ZBrushでニパ子をつくる(その5)
最終回です!
フィギュアにするためのパーツ作りから
立体出力用の保存についてご紹介致します。
10、パーツ分割する
ここからは分割作業です。立体出力だけなら分割がなくても究極よいのですが、
通常は立体出力をしやすくする、複製をしやすくする、という点で分割を行います。
尚、ZBrushはそもそもあまり分割には向いていないという話なのでほどほどに参考にして下さい。
まず、立体出力の注意としては、
(1)薄すぎるパーツをなくすこと
(2)ソリッドにすること
(3)重なっているパーツの重なりをなくすこと
(4)逆テーパーをつくらないこと
などが挙げられます。詳しくは立体出力屋さんの注意事項をチェックしましょう。
(1)はInflatブラシなどで直します。
(2)はClose Holesを使うか、ダイナメッシュを使えば直ります。
(3)(4)について、ダボ作りも含めてご紹介します。
分割はダイナメッシュのカテゴリ
ダイナメッシュを用いて、ブーリアンの差で重なりをなくしていきます。
Sub Toolのマーカーを和から差に切り替えてMarge→ダイナメッシュで行います。
少しコツがいるので詳しくは他のサイトで調べて頂けると良いのですが、
自分が把握している注意点としては、
デカイ形状から小さい形状で引くことはできるが小さい形状からデカイ形状を使って引くことはできないという点です。
写真では腕(大)に手(小)の重なり部分を引く作業なので特に心配は要らないのですが、
例えば、手(小)の重なりを腕(大)を使って引こうとすると上手くできません。
腕のパーツから手のパーツの重なり部分だけが自動的に引かれてしまいます。
そのため、大きいパーツの部分を用いてどうしても引きたいときは、
事前に大きいパーツを複製し、大きいパーツの該当箇所を別パーツ化させてからブーリアンを行うことをお勧めします。
常に引くもの・引かれるものに合わせてパーツサイズを見直すように意識しましょう。
パネルループで分割面をつくる
髪や手などSub Toolで既に別れているものはブーリアンの和と差で調整できますが
例えば脚や腕などは改めて分割ラインを決めてパーツ分けをしなければなりません。
Clip Curveなどでも分割ラインを造ることは可能ですが、私はパネルループを使って分割ラインを造っていきます。
パネルループは、ポリグループを厚みのあるパネルを持ったパーツに分割する機能です。
(パネルとエッジの言葉の使い分けに混同します…)
ハードサーフェイスものに使う分割ツールですが、パネルによってエッジを立たせられるので
ダイナメッシュをかけてみたら分割面のキワがゆるくなるといった問題を最小限に抑えられます。
(ただし、それでも少しゆるくなります。出力してからの手直しも視野に入れたほうがいいかもしれませんね。)
やり方は、
(1)分割したいラインごとにポリグループで棲み分けを行います。
(2)Geometry > EdgeLoop > Panel Loops(Loopsは3、Doubleにチェック)でパネルループを行います。
(3)Sub Tool > Split to Parts でパーツごとにSub Toolへ分けます。
(4)1つのパーツが表・パネル(厚み)・裏面と3つのポリグループによって構成されるので、
裏面を別のSub Toolに分けてDeleteします。パネル部はあってもなくてもよいです。
(5)ダイナメッシュを行い、穴を埋めます。
この一連の作業で綺麗に分割することができます。
正直、ダボを加える必要がないのであればダイナメッシュでなく、
Close HolesとZremesherを行ったほうが綺麗なエッジで分割できますが、
ダボが必要になるのでここではダイナメッシュを使用します。
狙い通りに分割ができたら、さらにダボを仕込んでいきます。
(1)Insert H Cubeのブラシなどでダボを付けます。
(2)ダイナメッシュで一体化させます。
(3)ダボ穴を開けたい部分にブーリアンの差を行います。
いかがでしょうか?手間はかかりますが、慣れてしまえば同じ作業の繰り返しです。
分割とダボができれば見た目だけでなくモノとしてもフィギュアらしくなりますよ。
明らかにテーパーが確認できればいいですが、確認しにくいところは要注意です。私も失敗してるかも・・・。
11、台座をつくる
完成間近ですが、ここで台座がないと立たない可能性が高いことが発覚しました。
真鍮線むき出しはいやなので、台座と足の間に予め支柱になるものを作りました。
台座そのものはパーツ分割の要領で作れますが、ここではアルファを用いた文字の掘り込みをご紹介します。
アルファでロゴをスタンプする
アルファを用いることで、テクスチャをペイントではなくブラシとして扱うことができます。
鱗のテクスチャやひび割れたテクスチャをDotsのストロークで用いればクリーチャーを作るのに活かせますし、
本作例のように、Drag Rectでロゴを掘り込んだりするなどアイデア次第で様々な使い方ができます。
jpgでOKですので、画像を用意し(モノクロがいい?)アルファからインポートしてセットします。
浮きあがらせるのと、掘り込むのとが同時に表面・裏面で現れますので、必要に応じてマスクをかけておきます。
また、扱うブラシによって大きなカーブができてしまいますので、その点も注意するようにして下さい。完成間近です!
12、仕上げ
モデリングとしてはこれで完成です。後は塗るなり光源を変えてみるなりして、仕上がりをチェックします。
最後に立体出力に向けた出力用の設定と保存方法をおさらいします。
なお、CGWORLDの折田さんの記事を参考にしておりますのでぜひこちらもご参照下さい。
出力ファイル用の三角ポリゴンにする
Decimation Masteを使用すると、ポリゴンを三角ポリゴンに変換し、かつ、ポリゴン数を大きく削減することができます。
全てのパーツをMarge Downにて一つのSub Toolにまとめます。
Zplugin > Decimation Maste から、Pre-process Currentでまずポリゴンの分析を行います。
次に、下部のスライダーで削減率を決めます。最後にDecimate Currentで実行します。
初めから別ソフトなどで三角ポリゴンにて造っているパーツがある場合は、Sub Toolを分けるようにしましょう。
ポリゴン数がもともと少ないものや三角ポリゴンに対して適応するとエラーが起こりやすいです。
出力予定のサイズに変更する
次にサイズの調整をします。
ZPlugin > 3D Print Exporterで出力時のサイズを指定することができます。
まず、Update Size Ratiosにて大きさの分析を行います。
次に大きさの単位を設定して、基準となる高さを指定しましょう。
Y軸を基準とした場合は、自然に幅と奥行きが決まります。
OKであれば書き出し保存を行います。
これで完成です!
いかがだったでしょうか。
まだまだ私自身勉強中ですので、これからさらに改善することがあると思いますが
3ヶ月いろいろ触ってみた感想としてCGの勉強は料理の手順を覚えるのと似ているなと思いました。
例えば、野菜炒めを作る時にフライパンに火をつけるところから始める人はいないと思います。
野菜を刻んで、フライパンを用意して、火をつけたら油を注いで、それから野菜を入れます。
それぞれのテクニックがどの工程で使われて、どのように仕上げに向かっていくのかを知ることが大事だと思います。
また、テクニックを覚えていけば、やがてありあわせの食材で料理ができたり、新しいメニューを考えたりする様に、
モデリングにもアイデアによる応用が利くようになっていくと思います。
私もまだまだ知らないことが多いのですが、少しでもこの記事が創作に役立てば幸いです。
【謝意と宣伝】
改めて、多くの方々のノウハウ紹介や過去の取り組みのおかげで
ニパ子を完成させることができました。本当にありがとうございます。
また、ニパ子の生みの親であるゴッドハンド株式会社様、
誕生のきっかけとなったコミPo!様、素敵な設定資料を描き上げてくださった小池智史氏、
ニパ子を支えている多くのファンの皆様、この場を借りて感謝致します。
今回のモデリングニパ子についてですが、
幸いにもゴッドハンド様・ローランドDG様から立体出力のテストモデルにしたいと
お声がけを頂いておりまして現在プロジェクトが進んでおります。
私自身本当に出力・組み立てができるのかハラハラしているのですが、
データに不備がなければ出力されたニパ子がお披露目されるかもしれません!
どうぞ今後のニュースにご期待下さい^^
フィギュアにするためのパーツ作りから
立体出力用の保存についてご紹介致します。
10、パーツ分割する
ここからは分割作業です。立体出力だけなら分割がなくても究極よいのですが、
通常は立体出力をしやすくする、複製をしやすくする、という点で分割を行います。
尚、ZBrushはそもそもあまり分割には向いていないという話なのでほどほどに参考にして下さい。
まず、立体出力の注意としては、
(1)薄すぎるパーツをなくすこと
(2)ソリッドにすること
(3)重なっているパーツの重なりをなくすこと
(4)逆テーパーをつくらないこと
などが挙げられます。詳しくは立体出力屋さんの注意事項をチェックしましょう。
(1)はInflatブラシなどで直します。
(2)はClose Holesを使うか、ダイナメッシュを使えば直ります。
(3)(4)について、ダボ作りも含めてご紹介します。
分割はダイナメッシュのカテゴリ
ダイナメッシュを用いて、ブーリアンの差で重なりをなくしていきます。
Sub Toolのマーカーを和から差に切り替えてMarge→ダイナメッシュで行います。
少しコツがいるので詳しくは他のサイトで調べて頂けると良いのですが、
自分が把握している注意点としては、
デカイ形状から小さい形状で引くことはできるが小さい形状からデカイ形状を使って引くことはできないという点です。
写真では腕(大)に手(小)の重なり部分を引く作業なので特に心配は要らないのですが、
例えば、手(小)の重なりを腕(大)を使って引こうとすると上手くできません。
腕のパーツから手のパーツの重なり部分だけが自動的に引かれてしまいます。
そのため、大きいパーツの部分を用いてどうしても引きたいときは、
事前に大きいパーツを複製し、大きいパーツの該当箇所を別パーツ化させてからブーリアンを行うことをお勧めします。
常に引くもの・引かれるものに合わせてパーツサイズを見直すように意識しましょう。
パネルループで分割面をつくる
髪や手などSub Toolで既に別れているものはブーリアンの和と差で調整できますが
例えば脚や腕などは改めて分割ラインを決めてパーツ分けをしなければなりません。
Clip Curveなどでも分割ラインを造ることは可能ですが、私はパネルループを使って分割ラインを造っていきます。
パネルループは、ポリグループを厚みのあるパネルを持ったパーツに分割する機能です。
(パネルとエッジの言葉の使い分けに混同します…)
ハードサーフェイスものに使う分割ツールですが、パネルによってエッジを立たせられるので
ダイナメッシュをかけてみたら分割面のキワがゆるくなるといった問題を最小限に抑えられます。
(ただし、それでも少しゆるくなります。出力してからの手直しも視野に入れたほうがいいかもしれませんね。)
やり方は、
(1)分割したいラインごとにポリグループで棲み分けを行います。
(2)Geometry > EdgeLoop > Panel Loops(Loopsは3、Doubleにチェック)でパネルループを行います。
(3)Sub Tool > Split to Parts でパーツごとにSub Toolへ分けます。
(4)1つのパーツが表・パネル(厚み)・裏面と3つのポリグループによって構成されるので、
裏面を別のSub Toolに分けてDeleteします。パネル部はあってもなくてもよいです。
(5)ダイナメッシュを行い、穴を埋めます。
この一連の作業で綺麗に分割することができます。
正直、ダボを加える必要がないのであればダイナメッシュでなく、
Close HolesとZremesherを行ったほうが綺麗なエッジで分割できますが、
ダボが必要になるのでここではダイナメッシュを使用します。
狙い通りに分割ができたら、さらにダボを仕込んでいきます。
(1)Insert H Cubeのブラシなどでダボを付けます。
(2)ダイナメッシュで一体化させます。
(3)ダボ穴を開けたい部分にブーリアンの差を行います。
いかがでしょうか?手間はかかりますが、慣れてしまえば同じ作業の繰り返しです。
分割とダボができれば見た目だけでなくモノとしてもフィギュアらしくなりますよ。
明らかにテーパーが確認できればいいですが、確認しにくいところは要注意です。私も失敗してるかも・・・。
11、台座をつくる
完成間近ですが、ここで台座がないと立たない可能性が高いことが発覚しました。
真鍮線むき出しはいやなので、台座と足の間に予め支柱になるものを作りました。
台座そのものはパーツ分割の要領で作れますが、ここではアルファを用いた文字の掘り込みをご紹介します。
アルファでロゴをスタンプする
アルファを用いることで、テクスチャをペイントではなくブラシとして扱うことができます。
鱗のテクスチャやひび割れたテクスチャをDotsのストロークで用いればクリーチャーを作るのに活かせますし、
本作例のように、Drag Rectでロゴを掘り込んだりするなどアイデア次第で様々な使い方ができます。
jpgでOKですので、画像を用意し(モノクロがいい?)アルファからインポートしてセットします。
浮きあがらせるのと、掘り込むのとが同時に表面・裏面で現れますので、必要に応じてマスクをかけておきます。
また、扱うブラシによって大きなカーブができてしまいますので、その点も注意するようにして下さい。完成間近です!
12、仕上げ
モデリングとしてはこれで完成です。後は塗るなり光源を変えてみるなりして、仕上がりをチェックします。
最後に立体出力に向けた出力用の設定と保存方法をおさらいします。
なお、CGWORLDの折田さんの記事を参考にしておりますのでぜひこちらもご参照下さい。
出力ファイル用の三角ポリゴンにする
Decimation Masteを使用すると、ポリゴンを三角ポリゴンに変換し、かつ、ポリゴン数を大きく削減することができます。
全てのパーツをMarge Downにて一つのSub Toolにまとめます。
Zplugin > Decimation Maste から、Pre-process Currentでまずポリゴンの分析を行います。
次に、下部のスライダーで削減率を決めます。最後にDecimate Currentで実行します。
初めから別ソフトなどで三角ポリゴンにて造っているパーツがある場合は、Sub Toolを分けるようにしましょう。
ポリゴン数がもともと少ないものや三角ポリゴンに対して適応するとエラーが起こりやすいです。
出力予定のサイズに変更する
次にサイズの調整をします。
ZPlugin > 3D Print Exporterで出力時のサイズを指定することができます。
まず、Update Size Ratiosにて大きさの分析を行います。
次に大きさの単位を設定して、基準となる高さを指定しましょう。
Y軸を基準とした場合は、自然に幅と奥行きが決まります。
OKであれば書き出し保存を行います。
これで完成です!
いかがだったでしょうか。
まだまだ私自身勉強中ですので、これからさらに改善することがあると思いますが
3ヶ月いろいろ触ってみた感想としてCGの勉強は料理の手順を覚えるのと似ているなと思いました。
例えば、野菜炒めを作る時にフライパンに火をつけるところから始める人はいないと思います。
野菜を刻んで、フライパンを用意して、火をつけたら油を注いで、それから野菜を入れます。
それぞれのテクニックがどの工程で使われて、どのように仕上げに向かっていくのかを知ることが大事だと思います。
また、テクニックを覚えていけば、やがてありあわせの食材で料理ができたり、新しいメニューを考えたりする様に、
モデリングにもアイデアによる応用が利くようになっていくと思います。
私もまだまだ知らないことが多いのですが、少しでもこの記事が創作に役立てば幸いです。
【謝意と宣伝】
改めて、多くの方々のノウハウ紹介や過去の取り組みのおかげで
ニパ子を完成させることができました。本当にありがとうございます。
また、ニパ子の生みの親であるゴッドハンド株式会社様、
誕生のきっかけとなったコミPo!様、素敵な設定資料を描き上げてくださった小池智史氏、
ニパ子を支えている多くのファンの皆様、この場を借りて感謝致します。
今回のモデリングニパ子についてですが、
幸いにもゴッドハンド様・ローランドDG様から立体出力のテストモデルにしたいと
お声がけを頂いておりまして現在プロジェクトが進んでおります。
私自身本当に出力・組み立てができるのかハラハラしているのですが、
データに不備がなければ出力されたニパ子がお披露目されるかもしれません!
どうぞ今後のニュースにご期待下さい^^
ZBrushでニパ子をつくる(その4)
続きです。
髪を作ってとりあえずニパ子の構成要素が揃ます。
服は盛ったり削ったりだけなのと、ナットはIMM標準のものを使ってるので省略します。
後半はポーズ付けを行い、いよいよ見た目上ではニパ子完成になります。似てませんが^^;
8、髪の毛をつくる
正直、私は髪の毛が苦手です。
髪の毛はCGで見せることがメインであればファイバーメッシュなどを使うのだと思いますが、
フィギュアとして造るのであれば出力できる状態で作る必要があります。
作り方をいくつかピックアップしてみましょう。
(1) Sphere3Dから造る
(2) Extractから造る
(3) ZSphereから造る
(4) Curve Tubeから造る
他にもいろいろありそうですがこれらが無難かなぁ…と、思います。
(1) と(2)は髪の房にするには不向きなのでベースにします。
(3)は形状を細かく制御できるのでお勧めです。
スーパーバイザーさんの動画などを見ると凄く勉強になると思います。個人的には前髪にお勧め。
(4)は少しクセがありますが、ZSphereより美しい曲線でカーブを描けるのでロングな髪をつくるのに良いと思います。
今回は、前髪・こめかみ周辺(×2)・サイド(×2)・後ろと6パーツで造っていきます。
なお、上履き同様に分割パーツとは別でまず造りやすいだろうという目安でのパーツ分けになります。
ZSphereでつくる前髪
前髪からZSphereでアタリをつけていきます。一つの親スフィアから造らず
毛束のイメージを大事にいくつかのZSphereを並べて造っていきます。
なお、Altキーを押しながらMoveで動かすとZSphereをユニットごと移動できるので
位置あわせに便利です。
ZSphereをPolymesh3Dにしたら形を整えます。
MargeとDynameshで一つの前髪パーツにして、形を整えます。
Dynameshの解像度調整に注意して下さい。
房と房が一体化するところと一体化しないところが綺麗に分かれるように調整します。
また、ニパ子の場合は特に前髪が薄く平たい形になるのが望ましいと思うのでブラシで形状を整えていきます。
コピペの活用で雰囲気を保つ
こめかみ周辺やサイドは、基本前髪の複製から形を変えて合わせていきます。
髪の房のリズム(?)が全部同じだと違和感があるので、
マスク→Moveで凹まして→Zremesherなど、切れ込みを造っていきます。
生え際から、綺麗に毛先へ放射線状にのびていく感じになればOKです。
髪はキャラクターによってひねったり、跳ねかしたり、様々な造り込みがあると思うので、
これからも色々挑戦したいところです。
9、ポーズをつける
駆け足で紹介していきましたが、これでパーツが揃いました。
全体のバランスをチェックしながら、細かな修正やディティールを追加していきます。
うぐ、似てない。先は長い・・・('A`)
Transpose Masterでポーズづけ
ここで首を傾けてポーズをつけたいと思います。
首が傾くにあわせて髪パーツも追随して欲しいのでここではトランスポーズマスターという機能を使います。
バグがでやすいので保存をお忘れなく。
また、ポリゴンが多いと処理にやたら時間がかかるのとミスが起きやすいので、
一度すべてのパーツをZremesherでリトポしておくことをお勧めします。
メニューのZpluginからTranspose Masterを開きます。
Transpose Master > TPoseMesh で、一度全てのSub Tool が一つになります。
ここから、首から下のパーツにマスクをかけ顔と髪を曲げます。
TPose SubTのボタンを押すと再び元のSub Toolに戻りますが、
傾けたパーツが全て追随して曲がります。
体のポーズもトランスポーズマスターで服装ごとできるので非常に便利です。
トランスポーズマスターからリグを仕込んで曲げることもできます。
ただ、やりなおしができないので、必ず保存してから作業するようにして下さい。
また、肘を曲げたりする場合などメッシュがぬるくなりがちなので、
あまり一発できれいに曲げるのは期待しないほうが良いです。
いかがでしょうか?微調整はいろいろ必要かと思いますが、
ぱっと見の画面上では完成したと思います。
ポリペイントで色をつけたりして仕上がりをさらにチェックしましょう。
記事が長くなるので今回はここまで。
次回は分割と仕上げを紹介していきます。
髪を作ってとりあえずニパ子の構成要素が揃ます。
服は盛ったり削ったりだけなのと、ナットはIMM標準のものを使ってるので省略します。
後半はポーズ付けを行い、いよいよ見た目上ではニパ子完成になります。似てませんが^^;
8、髪の毛をつくる
正直、私は髪の毛が苦手です。
髪の毛はCGで見せることがメインであればファイバーメッシュなどを使うのだと思いますが、
フィギュアとして造るのであれば出力できる状態で作る必要があります。
作り方をいくつかピックアップしてみましょう。
(1) Sphere3Dから造る
(2) Extractから造る
(3) ZSphereから造る
(4) Curve Tubeから造る
他にもいろいろありそうですがこれらが無難かなぁ…と、思います。
(1) と(2)は髪の房にするには不向きなのでベースにします。
(3)は形状を細かく制御できるのでお勧めです。
スーパーバイザーさんの動画などを見ると凄く勉強になると思います。個人的には前髪にお勧め。
(4)は少しクセがありますが、ZSphereより美しい曲線でカーブを描けるのでロングな髪をつくるのに良いと思います。
今回は、前髪・こめかみ周辺(×2)・サイド(×2)・後ろと6パーツで造っていきます。
なお、上履き同様に分割パーツとは別でまず造りやすいだろうという目安でのパーツ分けになります。
ZSphereでつくる前髪
前髪からZSphereでアタリをつけていきます。一つの親スフィアから造らず
毛束のイメージを大事にいくつかのZSphereを並べて造っていきます。
なお、Altキーを押しながらMoveで動かすとZSphereをユニットごと移動できるので
位置あわせに便利です。
ZSphereをPolymesh3Dにしたら形を整えます。
MargeとDynameshで一つの前髪パーツにして、形を整えます。
Dynameshの解像度調整に注意して下さい。
房と房が一体化するところと一体化しないところが綺麗に分かれるように調整します。
また、ニパ子の場合は特に前髪が薄く平たい形になるのが望ましいと思うのでブラシで形状を整えていきます。
コピペの活用で雰囲気を保つ
こめかみ周辺やサイドは、基本前髪の複製から形を変えて合わせていきます。
髪の房のリズム(?)が全部同じだと違和感があるので、
マスク→Moveで凹まして→Zremesherなど、切れ込みを造っていきます。
生え際から、綺麗に毛先へ放射線状にのびていく感じになればOKです。
髪はキャラクターによってひねったり、跳ねかしたり、様々な造り込みがあると思うので、
これからも色々挑戦したいところです。
9、ポーズをつける
駆け足で紹介していきましたが、これでパーツが揃いました。
全体のバランスをチェックしながら、細かな修正やディティールを追加していきます。
うぐ、似てない。先は長い・・・('A`)
Transpose Masterでポーズづけ
ここで首を傾けてポーズをつけたいと思います。
首が傾くにあわせて髪パーツも追随して欲しいのでここではトランスポーズマスターという機能を使います。
バグがでやすいので保存をお忘れなく。
また、ポリゴンが多いと処理にやたら時間がかかるのとミスが起きやすいので、
一度すべてのパーツをZremesherでリトポしておくことをお勧めします。
メニューのZpluginからTranspose Masterを開きます。
Transpose Master > TPoseMesh で、一度全てのSub Tool が一つになります。
ここから、首から下のパーツにマスクをかけ顔と髪を曲げます。
TPose SubTのボタンを押すと再び元のSub Toolに戻りますが、
傾けたパーツが全て追随して曲がります。
体のポーズもトランスポーズマスターで服装ごとできるので非常に便利です。
トランスポーズマスターからリグを仕込んで曲げることもできます。
ただ、やりなおしができないので、必ず保存してから作業するようにして下さい。
また、肘を曲げたりする場合などメッシュがぬるくなりがちなので、
あまり一発できれいに曲げるのは期待しないほうが良いです。
いかがでしょうか?微調整はいろいろ必要かと思いますが、
ぱっと見の画面上では完成したと思います。
ポリペイントで色をつけたりして仕上がりをさらにチェックしましょう。
記事が長くなるので今回はここまで。
次回は分割と仕上げを紹介していきます。
ZBrushでニパ子をつくる(その3)
続きです。
大まかな顔と素体ができたという前提で手や洋服を作っていきます。
髪も速く作りたいですが、私が苦手なので後回しにしてます。
でも、全体的なプロポーションを優先して造ったほうが結果いいんじゃないかと思いますね。
5、手をつくる
ZSphereで造る皮(メッシュ)と骨(リグ)
手は単体で形状が複雑なので別パーツにしています。
複雑とは言っても素体同様ZSphereでベースを造る工程は同じです。
ただ、今回は軽く握った手にしたいので、開いた手の形を作ってからリグを使って曲げていきます。
ToolとSub Toolって最初違いがわからないですよね・・・
今回は、F1キーでZSphereを選択しTool単体で球と枝を使って手の形にしていきます。
Sub Tool > Appendで追加はしません。最初はToolとSub Toolの区別に迷いますが、
Toolがまずあって、ToolにはSub Toolを設けることができます。
Toolの横に数字があればそのToolはSub Toolを持ったToolとなります。
ZSphereは皮にも骨にもなる優れものですね!
Make Adaptive Skinでポリゴン化し、手の形が大まかにできたら(形状が乱れるのでまだ大まかにでOK)
再びF1キーからZSphereを用意します。
ZSphereを選択し、Rigging > Select Meshで先ほど作った手を選択します。
すると、透明な手のモデルが現れるので、その手に指の骨(=リグ)を埋め込みます。
Bind Meshを選択すると、リグの動きにメッシュが追随するようになります。
リグを用いて指のポーズをつけていきます。
リグの注意点は、間接の曲がるところがゆるく歪むことです。
リグのつけ方が上手いともう少し綺麗に曲げられるのでしょうか…。
とりあえず、大まかに形を作って、Adaptive Skin > Preview > Make Adaptive Skinで
握ったポーズをポリゴン化させます。Polymesh3Dにして、形状を整えたら完成です。
尚、素体のポーズ付けも同じ方法で行うことができます。
また、後述するトランスポーズマスターでも活用できますのでぜひ覚えておくと良いです。
コピペはデジタルの十八番
元のToolに戻って、Sub Tool > Appendから先ほどの手を追加します。
大きさを修正して適切に配置します。
片手ができたら反対は複製→ミラー反転でOKです。
目・耳・手・足と、作業が基本半分で済むのはやっぱり便利ですね。
6、スカートをつくる
全体的なイメージができてきたので、パーツごとの作りこみに入っていきます。
パーツといってもまだフィギュアでいう分割などはあまり気にしません。
あくまで、ZBrush的に作りやすい単位での部品作りという意味合いです。
見よう見まねスカート作成術の巻
今回はスカートから作って行きます。
なお、スカートの作成は榊馨氏のスピードスカルプト動画を参照してます。Part2からですね。
(榊さん、いつも勉強させて頂いております。ありがとうございます!)
自分なりに技を盗んだだけのものなので、解釈が間違っている可能性も大です。
紹介する他の方法も元は上手い人の動画や解説を見て、自分で試して自分で納得して覚えてました。
なので、改めてプロの方のワークフローもよく確認のうえ、作業手順を検証して頂ければ幸いです。
ZSphereを追加し、腰まわりを覆います。
Adaptive Skin > Preview で具合をチェックし、OKなら Make Adaptive Skinで
ポリゴン化します。Polymesh3Dにするのもお忘れなく。
この状態から、腰にあたる部分からスカートの裾にする部分だけを残したいので、
選択してサブツールに分けます。やり方は色々あると思いますが、
主に2つの中から選ぶことになるのではないでしょうか?
■マスクからのSplit
Mask Pen で必要箇所を塗る →Sub Tool > Split to Masked Points
■ビジビリティからのSplit
Select Rect で必要箇所のみを可視化 →Sub Tool > Split Hidden
脇のあたりや股の間など、今後もマスクやビジビリティを使って編集することが多そうなときは
ポリグループにしておくとCtrl+Shift+クリックだけで必要箇所を抜き出せる様になるので便利です。
■ショートカットキー> ポリグループの割り当て
マスクもしくはビジビリティで選択した状態で Ctrl+W
不要な部分はDeleteし、スカートの元になる円錐状の筒ができたら
MoveやScaleなどで大きさや位置の調整を行います。
(この写真だと腰部分の面になるポリゴンも削除しちゃってますね。Close Holesで埋めたり修正はデキマス!)
スカートといえば折り目
次にスカートの折り目を作って行きます。
今回は少しポリゴンが足らないので一度Divide。
言葉にしてもわかり辛いところがありますが、折り目に作りはマスクを活用します。
Mask Pen+Lassoにして、2列ごとにマスクをかけては反転(Ctrl+空のキャンバスをクリック)して、
2列だけを編集できるようにします。
選択した2列に対してMoveで選択し、裾の位置を動かします。
これをぐるっと一周するまで繰り返します。…結構めんどうくさいw
注意するのは、正面から行うと知らない間に奥側のメッシュまで選択していることがあるので、
なるべく上からの視点で操作するのが良いです。
細かいですが、マテリアルをMat Cap Materialの欄にあるものでなく、Standard Materialの欄のものに変更し、
ライトの位置を下から当てるようにすると作業視野の確保が楽になります。
カメラをよく動かすこととライトをよく動かすことは、造形の粗探しにも役立つのでぜひやってみて下さい。
Morph Targetで厚みをつける!
どうでしょう?スカートらしくなればOKです。
あとはポーズにあわせて、スカートを適度に歪ませたりしてみて下さい。
丸々包まれているよりは太ももなどに触れている部分やなびいて膨らんでいる部分などが表現されていると
スカートっぽく見えるらしいです。
スカートの外見ができたら、立体出力向けに厚みをつける作業に入ります。
スカートの厚みはMorph Targetを使うのが便利です。
Morph Targetは、現在の形状を一旦記憶し、変更を加えた形状の間をスライダーで管理して
最適な形状を狙っていく…みたいな機能だと思うのですが
Create Different Meshというボタンを押すと、
変更前の形状と変更後の形状と、その間を繋ぐメッシュによる立体が一つ造れます。
早い話が、スカートの外側とスカートの内側と厚みを造ることができます。
Morph Target > Store MT でスタートを決めます。
Deformation > Inflateで膨らませます。縮めないように注意。
適当に膨らませたところでCreate Different Meshを選択。
そうすると、新しいToolが増えているので形状を確認して下さい。
OKであればSub Toolに追加しましょう。
きっとやり方は一つじゃないですが・・・
腰などの干渉に問題がないかチェックします。緩くても出力した時に落ちてしまうので
ピタッとはまるラインを目指して行きます。形状によってはClose Holesでスカートの
腰部分を埋めてから厚みをつけたほうがいいかもしれません。
ここはパーツ分割したらどうなるだろうかというところも意識して操作されて下さい。
納得するまでトライアンドエラーを繰り返したらスカート完成です!
7、靴下・上履き・スカーフをつくる
Curve Tube取扱いのコツ
次は靴下と上履き、スカーフを作っていきます。
靴下ははいているような雰囲気を、細いCurve Tubeで表現します。
Curve Tubeは通常、カーブを描いてつくる(?)ブラシになりますが、
どうも思い通りにカーブが描けず私は悲しくなります。
でも、Shiftを押しながら、キャンバス外へ引っ張っていくと自動的にくるっと形状を囲むようなモードになります!
この状態で靴下のゴムになる部分を指定するときれいに靴下を履いたような感じになります。
また、カーブの検知は上メニューのStrokeにあるCurve Functionsからも行えます。
私が良く使うのはポリグループで境界面になる部分を作りFrame Mesh(Polygroups)を行う方法です。
こちらを用いれば、筒ではない複雑な形状にもカーブを施すことができます。
フリーハンドではなかなか制御しにくいカーブ系のブラシですが、カーブを事前に設定する方法を覚えると
とても強力なブラシになります。ぜひ試してみて下さい。
ZRemesherがよいかDynameshがよいか?
続いて上履きをつくります。
足および上履きはSphere3Dを追加して作りました。
こちらは、おおまかな形状ができたらZRemesherでトポロジーを整えて調整しました。
なお、シンメトリー機能をオンにしてZRemesherを行うときれいなシンメトリーで
リトポロジーされますのでぜひ必要に応じて使ってみてください。
ZRemesherは、自動的にトポロジーを整えてくれる強力な機能です。
初めはスライド1(1,000ポリゴン)くらいでも良いと思いますし、大きなパーツであれば3~5。
複雑な形状があれば5~10。もうできるだけ形状を維持しておきたいなら10~15。ん~?どうでしょう。
感覚的なものですが、Dynamesh同様、DivideでフォローするのかZRemesherそのもので形を確定していくのか
形状や作業の段階に応じて判断していける様に練習すると良いと思います。
Dynameshは、スカルプトを行いやすくなるよう均一にメッシュを並べてくれますが、
ZRemesherの場合には、細かい部分、大まかな部分、でっぱっている、ひっこんでいるなど
モデリングにあわせてメッシュを並べてくれます。
そのため、ゆるやかでもエッジを立たせたい形状を作っていく場合にはZRemesherを活用していくのが良いと思います。
もちろん、細かなシワを作り出したりする際にはDynameshの方が良いかもしれませんし、
機械パーツのような本当にエッジが大事になるモデリングはまた別のアプローチが必要になると思います。
(私の場合はライノセラスというソフトにソフトごと変えます。秋のZBrush4R7で仕様が大きく変わるかも!)
メッシュを均等に配置して、かつ、一つの塊になろうとするDynameshと、
エッジがどこにあるかを検知して、かつ、単純化したポリゴンになろうとするZRemesher
二つの強力なリトポロジー機能の「違い」を体感できる様になるといいと思います。
多くはDynameshで大まかにつくってZRemesherで整えて、Divideで造りこむの流れが正統派だと思います。
頭や素体部も必要にあわせてどちらも使っています。分割・仕上げになると、その都度行ったり来たりします。
移動だけがMoveじゃない!
上履きの靴底は、大きく形の元になるものを作ってから、Moveを使って作ります。
真ん中の白いハンドルを動かすと移動になりますが、引いた手前のハンドルを動かすと
形状を復元するような動きに変わります。これを用いて垂直になるイメージで形状を引き出して造ります。
ZRemesherでトポロジーをチェックしながら造りこんで完成です。
片足ができたら反対は複製→ミラー反転でOKです。
最後に分割する可能性もありますが、一先ずDynameshで胴と一体化させています。
Marge downでSub Toolに一まとめにし、Dynameshをかけるとブーリアンの和になります。
ブーリアンは分割パートでもう少しだけ触れます。
Extractで覆うものをつくる
最後にスカーフのパーツです。服は省略します。
おおまかに服の形ができたら、スカーフになる目安の部分にマスクをかけます。
Sub Tool > Extract を使うと、マスクをかけた部分に厚みのついたポリゴンが新たにできます。
こちらもZRemesherでトポロジーを追っかけながら造りこみをしました。
シワっぽさはブラシで頑張っています。出っ張る感じはStandardブラシとFlattenブラシ。
潜る感じはDam Standardブラシでやっています。ここはまだまだ勉強が必要です。
あと、薄くなりすぎて上手く触れん!というときはInflatブラシで一度膨らませてから
ブラシで整え、ZRemesherをかけると割と復旧できます。
Back face maskで作業効率を高める
薄い生地を触ると表面だけ直したいのに裏面まで変わってしまうということがあると思います。
そんな時には、BrushメニューからAuto Masking > Back face mask をオンにすると
いちいちマスクをかけなくても自動的に裏面にマスク的な処理が施されながらスカルプトを施すことができます。
これは便利なのでぜひ使ってみて下さい。
服や小物を作ってみると、スカルプトとは少し違う様々な機能を覚えることになります。
これらの機能は素体作りにも活かせるものばかりなのでぜひいろいろ試してみて下さい。
記事が長くなるので今回はここまで。
次回は髪の毛とポーズ決めを紹介していきます。
大まかな顔と素体ができたという前提で手や洋服を作っていきます。
髪も速く作りたいですが、私が苦手なので後回しにしてます。
でも、全体的なプロポーションを優先して造ったほうが結果いいんじゃないかと思いますね。
5、手をつくる
ZSphereで造る皮(メッシュ)と骨(リグ)
手は単体で形状が複雑なので別パーツにしています。
複雑とは言っても素体同様ZSphereでベースを造る工程は同じです。
ただ、今回は軽く握った手にしたいので、開いた手の形を作ってからリグを使って曲げていきます。
ToolとSub Toolって最初違いがわからないですよね・・・
今回は、F1キーでZSphereを選択しTool単体で球と枝を使って手の形にしていきます。
Sub Tool > Appendで追加はしません。最初はToolとSub Toolの区別に迷いますが、
Toolがまずあって、ToolにはSub Toolを設けることができます。
Toolの横に数字があればそのToolはSub Toolを持ったToolとなります。
ZSphereは皮にも骨にもなる優れものですね!
Make Adaptive Skinでポリゴン化し、手の形が大まかにできたら(形状が乱れるのでまだ大まかにでOK)
再びF1キーからZSphereを用意します。
ZSphereを選択し、Rigging > Select Meshで先ほど作った手を選択します。
すると、透明な手のモデルが現れるので、その手に指の骨(=リグ)を埋め込みます。
Bind Meshを選択すると、リグの動きにメッシュが追随するようになります。
リグを用いて指のポーズをつけていきます。
リグの注意点は、間接の曲がるところがゆるく歪むことです。
リグのつけ方が上手いともう少し綺麗に曲げられるのでしょうか…。
とりあえず、大まかに形を作って、Adaptive Skin > Preview > Make Adaptive Skinで
握ったポーズをポリゴン化させます。Polymesh3Dにして、形状を整えたら完成です。
尚、素体のポーズ付けも同じ方法で行うことができます。
また、後述するトランスポーズマスターでも活用できますのでぜひ覚えておくと良いです。
コピペはデジタルの十八番
元のToolに戻って、Sub Tool > Appendから先ほどの手を追加します。
大きさを修正して適切に配置します。
片手ができたら反対は複製→ミラー反転でOKです。
目・耳・手・足と、作業が基本半分で済むのはやっぱり便利ですね。
6、スカートをつくる
全体的なイメージができてきたので、パーツごとの作りこみに入っていきます。
パーツといってもまだフィギュアでいう分割などはあまり気にしません。
あくまで、ZBrush的に作りやすい単位での部品作りという意味合いです。
見よう見まねスカート作成術の巻
今回はスカートから作って行きます。
なお、スカートの作成は榊馨氏のスピードスカルプト動画を参照してます。Part2からですね。
(榊さん、いつも勉強させて頂いております。ありがとうございます!)
自分なりに技を盗んだだけのものなので、解釈が間違っている可能性も大です。
紹介する他の方法も元は上手い人の動画や解説を見て、自分で試して自分で納得して覚えてました。
なので、改めてプロの方のワークフローもよく確認のうえ、作業手順を検証して頂ければ幸いです。
ZSphereを追加し、腰まわりを覆います。
Adaptive Skin > Preview で具合をチェックし、OKなら Make Adaptive Skinで
ポリゴン化します。Polymesh3Dにするのもお忘れなく。
この状態から、腰にあたる部分からスカートの裾にする部分だけを残したいので、
選択してサブツールに分けます。やり方は色々あると思いますが、
主に2つの中から選ぶことになるのではないでしょうか?
■マスクからのSplit
Mask Pen で必要箇所を塗る →Sub Tool > Split to Masked Points
■ビジビリティからのSplit
Select Rect で必要箇所のみを可視化 →Sub Tool > Split Hidden
脇のあたりや股の間など、今後もマスクやビジビリティを使って編集することが多そうなときは
ポリグループにしておくとCtrl+Shift+クリックだけで必要箇所を抜き出せる様になるので便利です。
■ショートカットキー> ポリグループの割り当て
マスクもしくはビジビリティで選択した状態で Ctrl+W
不要な部分はDeleteし、スカートの元になる円錐状の筒ができたら
MoveやScaleなどで大きさや位置の調整を行います。
(この写真だと腰部分の面になるポリゴンも削除しちゃってますね。Close Holesで埋めたり修正はデキマス!)
スカートといえば折り目
次にスカートの折り目を作って行きます。
今回は少しポリゴンが足らないので一度Divide。
言葉にしてもわかり辛いところがありますが、折り目に作りはマスクを活用します。
Mask Pen+Lassoにして、2列ごとにマスクをかけては反転(Ctrl+空のキャンバスをクリック)して、
2列だけを編集できるようにします。
選択した2列に対してMoveで選択し、裾の位置を動かします。
これをぐるっと一周するまで繰り返します。…結構めんどうくさいw
注意するのは、正面から行うと知らない間に奥側のメッシュまで選択していることがあるので、
なるべく上からの視点で操作するのが良いです。
細かいですが、マテリアルをMat Cap Materialの欄にあるものでなく、Standard Materialの欄のものに変更し、
ライトの位置を下から当てるようにすると作業視野の確保が楽になります。
カメラをよく動かすこととライトをよく動かすことは、造形の粗探しにも役立つのでぜひやってみて下さい。
Morph Targetで厚みをつける!
どうでしょう?スカートらしくなればOKです。
あとはポーズにあわせて、スカートを適度に歪ませたりしてみて下さい。
丸々包まれているよりは太ももなどに触れている部分やなびいて膨らんでいる部分などが表現されていると
スカートっぽく見えるらしいです。
スカートの外見ができたら、立体出力向けに厚みをつける作業に入ります。
スカートの厚みはMorph Targetを使うのが便利です。
Morph Targetは、現在の形状を一旦記憶し、変更を加えた形状の間をスライダーで管理して
最適な形状を狙っていく…みたいな機能だと思うのですが
Create Different Meshというボタンを押すと、
変更前の形状と変更後の形状と、その間を繋ぐメッシュによる立体が一つ造れます。
早い話が、スカートの外側とスカートの内側と厚みを造ることができます。
Morph Target > Store MT でスタートを決めます。
Deformation > Inflateで膨らませます。縮めないように注意。
適当に膨らませたところでCreate Different Meshを選択。
そうすると、新しいToolが増えているので形状を確認して下さい。
OKであればSub Toolに追加しましょう。
きっとやり方は一つじゃないですが・・・
腰などの干渉に問題がないかチェックします。緩くても出力した時に落ちてしまうので
ピタッとはまるラインを目指して行きます。形状によってはClose Holesでスカートの
腰部分を埋めてから厚みをつけたほうがいいかもしれません。
ここはパーツ分割したらどうなるだろうかというところも意識して操作されて下さい。
納得するまでトライアンドエラーを繰り返したらスカート完成です!
7、靴下・上履き・スカーフをつくる
Curve Tube取扱いのコツ
次は靴下と上履き、スカーフを作っていきます。
靴下ははいているような雰囲気を、細いCurve Tubeで表現します。
Curve Tubeは通常、カーブを描いてつくる(?)ブラシになりますが、
どうも思い通りにカーブが描けず私は悲しくなります。
でも、Shiftを押しながら、キャンバス外へ引っ張っていくと自動的にくるっと形状を囲むようなモードになります!
この状態で靴下のゴムになる部分を指定するときれいに靴下を履いたような感じになります。
また、カーブの検知は上メニューのStrokeにあるCurve Functionsからも行えます。
私が良く使うのはポリグループで境界面になる部分を作りFrame Mesh(Polygroups)を行う方法です。
こちらを用いれば、筒ではない複雑な形状にもカーブを施すことができます。
フリーハンドではなかなか制御しにくいカーブ系のブラシですが、カーブを事前に設定する方法を覚えると
とても強力なブラシになります。ぜひ試してみて下さい。
ZRemesherがよいかDynameshがよいか?
続いて上履きをつくります。
足および上履きはSphere3Dを追加して作りました。
こちらは、おおまかな形状ができたらZRemesherでトポロジーを整えて調整しました。
なお、シンメトリー機能をオンにしてZRemesherを行うときれいなシンメトリーで
リトポロジーされますのでぜひ必要に応じて使ってみてください。
ZRemesherは、自動的にトポロジーを整えてくれる強力な機能です。
初めはスライド1(1,000ポリゴン)くらいでも良いと思いますし、大きなパーツであれば3~5。
複雑な形状があれば5~10。もうできるだけ形状を維持しておきたいなら10~15。ん~?どうでしょう。
感覚的なものですが、Dynamesh同様、DivideでフォローするのかZRemesherそのもので形を確定していくのか
形状や作業の段階に応じて判断していける様に練習すると良いと思います。
Dynameshは、スカルプトを行いやすくなるよう均一にメッシュを並べてくれますが、
ZRemesherの場合には、細かい部分、大まかな部分、でっぱっている、ひっこんでいるなど
モデリングにあわせてメッシュを並べてくれます。
そのため、ゆるやかでもエッジを立たせたい形状を作っていく場合にはZRemesherを活用していくのが良いと思います。
もちろん、細かなシワを作り出したりする際にはDynameshの方が良いかもしれませんし、
機械パーツのような本当にエッジが大事になるモデリングはまた別のアプローチが必要になると思います。
(私の場合はライノセラスというソフトにソフトごと変えます。秋のZBrush4R7で仕様が大きく変わるかも!)
メッシュを均等に配置して、かつ、一つの塊になろうとするDynameshと、
エッジがどこにあるかを検知して、かつ、単純化したポリゴンになろうとするZRemesher
二つの強力なリトポロジー機能の「違い」を体感できる様になるといいと思います。
多くはDynameshで大まかにつくってZRemesherで整えて、Divideで造りこむの流れが正統派だと思います。
頭や素体部も必要にあわせてどちらも使っています。分割・仕上げになると、その都度行ったり来たりします。
移動だけがMoveじゃない!
上履きの靴底は、大きく形の元になるものを作ってから、Moveを使って作ります。
真ん中の白いハンドルを動かすと移動になりますが、引いた手前のハンドルを動かすと
形状を復元するような動きに変わります。これを用いて垂直になるイメージで形状を引き出して造ります。
ZRemesherでトポロジーをチェックしながら造りこんで完成です。
片足ができたら反対は複製→ミラー反転でOKです。
最後に分割する可能性もありますが、一先ずDynameshで胴と一体化させています。
Marge downでSub Toolに一まとめにし、Dynameshをかけるとブーリアンの和になります。
ブーリアンは分割パートでもう少しだけ触れます。
Extractで覆うものをつくる
最後にスカーフのパーツです。服は省略します。
おおまかに服の形ができたら、スカーフになる目安の部分にマスクをかけます。
Sub Tool > Extract を使うと、マスクをかけた部分に厚みのついたポリゴンが新たにできます。
こちらもZRemesherでトポロジーを追っかけながら造りこみをしました。
シワっぽさはブラシで頑張っています。出っ張る感じはStandardブラシとFlattenブラシ。
潜る感じはDam Standardブラシでやっています。ここはまだまだ勉強が必要です。
あと、薄くなりすぎて上手く触れん!というときはInflatブラシで一度膨らませてから
ブラシで整え、ZRemesherをかけると割と復旧できます。
Back face maskで作業効率を高める
薄い生地を触ると表面だけ直したいのに裏面まで変わってしまうということがあると思います。
そんな時には、BrushメニューからAuto Masking > Back face mask をオンにすると
いちいちマスクをかけなくても自動的に裏面にマスク的な処理が施されながらスカルプトを施すことができます。
これは便利なのでぜひ使ってみて下さい。
服や小物を作ってみると、スカルプトとは少し違う様々な機能を覚えることになります。
これらの機能は素体作りにも活かせるものばかりなのでぜひいろいろ試してみて下さい。
記事が長くなるので今回はここまで。
次回は髪の毛とポーズ決めを紹介していきます。
ZBrushでニパ子をつくる(その2)
続きです!
フィギュアにする為のモデリングに特化して、作業工程を追いながら
便利な機能を紹介していく感じで更新して行きたいと思います。
まだ、最後のほうの記事が白紙ですが・・・。
3、瞳をいれる
顔の輪郭や鼻などが一通りイメージに近づいてきたら瞳をいれてみましょう。
アニメ顔にある瞳と実際の人間の瞳はかなり形状が違うので、参考にするかしないかは造りたいものによって
異なると思いますが、私の場合は位置合わせとその修正がしやすいと思うので眼球を別に作るほうが好きです。
Sub ToolからAppendで新たに球体を作ります。
作成した球体をSub Toolで選んで眼球の成形と位置合わせを行います。
キャラ顔の場合少し平たくして、傾斜をつけたほうが良いです。
綺麗な球形状だと目玉が飛び出たような表情になってしまうのでかなり怖いです(笑)
■ショートカット Altキー+左クリック で選択したサブツールに切り替え
Ctrl+Alt+D で選択中のサブツールを複製
片目の位置が決まったら、ショートカットキーもしくはSub Tool > Duplicationで複製します。
さらに、Deformation > Mirror で左右対称にします。
右目と左目が別々のパーツだと位置合わせの修正がしにくいので、
Sub Tool > Marge からMarge Downを選び、左右の目を一つのサブツールにします。
この操作はまだ簡単ですが、Marge Downを行うとCrtl+Zで戻れなくなるので
Tool > Save As で操作する前に一度保存を行う習慣をつけておくことをお勧めします。
■ 光源の位置や背景画像など全て保存したい時はFileでZプロジェクトを保存
とりあえず、Sub Toolを保存したい時はToolからZtoolを保存
■ショートカット Crtl+Z 戻る
Shift+Crtl+Z 進む (Ctrl+Yじゃないのね)
顔に眼球がつくとだいぶフィギュアっぽくなります。
形状は複雑になりますが耳も同様の流れで配置するといいと思います。
Spotlightでテクスチャーを転写する
眼球については特に顔の特徴を決めるものになるのでさらに一手間かけます。
造りたいキャラクターの正面イラストがある場合ですが、イラストをモデルに転写することが可能です。
Texture > Import で画像ファイルを開き、Textureとして選択します。
さらに+/-マークのついた、Add to Spotlight でSpotlightを起動させます。
丸いリングを動かすと選択したテクスチャーを動かせます。
周りのボタンで拡大・縮小や傾き、透明度の調整ができますのでこれで瞳にあわせます。
逆に、瞳の間隔が左右で開きすぎている時などはSpotlightを閉じてMove(Moveブラシではない)で間隔を調整します。
※ 細かいですが、Spotlight起動中に無理矢理形状をいじろうとするとZBrushがよく落ちるので操作に注意してください。
位置がばちっと決まったら、Zキーを押して転写できるようにします。
Penブラシを用いて転写していきます。ポリペイント扱いになるので
メッシュの数が少ないとぼけた感じになるため、事前にDivideしておくと良いでしょう。
転写できたらTextureに戻りTextureをオフにします。
目の位置が決まれば一気にキャラクターらしくなるのでお勧めです。
4、素体をつくる
顔がそれっぽくなってきたところで(全体のバランスもあるのでほどほどでいいですよ)
素体を造ります。人間は胴体・両腕・両足と細長い形状が左右対称に生えている(?)ので、
顔の様に一つの球体から造っていくのは面倒臭いです。
ここではZSphereを用いてモデリングを行います。
ZSphereでモデリング
Sub Tool > Append でZSphereを新たに追加します。
詳しい操作方法はここでは省略しますが、ポリゴンとは異なるもので
Sphere(球)とLink Sphere(枝)を繋いでいくことで形状を造る操作になります。
■ZSphere Adaptive Skinのベースとしてポリゴンをつくる
Riggingとしてポーズつけのリグのベースとなる
手動でトポロジーを修正する際のガイドとなる
球と枝の組み合わせでできる作業を一挙に担っているイメージでしょうか。
粘土でいうところのポーズづけに使う針金のポジションがZSphereの主な役どころです。
間接になる部分にSphereを配置して素体を造ります。
参考になるイラストがあれば、そのイラストに合わせて配置するといいでしょう。
参考にするイラストがなければ、ZBrushに付いているマネキンのモデルに照らし合わせて
適切な長さにするといいと思います。
(↑補足画像です。前の画像に表示されているニパ子背景の出し方です)
頭身や間接の位置を考えておくのが大事です
基本的にはシンメトリーを活かしてTポーズで造るといいのですが、
今回はポーズのチェックがしやすい三面図状態でイラストがあるので初めから
左右非対称にポーズをつけにいきます。
でも、左右の腕の長さがバラバラではいけませんので、シンメトリー機能で長さを同じに
揃えてから、曲げる(回転)操作だけでポーズをつけるようにします。
また、顔は微調整が必要になるのでこの段階では真っ直ぐのままにしておきます。
あと、重要なのは頭身です。ポーズや間接の長さに目が行きがちですが
ここで頭身を決めておくことが大切です。
Polymesh3D化させるのを忘れずに
ポーズが決まったら、ZSphereをPolymesh3Dにします。
Adaptive Skin > Previewでポリゴンのイメージを確認し、OKならMake Adaptive Skinでポリゴン化します。
要注意なのは、この状態ではまだサブディビジョンレベルを保持したDivideの機能が使えません。
ToolにあるMake Polymash3DをクリックしてPolymesh3D化させて下さい。
画面からこれまで造ったツールが消えてしまい慌てますが、
Toolから複数のSub toolが存在するToolを再度選択すれば元に戻ります。
残ったままのPolymesh3DでないモデルはDeleteして改めて、
Polymesh3DになったモデルをAppendで追加します。
少々手間がかかりますが、Polymesh3Dであれば顔同様、サブディビジョンレベルを行き来して
モデリングができる様になるので必ず行うようにして下さい。
無事、Polymesh3Dになったら必要に応じてダイナメッシュやDivideを行いながら
ブラシツールで形状を整えていきます。まずは服のことはあまり考えず素体としての
大まかな形を整えていければOKです。
記事が長くなるので今回はここまで。
次回は手や服のパーツを作るところから紹介していきます。
フィギュアにする為のモデリングに特化して、作業工程を追いながら
便利な機能を紹介していく感じで更新して行きたいと思います。
まだ、最後のほうの記事が白紙ですが・・・。
3、瞳をいれる
顔の輪郭や鼻などが一通りイメージに近づいてきたら瞳をいれてみましょう。
アニメ顔にある瞳と実際の人間の瞳はかなり形状が違うので、参考にするかしないかは造りたいものによって
異なると思いますが、私の場合は位置合わせとその修正がしやすいと思うので眼球を別に作るほうが好きです。
Sub ToolからAppendで新たに球体を作ります。
作成した球体をSub Toolで選んで眼球の成形と位置合わせを行います。
キャラ顔の場合少し平たくして、傾斜をつけたほうが良いです。
綺麗な球形状だと目玉が飛び出たような表情になってしまうのでかなり怖いです(笑)
■ショートカット Altキー+左クリック で選択したサブツールに切り替え
Ctrl+Alt+D で選択中のサブツールを複製
片目の位置が決まったら、ショートカットキーもしくはSub Tool > Duplicationで複製します。
さらに、Deformation > Mirror で左右対称にします。
右目と左目が別々のパーツだと位置合わせの修正がしにくいので、
Sub Tool > Marge からMarge Downを選び、左右の目を一つのサブツールにします。
この操作はまだ簡単ですが、Marge Downを行うとCrtl+Zで戻れなくなるので
Tool > Save As で操作する前に一度保存を行う習慣をつけておくことをお勧めします。
■ 光源の位置や背景画像など全て保存したい時はFileでZプロジェクトを保存
とりあえず、Sub Toolを保存したい時はToolからZtoolを保存
■ショートカット Crtl+Z 戻る
Shift+Crtl+Z 進む (Ctrl+Yじゃないのね)
顔に眼球がつくとだいぶフィギュアっぽくなります。
形状は複雑になりますが耳も同様の流れで配置するといいと思います。
Spotlightでテクスチャーを転写する
眼球については特に顔の特徴を決めるものになるのでさらに一手間かけます。
造りたいキャラクターの正面イラストがある場合ですが、イラストをモデルに転写することが可能です。
Texture > Import で画像ファイルを開き、Textureとして選択します。
さらに+/-マークのついた、Add to Spotlight でSpotlightを起動させます。
丸いリングを動かすと選択したテクスチャーを動かせます。
周りのボタンで拡大・縮小や傾き、透明度の調整ができますのでこれで瞳にあわせます。
逆に、瞳の間隔が左右で開きすぎている時などはSpotlightを閉じてMove(Moveブラシではない)で間隔を調整します。
※ 細かいですが、Spotlight起動中に無理矢理形状をいじろうとするとZBrushがよく落ちるので操作に注意してください。
位置がばちっと決まったら、Zキーを押して転写できるようにします。
Penブラシを用いて転写していきます。ポリペイント扱いになるので
メッシュの数が少ないとぼけた感じになるため、事前にDivideしておくと良いでしょう。
転写できたらTextureに戻りTextureをオフにします。
目の位置が決まれば一気にキャラクターらしくなるのでお勧めです。
4、素体をつくる
顔がそれっぽくなってきたところで(全体のバランスもあるのでほどほどでいいですよ)
素体を造ります。人間は胴体・両腕・両足と細長い形状が左右対称に生えている(?)ので、
顔の様に一つの球体から造っていくのは面倒臭いです。
ここではZSphereを用いてモデリングを行います。
ZSphereでモデリング
Sub Tool > Append でZSphereを新たに追加します。
詳しい操作方法はここでは省略しますが、ポリゴンとは異なるもので
Sphere(球)とLink Sphere(枝)を繋いでいくことで形状を造る操作になります。
■ZSphere Adaptive Skinのベースとしてポリゴンをつくる
Riggingとしてポーズつけのリグのベースとなる
手動でトポロジーを修正する際のガイドとなる
球と枝の組み合わせでできる作業を一挙に担っているイメージでしょうか。
粘土でいうところのポーズづけに使う針金のポジションがZSphereの主な役どころです。
間接になる部分にSphereを配置して素体を造ります。
参考になるイラストがあれば、そのイラストに合わせて配置するといいでしょう。
参考にするイラストがなければ、ZBrushに付いているマネキンのモデルに照らし合わせて
適切な長さにするといいと思います。
(↑補足画像です。前の画像に表示されているニパ子背景の出し方です)
頭身や間接の位置を考えておくのが大事です
基本的にはシンメトリーを活かしてTポーズで造るといいのですが、
今回はポーズのチェックがしやすい三面図状態でイラストがあるので初めから
左右非対称にポーズをつけにいきます。
でも、左右の腕の長さがバラバラではいけませんので、シンメトリー機能で長さを同じに
揃えてから、曲げる(回転)操作だけでポーズをつけるようにします。
また、顔は微調整が必要になるのでこの段階では真っ直ぐのままにしておきます。
あと、重要なのは頭身です。ポーズや間接の長さに目が行きがちですが
ここで頭身を決めておくことが大切です。
Polymesh3D化させるのを忘れずに
ポーズが決まったら、ZSphereをPolymesh3Dにします。
Adaptive Skin > Previewでポリゴンのイメージを確認し、OKならMake Adaptive Skinでポリゴン化します。
要注意なのは、この状態ではまだサブディビジョンレベルを保持したDivideの機能が使えません。
ToolにあるMake Polymash3DをクリックしてPolymesh3D化させて下さい。
画面からこれまで造ったツールが消えてしまい慌てますが、
Toolから複数のSub toolが存在するToolを再度選択すれば元に戻ります。
残ったままのPolymesh3DでないモデルはDeleteして改めて、
Polymesh3DになったモデルをAppendで追加します。
少々手間がかかりますが、Polymesh3Dであれば顔同様、サブディビジョンレベルを行き来して
モデリングができる様になるので必ず行うようにして下さい。
無事、Polymesh3Dになったら必要に応じてダイナメッシュやDivideを行いながら
ブラシツールで形状を整えていきます。まずは服のことはあまり考えず素体としての
大まかな形を整えていければOKです。
記事が長くなるので今回はここまで。
次回は手や服のパーツを作るところから紹介していきます。