today from
not only our own experience as musicians and builders, but also the feedback of our
dealers and players around the world that our instruments leaving 225 Parsons St today
are setting new standards of excellence for USA-made guitars. There's still so much more
to come.

Yesterday's action was about us standing up and showing we're not going to be bullied
by companies that lack the integrity to stand by their word. Our filing calls on the US
District Court for the Western District of Michigan to stop the campaign of harassment
from Gibson's new management once and for all, and to make a declaratory judgement
which asserts our right to continue to operate peacefully as we have done since we
came to an amicable resolution in 1991.

To all our partners and players over the years, thank you for your continued support.
You can be assured that we're not going anywhere. We believe in our duty of
responsibility to our team and to our artists. Given the approach Gibson seems to be
taking towards us and the broader guitar industry, we believe it is now more important
than ever that a company with integrity continues the legacy of building the world's
finest American-made guitars at 225 Parsons St, Kalamazoo, MI.

Yours faithfully,

Heritage Guitars Team
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昔ながらのギターは、個人工房のビルダーさん、ヘリテイジ・ギターだけなんて言うのは寂しい。
どのメーカー、ブランドであっても基本技術,ハイレベルな技術は伝統として維持して欲しいものです。

エレクトリックギターでの木工技術、塗装技術、エレクトリック分野の技術も常に進歩していますが
箱ギターはソリッドギターとは違う、楽器らしさと言うギターの魅力を沢山持ってます。
美しい音色、見た目にも美しいスタイル。ギターはまだまだ完成された楽器ではありません。


この美しいギターは、アメリカでジャズギタリストとして活動し、
ギタービルダーとしても活動していて、私は尊敬している日本人の方が作るギターです。
(宝くじが当たって、お金持ちになったら欲しいギターです。笑)

ギターって、人を夢中にさせる楽器ですね。


=========================== 訴訟のその後 ============================

Heritage vs Gibson 訴訟のその後が気になる方へ

こちらへ情報を上げました。

http://gomasibakota.blog.fc2.com/blog-entry-661.html


Comments 2

ギターマジシャン

コピーモデル

昔は良かったという年寄りじみた言い方しかできませんが、70年代はグレコもフェルナンデスもレスポールとストラトのコピーモデルが主流で、フェルナンデスはストラトのフェンダーロゴだけでなく、レスポールはバーニーというブランド名にしてギブソンロゴに似せていましたし、ギボンなんてメーカーまであって、それで特に問題視もされていなかったように思います。

自分たち中・高校生は、当然本物など高根の花で、国産品でさえ、高価なモデルほど見た目も似ているし、音も良いなあとカタログを眺めていました。

国内ブランドに目覚めたのか、いよいよもって訴えられでもしたのか、各メーカーはレスポールやストラトと微妙にシェイプを変えたモデルへとシフトチェンジしましたが、ゼブラ星人が化けた目の尖った偽ウルトラマンのような印象でした。

今回のギブソンのデザインで訴えるというのは訴訟社会のアメリカならではでしょうが、細かい設計図でも存在して、寸分たがわず一致しているのでなければ、フォームそのものはパブリックドメインのような気もします。
(ミッキーマウス法案の恩恵にあずかって、何年たっても保護されているのでしょうか)

この訴訟をみていると、先日のジャスラックが音楽教室から著作権料を取る判決を思い出し、いつのまにか日本も権利社会の住みにくい世の中になってしまったと感じます。

2020-03-22 (Sun) 07:08 | EDIT | REPLY |   

コタパパ

To ギターマジシャンさん

コメント有難う御座います。
私も、いつのまにか日本も権利社会の住みにくい世の中になってしまったと感じます。
そのくせ、社会貢献しないんですよね....
bandcamp[我々は一切利益を放棄し3月20日に購入した金額を100%アーティストに支払います。]
Discogsも似た活動をアーティストではなく、レコードCD等を販売する小売店支援をしています。
あれだけの収益があるならbandcampが行なった様な支援も出来るだろうに。

今回の訴訟の件、パテント期間20年を目安に1990年に一度解決しているんですよね。(解決したはず...)
日本の場合は1977年に訴えられていますので、20年ギリギリ...で本当ならアウト!ですよね。
そこは、今の中国と同じやり方で何とか乗り切りましたが、やっぱりコピーですよね。
昔からそこは"ヤバイ"と考えて、地道にオリジナルも出して居た事と、ギターシンセなんて新しい物を
作ったりしていた技術力で、日本製フェンダー,ギブソンを作る契約を結び、事なきを得ましたよね。
ちょっと長いですが、下のUrlに詳しく70年代の日本ギター史が書かれています。ギター好きには物凄く面白いです。
http://garakutaguitar.com/MatsumotoGuitars6.html

兎に角ギブソンには、ギターを真面目に作る事に集中して欲しいです。

2020-03-22 (Sun) 10:52 | EDIT | REPLY |   

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