CommonMarkというのはMarkdownの標準化を目指して2014年に立ち上がったプロジェクトです。
当時のニュース:
Standard Markdown Becomes Common Markdown then CommonMark (日本語版)
公式サイト:
あれから3年、とうとうGitHubがCommonMarkを採用したというアナウンスがありました。つまり、長らくMarkdownデファクトと考えられてきたGFM: GitHub Flavored Markdownは、いまやCommonMarkのスーパーセットなのです。
A formal spec for GitHub Flavored Markdown | GitHub Engineering (2017/03/14)
To ensure that the rendered Markdown in our website is fully compliant with the CommonMark spec, the new backend implementation for GFM parsing on GitHub is based on cmark,
実際には、このエントリにあるように、GitHubはオリジナルの参照実装であるcmarkをforkしたもの(cmark-gfm)を使っています。これは、GFMのいくつかの拡張について仕様が定まっていないためで、それらの議論が終わったらオリジナルのcmarkにマージするつもりだとのこと。GitHubはCommonMarkのコアメンバーなので、このあたりについては心配はいらなそうです。
https://github.com/github/cmark
拡張: https://github.com/github/cmark/tree/master/extensions
Ruby gemの CommonMarker も、実際に参照しているのは github/cmark で、いまはGitHub社のkivikakk氏がcommonmarkerとgithub/cmark両方をメンテしているようですね。
このGitHubのアナウンスをうけて、国内外のMarkdown採用サービスが CommonMark (あるいはその拡張のGFM)に移行してゆくと考えられます。
Kibela的にはCommonMarkの拡張構文への関心が高いところです。すでにPlantUMLとLaTeXという二種類の記法を描画するためにMarkdown構文を拡張しているからです。
CommonMarkの仕様や拡張については talk.commonmark.org というフォーラムがあるので、CommonMarkの将来についてはこのあたりを眺めるとよさそうですね。