麹菌と米が教えてくれること
面白いなぁと思う。
ここ数日、麹の造りに関して担当と議論していますが
様々な条件から少しずつ見えてきたような気がします。
こういった議論ができるというのは面白い。
麹造りの難しいところは
【 発酵 】という分野で
米も麹菌も生き物という事。
料理の様に『お肉を焼く』 『味付けをする』といった
原料は生物だけど
それに人間が手を加えるという物ではなく
原料に対して生物に生産してもらう条件で
常に一定の質の物をつくるという事が難しい。
これで毎度同じものを造るのが難しいことは
発酵食品をつくる人であれば身をもって知っているだろう。
みじかなところだと飯寿司かな?
片方はその年の気候から土壌の栄養分を吸って変化し
もう一方は未知の生物と言っていいくらい明確にわかっていることは
ほとんどない麹菌という生物。
飯寿司だとつける魚の品質の違いから始まり
発酵を促す乳酸菌も同じ菌とは限らない。
そういった意味で同じものを造るのは難しい。
どちらも『きっとこうだろう。』と
予測をたてながら、状貌などをみてこっちが勝手に解釈をする。
合っているかどうかなんてわからないし
それを裏付けてくれるものは
国の研究機関の先生でも難しいだろう。
昔の人もこうやってわからないことを肌感で感じ
仮説を立てながらいい酒をつくる
地動説や万有引力の法則を見つけ、長い時間をかけて証明したように
分からないことを見つけていくような仕事です。
とはいえ、私が経験する中ではこんなに米が溶けない年が続くことが無かったので
1つの壁にぶち当たり、その間、私たちなりに仮説を立てています。
きっと経験豊富な熟練の杜氏は通ってきた道なのでしょう。
そういった方や全国を渡り歩いている人であれば
なんて事のないことなのかもしれません。
自分たちなりに調べ色々な方に聞いても
うーんなんでだろうね?と首を傾げられてしまうくらい
自分たちが仮説を立てて出した結果は
正直教科書にサラッと乗っています。
こういう時はこうだから!とか
そんな説明もなく、真の意味や深いところまで書かれていない
私たちの仮説も教科書に載っていることを
パズルのように組み替えて
正解と思われる形に組み換え
理論として可能性があることを
実際にやって立証していくことの繰り返し。
「これで光が見えてくれればいいのですが・・・・」
麹担当者も暗いトンネルを抜ける糸口が見えることに期待している。
ただ言えることは、この問題は明らかに猛暑の影響を受け
溶けにくくなってきている米の品質が
じわじわと影響し始めてきていたが
ここ数年になってより顕著に結果として出てきたという事だと思っています。
今のやり方ではその影響が大きく出てしまうという事。
影響が出てきたから気が付けたのは
不幸中の幸いというべきか
敏感に変化を受ける形ったから苦労しているだけなのか・・・・
そしてこの問題を解決できれば
今後の猛暑の影響を受けた米に対しても
何か糸口が見えてくるのではと思っていますし
この仮説を少しずつ実証していければと思います。
さて、明日でいよいよ実習に来ている大学生たちは研修が終わります。
彼らが何を感じ何を持ち帰るのかはわかりませんが
良い経験として記憶の奥底にいつまでも残る体験になってくれればと思います。
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