ドラッカーからの贈り物 「ドラッカーの遺言」
ピーター・F・ドラッカー、彼は2005年に永眠された偉大なコンサルタントです。今回読んだ本には彼の至言が詰まっていました。本文中、文字の量は少ないのですが、その言葉一つ一つが私にとって心の深くに突き刺さります。
ドラッカーさんはこう言います。
考えようによっては「危機」ではなくチャンスです。だから日本の状況は決して悲観するものではないと。
変化には二つの特徴があります。
変化は気付かないうちに忍び寄るため、それと気づいた人は勝ち組として生き残るし、気づかない人はいつまでも自分の置かれている状況を経済や時代のせいにすることになります。これは個人の単位だけに言えることではなく、国の単位でも言えることでしょう。高度成長を遂げた日本が旧来の手法に固執しすぎると、世界の中から立ち遅れるということです。
変化に対応するということは、ビジネスの世界にも、私たち個人レベルにも共通する課題です。
変化に対応するためにも知っておいて損はない、ビジネスの本質にかかわりそうないくつかを紹介します。大きく分けて経営、リーダー、決定、の3つです。リーダーの部分を厚めに説明してあります。
経営の本質とは
ここに原点があるようです。
リーダーとは
生れながらのリーダーは存在しない。リーダーとして効果的に振る舞えるような習慣を持つ人が結果としてリーダーへと育つ。
有能なリーダーの特徴
やるべきことを徹底的に考え抜くことがはじめの一歩です。これを考えずに仕事を始めることは夜の森を懐中電灯も持たずに歩き出すようなものです。これでは組織の統率は図れません。
考え抜いた「やるべきこと」からどの仕事が自分の仕事なのかをさらに考えます。これは自分が行うのが成果を上げる最善の選択かということです。
もし誰か他に自分より的確に仕事をこなせる人がいたらその人に任せる。その方が組織が成果を上げるためには効果的です。ここでもさっき述べたような経営の本質があてはまります。
どうして有能なリーダーは「自分がやるべきでないこと」が分かるのでしょうか?
自分しかこの仕事はできない!自分がいなかったらこのプロジェクトはうまくいかない!というのはみんなが思うことだと思います。だからこそ、これは自分の仕事ではない!と考えるのは簡単なことではないと思います。
有能なリーダーは組織にとって一番成果が上がる方法を考えることができます。自らが率いる組織に対する責任がそうさせるのです。だから、成果を最大限上げるために自分が関わる必要はないと判断できるのです。
現代社会では個人がビジネスで生き残るために自分自身の価値を高めておくことが大切です。そのためにも自分の強みを見つけておくことです。
自分の強みはこれまで勉強してきたこと、仕事で経験してきたことの中に隠れている、というのがドラッカーさんの主張です。
しかしながら、これを見つけることも容易ではないでしょう。私たちの経験の中にもうまくいったものもあれば、うまくいかなかったものもある。うまくいかなかったことでも、その時たまたまうまくいかなかっただけで、うまくいくこともあったりする。
そんな中から自分の得意なことを見つけるのは至難の技です。また、「今やりたいこと」と「強みを活かせる得意なこと」は違う場合があります。やはり自分の強み、自分にしかできないことを徹底的に考える必要がありそうです。
ストレングスファインダーというツールがあります。以前当ブログでも紹介した本の中にあるツールですが、これは「強み」を見つける補助手段として役に立つと思います。
決定とは
人間は将来に対する予測を正確に立てることはできません。確率をあげることはできても。決断したとおりに事が運ぶのはせいぜい50%。有能なリーダーはこのことを理解しているから、注意深く多くの人に耳を傾け、チャンスとリスクのバランスを考え抜き、人選に出来る限りの時間をさくのです。
ある程度の失敗は織り込み済みと考えるのですね。非常に深い言葉です。「決定」というととても重大な契約をしたかのような感覚に陥りますが、この言葉を聞くと少し気が楽になります。
ドラッカーさんの話のすごいところは経営の分野にとどまらず、個人の生き方についても応用できることです。今回挙がった経営、リーダー、決定を自分自身にあてはめてみてください。ヒントになる点が多いことに気づくと思います。
しばらくしてまた読み返したら、きっと新たな発見があるんだろうなと思わせるとてもいい本でした。
【関連記事】他のドラッカー本2冊です。よろしければこちらもどうぞ。
・ 【書評】マネジメント - 基本と原則
・ 【書評】ドラッカー先生の授業
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ドラッカーさんはこう言います。
日本は今「危機」に瀕しているのではなく、「時代の変化」に直面している。
考えようによっては「危機」ではなくチャンスです。だから日本の状況は決して悲観するものではないと。
変化には二つの特徴があります。
- 前回とは決して同じにはならない
- それは机上で考えるより早く現れる
変化は気付かないうちに忍び寄るため、それと気づいた人は勝ち組として生き残るし、気づかない人はいつまでも自分の置かれている状況を経済や時代のせいにすることになります。これは個人の単位だけに言えることではなく、国の単位でも言えることでしょう。高度成長を遂げた日本が旧来の手法に固執しすぎると、世界の中から立ち遅れるということです。
変化に対応するということは、ビジネスの世界にも、私たち個人レベルにも共通する課題です。
変化に対応するためにも知っておいて損はない、ビジネスの本質にかかわりそうないくつかを紹介します。大きく分けて経営、リーダー、決定、の3つです。リーダーの部分を厚めに説明してあります。
経営の本質とは
「事業の目的は?成果は?そのためには何をするべきか?」
- あなたの事業はどういうもので、何を達成しようとしているのか?他の事業と異なる点は何か?
- あなたの事業の成果をいかに定義するか?
- あなたの事業独自の強みは何なのか?
ここに原点があるようです。
リーダーとは
生れながらのリーダーは存在しない。リーダーとして効果的に振る舞えるような習慣を持つ人が結果としてリーダーへと育つ。
有能なリーダーの特徴
- 「やりたいこと」から始めるのではなく、「やるべきこと」から始める。
- どれが自分の仕事なのか問う。
- 不得手なことは決して自ら手掛けない
やるべきことを徹底的に考え抜くことがはじめの一歩です。これを考えずに仕事を始めることは夜の森を懐中電灯も持たずに歩き出すようなものです。これでは組織の統率は図れません。
考え抜いた「やるべきこと」からどの仕事が自分の仕事なのかをさらに考えます。これは自分が行うのが成果を上げる最善の選択かということです。
もし誰か他に自分より的確に仕事をこなせる人がいたらその人に任せる。その方が組織が成果を上げるためには効果的です。ここでもさっき述べたような経営の本質があてはまります。
どうして有能なリーダーは「自分がやるべきでないこと」が分かるのでしょうか?
自分しかこの仕事はできない!自分がいなかったらこのプロジェクトはうまくいかない!というのはみんなが思うことだと思います。だからこそ、これは自分の仕事ではない!と考えるのは簡単なことではないと思います。
有能なリーダーは組織にとって一番成果が上がる方法を考えることができます。自らが率いる組織に対する責任がそうさせるのです。だから、成果を最大限上げるために自分が関わる必要はないと判断できるのです。
現代社会では個人がビジネスで生き残るために自分自身の価値を高めておくことが大切です。そのためにも自分の強みを見つけておくことです。
自分の強みはこれまで勉強してきたこと、仕事で経験してきたことの中に隠れている、というのがドラッカーさんの主張です。
しかしながら、これを見つけることも容易ではないでしょう。私たちの経験の中にもうまくいったものもあれば、うまくいかなかったものもある。うまくいかなかったことでも、その時たまたまうまくいかなかっただけで、うまくいくこともあったりする。
そんな中から自分の得意なことを見つけるのは至難の技です。また、「今やりたいこと」と「強みを活かせる得意なこと」は違う場合があります。やはり自分の強み、自分にしかできないことを徹底的に考える必要がありそうです。
ストレングスファインダーというツールがあります。以前当ブログでも紹介した本の中にあるツールですが、これは「強み」を見つける補助手段として役に立つと思います。
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決定とは
「決定とは将来に対する現時点でのコミットメント(宣言)である。」
人間は将来に対する予測を正確に立てることはできません。確率をあげることはできても。決断したとおりに事が運ぶのはせいぜい50%。有能なリーダーはこのことを理解しているから、注意深く多くの人に耳を傾け、チャンスとリスクのバランスを考え抜き、人選に出来る限りの時間をさくのです。
ある程度の失敗は織り込み済みと考えるのですね。非常に深い言葉です。「決定」というととても重大な契約をしたかのような感覚に陥りますが、この言葉を聞くと少し気が楽になります。
ドラッカーさんの話のすごいところは経営の分野にとどまらず、個人の生き方についても応用できることです。今回挙がった経営、リーダー、決定を自分自身にあてはめてみてください。ヒントになる点が多いことに気づくと思います。
しばらくしてまた読み返したら、きっと新たな発見があるんだろうなと思わせるとてもいい本でした。
【関連記事】他のドラッカー本2冊です。よろしければこちらもどうぞ。
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