安倍新内閣、実はココがすごい
〜永田町のプロ筋が高評価する理由

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各メディアの安倍政権に対する距離感の違い 

10月7日夜に発足した第3次安倍改造内閣について、マスコミ各社が行った緊急世論調査の結果が興味深い――。

『読売新聞』調査(7~8日実施)では、内閣支持率が前回比5ポイント増の46%、不支持率は前回比6ポイント減の45%で、再び1ポイントながら支持率が不支持率を上回った。ところが、『毎日新聞』調査(同)は、内閣支持率が前回比4ポイント増の39%、不支持率は前回比7ポイント減の43%で、依然として不支持率が支持率を4ポント上回っている。

次に『日本経済新聞』調査(同)結果を見ると、内閣支持率は9月19日の安全保障関連法成立直後の前回調査を4ポイント上回る44%で、不支持率は42%と5ポイント低下した。共同通信社調査(同)でも、内閣支持率は44.8%で、前回9月の38.9%から5.9ポイント上昇している。

『朝日新聞』も調査を実施したはずだが、なぜか報道がない。いずれにしても、『毎日』調査とほぼ同じ結果となると思われる。だが、世論の評価は恐らく今回の内閣改造と自民党役員人事について概ね好感したと判断していいだろう。各社ともに内閣支持率は5~6ポイント上昇しているからだ。

しかし、支持が不支持を若干上回る結果が出ている『読売』、『日経』、共同通信と、依然として不支持が支持を上回る『毎日』、『朝日』との好対照となっているが、これは、まさに各メディアの安倍晋三政権に対する距離感の違いを表していると言っていいだろう。

安倍首相は麻生太郎副総理・財務相、菅義偉官房長官、岸田文雄外相、甘利明経済財政・経済再生相ら主要閣僚を留任させ、閣僚交代を9人に留めた。そして党役員人事でも谷垣禎一幹事長、二階俊博総務会長、稲田朋美政調会長、茂木敏充選対委員長の党4役は留任させた。

内閣改造は小幅に終わり、これといった目玉人事もなく、政権浮揚に繋がったとは言いい難い。が、プロ筋の間では「なかなか巧妙な出来栄えだ」という見方が支配的である。

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