2014.04.13

首都圏ネットワーク
環状道路網で変わるヒトとモノの流れ[特集]

上空から見た東金JCT=13年4月27日

首都圏の環状道路網などの広域ネットワークの整備が進むにつれて、東京近県の物流や観光などが様変わりしている。特に環状道路で最も外側を走る「首都圏中央連絡自動車道(圏央道)」の整備が進み、物流施設や工場などの立地が相次いでいる。都心の通過交通量が減る効果も大きい。道路網が途切れ途切れで「ミッシングリング」といわれた時代から、東京五輪に向けて道路網の整備はさらに加速するとみられ、近郊自治体の期待は膨らんでいる。

首都圏は「首都高速中央環状線(中央環状線)」、「東京外かく環状道路(外環道)」、「圏央道」の三つの環状道路と、都心から外へ放射状に伸びる9高速道(東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東水戸線、東関東館山線、湾岸道路、第三京浜)をつなぐネットワーク道路網の整備が進んでいる。

内側の中央環状線は、都心から半径8キロの総延長47キロの道路。最も外側の圏央道は、都心から半径40~60キロに計画されている総延長約300キロとなっている。その中間にある外環道は、都心から15キロ圏を同心円状に結ぶ総延長約85キロの高速道路だ。3環状道路と9高速道をつなぐ整備が進めば、都心に集中している交通量を分散でき、渋滞解消や、都心を回避する東北地方などへの物流が可能になる。これまで3環状道路は9高速道路に比べて整備が遅れていた。

ここにきて整備が進み開通効果が期待されているのが圏央道だ。今年3月末で全体の56%に当たる170キロが開通しており、4月12日から茨城県の稲敷インターチェンジ(IC)~神崎IC(約10・6キロ)の供用が始まる。最もネットワーク効果が期待されているのが、今年6月に予定されている神奈川県の相模原愛川ICから東京都の髙尾山IC(約14・7キロ)間の開通だ。中央道の八王子ジャンクション(JCT)と東名高速の海老名JCT間が全線開通することになり、近畿圏や名古屋圏との物流に大きな変化が起きるとみられている。

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