自治体のFacebook活用を扱った9/23放送のNHK「サキどり」のやらせ疑惑について
2012/10/5 9:15追記
・「2012/9/23放送NHK サキどり 「"お役所仕事"がSNSで変わる!?」の反応(武雄市、陸前高田市) - Togetter」のリンクを追加
2012/10/6 2:30追記
・「NHKが『サキどり』で武雄市取材もヤラセ疑惑により一部炎上 武雄市職員「完全にリアルです」 - ガジェット通信」のリンクを追加
2012/10/6 17:00追記
・市民の方が投稿した内容の公開範囲について追記
・NHK「サキどり」に送った追加質問(質問C,D)に対する番組からの回答を追加。
2012/10/8 0:40追記
・10/7 23:55にNHK「サキどり」に送った追加質問(質問E,F)を追加。(回答は届き次第掲載予定)
ここまでくると我ながらただのイチャモンに見えてこなくもないですが、
「より公正で良い番組作りのためにはこうしたほうが良かったのではないか」という
問題提起も兼ねておりますので、そのあたりを踏まえてご覧いただければ幸いです。
正直ここまでやる気はなかったけど、なんか中途半端なのも気持ち悪かったので。
2012/10/11 17:50追記
・質問E,Fに対するNHKからの回答を追記。
2012/11/05 8:45追記
・本件に関するツイートや私個人の結論をまとめたtogetterまとめを
追加するのをすっかり忘れていたので追記。
大雑把な結論は「やらせではないがNHKの取材方法が不適切」です。
2012/9/23のNHK「サキどり」の武雄市やらせ疑惑についての私個人の反応 - Togetter
2012/9/23(日)に、NHK番組「サキどり」にて、
「"お役所仕事"がSNSで変わる!?」
という放送がありました。(放送内容についてはこちらの番組HPを参照)
自治体のFacebook(フェイスブック)活用について扱った番組で、
佐賀県武雄市と岩手県陸前高田市の事例が取り上げられていました。
この番組について、以下のNAVERまとめやtogetterでまとめられているように
「やらせ報道、および説明不足ではないか」
という指摘がネットで上がっていました。
「NHKサキどり↑」でやらせ?武雄市と陸前高田市のFacebook事例への指摘 - NAVER まとめ
2012/9/23放送NHK サキどり 「"お役所仕事"がSNSで変わる!?」の反応(武雄市、陸前高田市) - Togetter (10/5追加。継続して更新中の模様。)
NHKが武雄市とFacebookについて扱った番組「サキどり」の構成に出演者の仕込み疑惑が浮上 - Togetter
NHKが『サキどり』で武雄市取材もヤラセ疑惑により一部炎上 武雄市職員「完全にリアルです」 - ガジェット通信 (10/6追加。)
■ネットで上がっていた疑惑の概要
A.番組の中で、
「ある市民がFacebookに
"市役所の案内図がFacebook上で見られるとよい"
と投稿したところ、武雄市職員が3時間足らずで対応し、
市役所の案内図の写真がフェイスブック上で見られるようになりました。
武雄市は市の職員390人全員にFacebookへの登録を義務づけており
メッセージを職員全員が24時間見られるため、このような連携が可能になっています。」
というのを、事のやりとりを追いかけて紹介した内容があった。
しかし、これについて以下の疑惑がある。
1.市民の投稿は本人の近況としてタイムラインに投稿されたものであり、
市のページに要望として上げたものではない。
それを市職員が見て即座に対応するというのは無理があるのではないか。
(これができるのは市職員と市民とがFacebookで友達関係になっている場合だけではないか。)
(また、そもそもその様子を撮影できている時点でおかしいのではないか。)
(※2012/10/6 17:00追記 投稿の公開範囲も「友達のみ」だったそうです。)
2.要望を投稿した市民は、容姿や名前、ネット上に公開されている情報から判断する限り
武雄市も関係しているFacebook講座などで講師を務めている人物ではないか。
つまり武雄市の関係者ではないか。
要するに、この一連の市民と武雄市とのやりとりは、
事前に関係者が打ち合わせて行った自作自演行為ではないのか。
(番組では「再現映像」といった断り書きはなかった)
B.番組において陸前高田市の職員として紹介された古賀龍一郎さんは、
元々武雄市の樋渡啓祐市長の秘書官を務めていらっしゃった人物であり、
武雄市のフェイスブック利用についても大きな役割を果たした方である。
2012年4月1日付で武雄市から陸前高田市に出向なさっているのだが、
それを考えると、武雄市と陸前高田市の活用事例は、別々の事例というよりも
同一関係者によるほぼ同一の事例とも考えられるのではないか。
「誤認識」かどうかは意見がわかれるかもしれないが、あえてこの言葉を使うと、
「Facebookが全国の多くの自治体で広く使われ始めている」
と「誤認識」する視聴者もいるかもしれないので、そういった「誤認識」を
極力少なくし、事実をより正確に伝えるためには、番組内で「武雄市からの出向者」であることを
説明したほうが良かったのではないか。
※この概要については私がまとめを見て自分の認識をまとめただけです。
不足点やずれている部分がありましたらコメント等で指摘してください。
私自身も事実関係に興味がありましたので番組ホームページから問い合わせを行ってみました。
1日も経たずに回答をいただくことができたので、問題のないと思われる範囲で掲載してみます。
なお、私が知りたかったのは
「番組の疑惑についての事実関係」
です。
明確に事実関係を答えていただくために、受けたイメージを強調したり
極論と思われる例えを用いたり、意図的に強い口調で質問しているところはありますが、ご了承下さい。
あと、割と軽い気持ちで質問したので質問が甘く意図も十分伝わっていないところがあります。
そのへんもご了承ください。
この件については、他の方々がもっと細かく検証・追及していらっしゃいますので、
このメールも1つの手がかりとして検証を進めてもらえればいいなあと思ってます。
この回答メールの内容は、事実関係を明確にするにはまだまだ情報が足りないというか、
ほとんどがツイッター上で既出の情報でもあるのですが、
これについて私のほうから再度質問する予定は現状ありません。
申し訳ありませんが、自分としては積極的な追求までする気はあまりなかったりします。
(諸々の事情で時間をとられたりしているので・・・すみません。
他力本願ですがどなたかよろしくお願いします。)
また、誤解のないよう本件についての私の意見を表明しておきます。
●この件で関係者(市民)への個人攻撃を行うべきではない。
見つけられた各種情報を元に、冷静に議論と検証・追及を進めるべき。
●番組構成については事実関係をはっきりさせ、問題があるならどこにあるかを明確にし、
市やNHKの関係者がどの問題にどこまで関与しているかは解明したほうがよい。
●自治体がFacebookを行政ツールとして活用するのは、使い方に十分留意するのであれば問題ないし、
むしろ使い方によっては推奨したいほど。
ただし、広報等はあくまでもホームページ主体で活動し、Facebookはあくまでも
ツールの1つとして活用するのが望ましいと考えています。
ぶっちゃけて言うと武雄市については、Facebookに偏りすぎており、
一般的にまともな情報公開やコミュニケーションが出来ているとは考えていません。
これは最近武雄市に対して抗議活動を行った私自身から見た感想です。
その他での活用については把握しておりませんのでコメントできません。
●陸前高田市と古賀氏、市民の皆様の取り組みについては敬意を表し、成功を願っております。
よりよい番組作りのためにNHKに対して意見と質問を投げかけただけであり、
取り組みについて批判したり、足を引っ張ったりするようなつもりは毛頭ございません。
★2012/11/05 8:45追記
本件に関連する私個人を中心としたツイートの流れや、
最終的な結論について、togetterにまとめました。
いずれブログにも別記事としてまとめるかもしれませんが、
当面の間はこちらのtogetterまとめをご覧下さい。
2012/9/23のNHK「サキどり」の武雄市やらせ疑惑についての私個人の反応 - Togetter
以下は私が番組に送ったメールと、番組からの回答メールです。
メール文章内の【】で囲った部分は私が公開すべきでないと判断した部分です。
(折りたたんであります)
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■質問A 市民と武雄市とのやりとりの件について
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●私からの質問
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9/23放送のFacebook活用の会で取り上げられた【市民の個人名のため削除】さんですが、
お名前や容姿、ネット上の情報から判断すると
武雄市も関係している武雄市ICT寺子屋人材育成事業協議会で
市民講座の講師を務めていらっしゃる、いわば市の関係者ではないでしょうか。
【個人に関するURLだったので削除】
【広報武雄2012年10月号の特定ページへのURLだが一応削除】
市への提言も本人の近況として投稿したもののようですが、
それを市がチェックして対応したというのも非効率でおかしな話です。
事前に市の関係者が打ち合わせ済みだった茶番であり、
やらせ報道であると考えますが、いかがでしょうか。
・制作の経緯の詳細
・武雄市やICT寺子屋、NHKの関係者がそれぞれどこまで関与していたのか
について明確な説明を求めます。
必ず詳細にご回答をお願いいたします。
--------
●番組からの回答(2012/10/4 5:15)
--------
いつもNHKの番組やニュースをご視聴いただき、ありがとうございます。
お問い合わせの件についてご連絡いたします。今回取材にご協力いただいた市民の方は、この10月からフェイスブック教室で
講師を助けるスタッフとして雇用され、10月の市の広報にも取り上げられましたが、
取材時点ではそうした雇用関係はありませんでした。
【具体的な時期が月で示されていたが削除】まで別会社に勤めており、
市の関係者ではありません。
担当ディレクターは、フェイスブック教室を取材するなかで、
市や市長にコメントを出している【性別のため削除】の存在を知りました。今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。「サキどり↑」担当
NHKふれあいセンター(放送)
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■質問B 陸前高田市の件について
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●私からの質問
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9/23放送のFacebook活用の会で取り上げられた古賀龍一郎さんですが
この方は元々武雄市の樋渡市長の秘書官であり、今年4月1日付で
武雄市から陸前高田市に出向となった方です。
http://hiwa1118.exblog.jp/15616542/
http://hiwa1118.exblog.jp/16861693/
つまり両市の事例は武雄市関係者による同じ1つの事例だと言えます。
番組は「各地の自治体でFacebook活用が広がっている」というイメージを
与えていたと思いますが、1つの事例を2つに嵩上げして、
「広がっている」というイメージを与えるのはおかしいのではないでしょうか。
・NHKは古賀氏の情報をどこから入手したのか(武雄市の紹介だったのか)
・NHKは古賀氏が武雄市からの出向者であることを把握していたのか
・把握していたならそれを番組内で明確に説明しなかったのは何故か
について明確な説明を求めます。
必ず詳細にご回答をお願いいたします。
--------
●番組からの回答(2012/10/4 5:14)
--------
いつもNHKの番組やニュースをご視聴いただき、ありがとうございます。
お問い合わせの件についてご連絡いたします。今回番組では、被災地からの情報を発信し、SNSの導入を決めた
陸前高田市の事例をとりあげました。陸前高田市には、全国の自治体から職員が派遣されています。
そのうち、SNSについては、広い知識をもつ武雄市の職員が
担当に選ばれたということです。したがって担当者が武雄市から派遣されたことには特に触れませんでした。
今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。「サキどり↑」担当
NHKふれあいセンター(放送)
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■質問C 案内図の事例についての事前打ち合わせの有無と一連の流れについて
■質問D 市民の方が取材当時Facebook講座のスタッフだったのではないかという件について
(両質問に対してまとめて回答をいただいています)
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●私からの質問
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9/23放送分について問い合わせ番号【番号削除】に回答頂きました。しかし回答が曖昧で疑問が残ります。
1.市役所見取り図に関する武雄市と市民のやりとりは事前に市役所(or市職員)と市民、NHK取材班との間で
打ち合わせがされていたのではないか。NHKはどう認識していたのか。
2.上記1のやらせ疑惑を指摘したが武雄市・市民・NHK取材班にそれぞれ確認を行ったのか。
3.上記2についてそれぞれの見解はどうなっているのか。
4.このやりとりは市職員と市民とがFacebookで友達関係になっていないと市職員は市民の投稿に気づくことはできず
対応が実現しないと考えているが事実関係はどうだったのか。
5.上記4で友達関係だった場合、一般市民とのやり取りとして紹介するのは不適切な部分もある事例と考えるが見解はどうか。
個々に明確にご回答をお願い致します。
--------
9/23放送分について問い合わせ番号【番号削除】に回答頂きました。
10/5 4:42頃にも質問しておりますが追加で質問させて下さい。
武雄市に見取り図の提案を行った市民の方は
・8/27のFacebook講座で受講者のコメント練習のために自分のアカウントを提供している
・それらのコメントについて「全て受講生の投稿です」と携帯からコメントしている
・放送でも終了直前(30:25~)に受講者に説明を行っている様子が放映されている
ということがわかっており講師側のスタッフだったと推測できます。
その方が講師を助けるスタッフとして雇用されたのは10月と回答されていますが、
取材したと思われる8/27の講座にはどういう立場・契約で参加なさっていたのでしょうか。
また講師側スタッフであった場合、NHKはそれを認識していたのでしょうか。
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●番組からの回答(2012/10/6 11:05)
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いつもNHKの番組やニュースをご視聴いただき、ありがとうございます。
お問い合わせの件についてご連絡いたします。
今回撮影に関して、事前に市役所や職員、市民とNHK取材班との間で打ち合わせがされていた事実はございません。
また、武雄市役所の職員は、一般市民からのメッセージに加えて、
フェイスブック上の“友人”のメッセージも常時チェックしながら、公務にあたっています。
一般市民から市への要望が、 フェイスブック上の“友人”からのつぶやきの形で寄せられることがあるからです。
番組では、そうした形で寄せられた一般市民の要望に対して市役所の他の部署が対応した実例を取り上げ、
一連の動きを市民宅と役所で追いながら撮影しました。
スタッフ雇用についての追加質問も頂きました。
ご本人は、取材当時は【当時の状況だが削除】をしながら、フェイスブック教室で
初心者の登録の手伝いなどをしていました。
スタッフとして雇用されたのは、10月になってからです。
今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。
「サキどり↑」担当
NHKふれあいセンター(放送)
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■質問E 紹介した事例と番組での説明にちぐはぐな点がある件について
■質問F 対応をリアルタイムで追うという取材方法がもたらした影響について
(両質問に対してまとめて回答をいただいています)
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●私からの質問
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9/23放送分について問い合わせ番号【番号削除】に続く質問その1です。
番組の説明は「連携は職員全員にFacebook登録を義務付けることで可能になっている。
市民の投稿は全て職員全員が24時間見れるので早く気づいた職員が返信できる」とされていました。
しかし実際の事例は「友人関係の市職員(最低1人)しか見れない個人の呟きへの対応」でした。
友人の投稿も見ているとの説明でしたが、市職員全員に比べ遥かに可能性の低い
一職員の反応に期待して事例を取材したというのも不可解です。
投稿にも「呟いて市役所の方が見てくれますかね?」とあったほどです。
取材班はFacebookの仕組みを把握していなかったのでしょうか?
ちぐはぐな内容を放映した事もやらせ疑惑の一因と考えます。
このような特殊事例を紹介した理由と、事例と食い違う説明をした理由を明確にご回答下さい。
--------
9/23放送分について問い合わせ番号【番号削除】に続く質問その2です。
番組では要望への対応をリアルタイムで追っていました。
「取材班が要望への対応を取材すれば市が即時対応するのは当然」であり、
それで「3時間足らずで対応できた」と説明されても強い違和感があります。
生の映像が欲しいのもわかりますがリアルタイム取材には不向きな事案であり
市が対応を終えるのを待って取材するか、過去の事例を再現映像で紹介したほうが
より現実的で説得力もあり、やらせ疑惑も起きなかったのではないでしょうか。
内容も即応の必要性が薄く、写真をFacebookに載せるだけでなく
市役所HPに案内図を載せるのが普通の対応と考えますが現在でも実施されていません。
不適切な取材方法で不適切な事例を作ったとも言えると思いますが
取材方法は適切だったとお考えでしょうか?ご回答下さい。
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●番組からの回答(2012/10/11 11:57)
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いつもNHKの番組やニュースをご視聴いただき、ありがとうございます。
お問い合わせの件についてご連絡いたします。
番組では、ある市民がフェイスブックを通じて、市に要望を発信する現場をそのまま撮影しました。
事前に段取りなどの打合せは行っていません。
その際、市民の方が、たまたま個人のページに要望を書き込みました。
それをうけて我々は、要望が届いた先の市職員を取材しました。
全体を通じて、取材の方法は適切であったと考えております。
今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。
「サキどり↑」番組担当
NHKふれあいセンター(放送)
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